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第六十五の話 身近にいた仲間

今回は暴力沙汰は無いぜーーーーーー!!!

〜アルス視点〜



【チチチチ・・・】←小鳥のさえずり


「・・・ん・・・。」


あ・・・朝・・・。


「・・・。」


・・・そういえば・・・夜中に・・・



ボクが泣き出して・・・リュウジさんが・・・



・・・









【ガバッ!】←起きた


「・・・・・・・//////////////////」


あ、あわわわわわわ・・・・・・・//////////


「ちょっと、何顔真っ赤にさせて震えてんのよ。」

「だ、だって・・・・・・・?」


あれ?


「・・・ってフィフィ?」

「私以外誰がいんの?」


いや・・・まぁ、そうだけどさ・・・


「・・・出来れば人の胸の上に座らないで欲しいんだけど。」

「いいじゃん、無いから♪」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(怒)




「・・・本気で怒るよ?」

「あはは、冗談よ冗談♪」


冗談には聞こえません。


「もう、ケガ治った途端にこれなんだから。」

「まぁね、妖精族は回復力が速いから。」


かくいうボクもすっかり回復できたけど。


「まぁ、とりあえずお互い無事でよかったよね・・・。」

「うん、そうだね・・・。」



・・・・・・・・・・。



「・・・フィフィ?」

「・・・何?」

「・・・その・・・腕輪・・・壊しちゃってごめん・・・。」

「・・・ううん、もういいの。たかが腕輪だし。」



・・・・・・。



「・・・それに、私だって謝らないと・・・私のせいで、アルス傷つけちゃった・・・


ごめんね。」


・・・・・。


「・・・そのことなんだけどフィフィ。」

「?」

「ボクは・・・


勇者でも、勇者じゃなくてもボクはボクだから。」



村の皆が役立たずと罵っても


周りの人達がボクのことを勇者だと囃し立てても




結局、ボクはボクに違いないよね。




「・・・だから、もう大丈夫。」

「・・・・・・・・・・・・。」


・・・?何、その目。


「・・・ふ〜ん・・・。」

「な、何?」

「・・・さては昨日、リュウジと何かあった?」

「!!???」



え、え、えええええ!?



「し、ししし、知ってたの!?とゆーか聞いてたの!?」

「ありゃ、図星?適当に言ったのが当っちゃった?」

「!!・・・////////////////」


うぅ・・・はめられた・・・。


「・・・べ、別に何でも・・・///////」

「うっそだ〜、顔真っ赤だもん。」

「え、ウソ!?」

「ホント〜。もぅアルスってばホントわかりやすいんだから〜このこの♪」

「や、やめてよフィフィ!」


ホントに恥ずかしい・・・//////////






【ピシャン!】

「アルスううううう!!」

「へ?うわあ!?」


勢いよくフスマが開いたと思えば、魔王がいきなり抱きついてきた。


正直ビックリした。


「アルス〜フィフィと仲直りできてよかったよ〜!」

「ち、ちょっと魔王苦し・・・。」


首首首!首絞めてるってうぇ・・・。


「・・・クルル、アルス顔真っ青・・・。」

「?・・・!ご、ごめん!」


ぷはぁ・・・く、空気がおいしい・・・。


「アルス・・・お疲れ・・・。」

「え・・・リリアン・・・?」


何で・・・。


「アルス、フィフィ、大丈夫でしたか?」

「「・・・。」」

「スティル・・・カルマにケルマも。」

「・・・まぁ、僕らはただ魔王様がどうしてもというから・・・。」

「同じく。」


?何のこと・・・?


「あれぇ?私二人に頼んだっけ?」

「「頼みました!!」」

「ふ、二人同時に即答しなくても・・・。」



【バタバタバタバタ!】



「アルス!フィフィ!大丈夫!?」

「もう痛いところは無いのか!?」

「アルスちゃん!フィフィちゃん!」

「大丈夫ー!?」

「・・・。」

「いやお前らちょっと落ち着けって。」


!?


「か、カリンさん・・・クミさん、カナエさん、ミキちゃんにミカちゃん、マサさんも・・・。」


「はぁ・・・もう大丈夫みたいね。」

「まったく、龍二が傷だらけのお前を背負って帰ってきた時はどうなるかと思ったぞ。」

「も〜死んじゃうんじゃないかって・・・うぅ。」

「よかったよ〜アルス姉ちゃん無事で・・・。」

「【コクリ】」

「大袈裟過ぎだろ。」


・・・まだ死ねませんって。


「俺ー!俺ー!俺もいるぞー!!」

「・・・・・・・・・・・・えっと、キョウタさん?」

「何で俺だけ疑問系なんだよ!?しかも思い出すのに時間かかってるし!」

「「「「そーゆーキャラだから。」」」」

「そこ四人(花鈴、久美、香苗、雅)ハモるな!!」


だってその・・・あんまり面識が・・・。


「・・・ごめんなさい。」

「謝るな、惨めになる・・・(泣)」


どうすればいいんですか・・・。


『アルス、無事だったかああああ!!??』

『みゃー?』

「!?ら、ライターさん!?珠ちゃんも・・・。」


頭の上に猫を乗せた全身黒尽くめが視界に入ってきた時、魔王が入ってきた以上にビックリした。


『もぉ心配してたんだぞ俺は?いろんな人がお前のこと心配してくれたけど、書いてた俺さえも』

「そこから先言ったら危なくないですか?」

『ご名答。』

『にゃ。』


ご、ご名答ですか・・・。


「先輩、無事でした〜?」

「ちょ、明ちゃん。」

「え・・・・・・・・・・・・・・。」



マサさん達の後ろから、三つ編みの女の子と髪を団子状にした(通称シニョン)女の子が出てきた。



・・・えっと、今度は誰?



「ほら私達初対面だから・・・。」

「あ、そっか。えぇっと初めまして。私、同じ高校の一年生で三田明って言います。でこっちは滝川絵里ちゃんです。」

「ど、どうも。」

「あ、こちらこそ・・・。」


頭を下げられたからこっちも頭を下げる。え〜っと三つ編みの子がエリさんでお団子の髪型の子がアキさん・・・だよね?


「えっと・・・皆してどうしてここに・・・?」


フィフィがキョトンとした感じで言った。うん、ボクも気になってた。


「わかんねぇかぁ?普通わかると思うんだがな。」

「リュウジさん?」


ヒョッコリと皆の後ろから出てきたリュウジさん。


「夜中に言ったろ?街中駆けずり回ってお前ら探してたんだぜこいつら。」

「あ・・・。」


そうだったんだ・・・。


「・・・じゃあリュウジさんに連絡してくれた後輩って・・・。」

「はーい!私私ー!」


元気よく手を上げたのはアキさんだった。


「うむ、お前の情報収集はなかなかのもんだったぞ。」

「へへー!お褒めに預かり光栄でございます!」

「あ、明ちゃん・・・。」


・・・・・・・。


「まったく突然龍二からアルスとフィフィ探してくれって頼まれた時はホント焦ったぜ。姉さんも結構慌ててたみたいだし。」

「多分、心配してるんじゃないですか?」

「連絡してないのか雅?」

「いや、さっきしといたさ。そういう久美はどうなんだ?」

「あぁ、あたしも昨日の晩のうちに母さんに探すついでに龍二の家に泊まると・・・。」

「その言い方やめてよ!」

「そうよ!久美ちゃんが何か恋人みたいな感じになってるじゃないの!」

「?泊まるってそうなの?」

「・・・?」

「こ、恋人!?いや、そんなつもりは・・・・・・・・///////」

「「あったなああああ!!!」」

「ちょっと黙ってろお前ら。」

「「黙ってなさいヘタレ雅!」」

「へ、ヘタレ・・・。」

「あ〜も〜うっせぇぞお前ら。ほっぽり出すぞ。」

「つーか龍二よ〜。何でお前は探しに行かなかったんだよ。普通お前も探すべきだろ?」

「うっせぇ黙れ喋んな影薄恭田が。」

「ひどくね!?俺の扱い一番ひどくね!?」

『そういう星に生まれてんだろーが。』

「同感・・・。」

「「うん。」」

『みゃみゃん。』

「黒尽くめにリリアンさんに双子様におまけに猫にまでえええええ!!??」


・・・・・・・・・。


「アルス〜?」

「・・・?魔王?」

「・・・リュウくん、何でアルス達探しに行かないでずっと家にいたかわかる?」


家に・・・?


「実はね〜・・・。」

「あ、そうそうフィフィ?」

「?何?」


魔王の言葉を遮るみたいに、リュウジさんがフィフィを呼んだ。


「ちょっとこれ見てくれねぇか?」

「?・・・・・・・・・・・・!!?」


リュウジさんが差し出してきたのは・・・


「・・・これ・・・。」

「・・・・・・。」

「まぁ苦労した分ところどころ雑な部分も出てるだろうが、何とか接着剤で。」






それは・・・ボクが壊したはずのフィフィの腕輪だった。



最初の頃より確かに形が変わってるけど、面影は十分残ってた。



「・・・リュウジ・・・。」

「おらお前ら。蹴られたくなけりゃ騒ぐなやかましい。」


フィフィが何か言う前にリュウジさんはさっさと皆のところへ・・・。


「・・・・・・・・・・・・。」

「フィフィ・・・。」


フィフィは腕輪を・・・愛おしそうにギュっと抱きしめてた。



やっぱり、たかが腕輪、の一言では済まないほど大切だったんだ・・・。


「ウォッホン!話戻すよ?」

「あ、ごめん。」


魔王、咳払いしても似合わないです・・・。


「リュウくんが家を出なかったのはね、フィフィの腕輪のこともあるんだよ?ルーペっていう眼鏡みたいな奴とピンセットでずーっと集中して修復してたんだから。」

「そう・・・なんですか・・・。」

「後ねぇ・・・リュウくん、二人が帰ってくるってずっと信じてたんだと思うよ?」

「・・・?」

「だって、しきりに時間気にしてたし、二人のゴハン五分おきに暖めてたし、全然落ち着きなかったんだもん♪」


・・・・・・・。


「それにね、アキちゃんから電話かかってきてからすぐに家飛び出してったの。あまりの速さにもう私びっくりしたんだから。」

「クルル何話してんだ?」

「へ?いやいや何も?」

「はにゃ?」



・・・。




・・・リュウジさん・・・皆・・・



「・・・あの!」

『?』








“一人で何でもかんでも背負い込もうとすんじゃねえよ。誰かを傷つけたくない、守りたい、でも一人じゃどうにもって思うんなら仲間に頼れ。それが結局守るってのに繋がる。つまり仲間=俺達だ”








「・・・心配かけさせて・・・ごめんなさい・・・!」

「・・・私も、ごめんなさい!」



・・・何で・・・全然気が付かなかったんだろうなぁ・・・。







「・・・・・・・・ふぅ。それでは皆いくぞー。



せーの・・・。」










『気ニシナーイ!』←全員大合唱










「気ニシナーイ!」


【ズゴン!】←花鈴のエルボーが恭田の鳩尾にクリティカル


「ぶぎょぼ!?」

「アンタ何一人だけはずれてんのよ恭田!」

「台無しじゃないか!」

「いいシーンだったのに!」

「感動的だったのにー!」

「【コクリ】(怒)」

「シーンって何だシーンて。」

「な、何だよぉ!俺だけ打ち合わせしてなかったんだからしょうがねぇだろぉ!?」

「朝の打ち合わせに出ずにずっと眠りこけてたテメェが悪ぃんだろがこの影薄恭田。」

「影薄言うなっての龍二!」

「仇名オリゴ糖にすっぞ。」

「何で!?」

『あ、それとも山田にすっか?』

「しなくていい上に脈略ねえ!?ってかアンタ誰だよホント!?」

「ま、まぁまぁ。」

「皆・・・落ち着く・・・。」

『みゃーみゃ。』

「リュウくんと一緒に気ニシナーイ言えたー♪」

「僕も魔王様と一緒に言えたよカルマ!」

「はいはいよかったなケルマ。」

「絵里・・・いいねこのセリフ!」

「う、うん・・・そだね/////」










ボクが知らないうちに仲間が増えてたなんて・・・。









「・・・もぉ・・・皆バカばっか・・・。」

「・・・フィフィにアルス・・・泣いてる・・・?」

「え、ウソ・・・!?」

「泣くなよこんくれぇで。」

「な、泣いてなんかないわよバカ龍二!!」



・・・。









「・・・アハッ♪」

「!あ、アルスまで笑うなああああ!!」




皆が・・・仲間がいるこの空間で、





ボクは心の底から笑顔になれた。


ほのぼの、かつ若干シリアスに・・・なってるでしょうか?


一応アルスの長編はこれで終わり。次回はちょっとおまけ話です。


長編を読んでくれた皆様方、ありがとうございました!これからも連載の方、よろしくお願いします!!

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