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第五の話 雅の家にて

サブタイトルの通りだ。今俺らは学校が終わって雅の家の前にいる。何故ここにいるのかというと、それはあの時の雅、久美、香苗の言葉が原因だった。



『実はさ・・・俺の家に一人、そういうのがいるんだよ。何か魔道士みたいな男。』

『あたしの家には何かものすごく大きい斧を持った女の人がいるんだが、昨日満身創痍の状態で倒れてたんだ。今でも寝てると思う。』

『わ、私なんか変な格好した双子の男の子が倒れてたから家に寝かせてあるけど・・・何か二人とも可愛くて♪』

俺以外『オイ。』



ってな感じだ。で、とりあえずアリス達に会わせる前に俺が確認とっとこうと思って一人で雅の家に来たわけさ。電話であいつらに知らせてここに来させるという方法もあるが、電話の使い方わかってねぇし。さっきメッセージ送った用法使えばいいと思うんだが、ここまで来させるのにあいつら地理ダメだし、何かあいつら格好目立つし。そんなら俺が迎えに行きゃいいじゃんと思うだろうが、あいつら連れて歩くのが何か恥ずかしいし。


ま、ぶっちゃけ理由は俺がメンドイだけなんだけどな。


だってメンドイもん。こっから俺ん家まで行ってまた戻ってくんのってメンドイもん。理由説明すんのもメンドイもん。だから再会させんのはまた後日っつーことで。因みにあいつら連れて歩くっていうのは別に恥ずかしくも何ともありませんたんなる言い訳ですハイ。

「何ぶつくさ言ってんだ?」

あ、声出てたのか。わーはずかしー。

「棒読みだぞ。」

うっせー今のは頭ん中で言ったんだ心読んでんじゃねーよバーカバーカ。

「・・・それは純粋に落ち込むぞ。」

「ありょ。ごめん。」

さて、コントしてねぇでさっさと入るとするか。しかしいつ見てもでかい。何回かこの家にお邪魔したことはあるが、とにかくでかい。豪邸っていう奴かコレが。う〜ん、ブルジョワ。

「まぁ、上がれよ。」

「お邪魔しま〜す。」

あ、言い忘れてたが、今回は俺一人で来た。雅の客人は元気らしいけど、久美と香苗んとこの客人は今だに眠っておるようで。まぁ目覚めた時慌てるかもしれんしな、傍にいてやるほうが妥当だろう。つーわけで今は雅と俺だけだ。

「あら龍ちゃんいらっしゃい。」

玄関に上がると水色エプロン付けた女性が出迎えてくれた。この人は昔っからちょくちょくお世話になってる楠田 涼子さん。まぁこの展開だったら母親だと思う奴も多々おるだろうが実は・・・。

「姉さんただいま。」

「おかえり雅。」

とゆーこった。この人は雅の姉貴だ。雅と同じ茶髪でセミロング。ちょっと垂れ目な所は雅と違うが、他はよく似ている。しかも性格も温和だ。そして天然だ。そしてドジだ。なのに何故か知らんがかなりモテモテだ。何でも胸が香苗よりでかい所と、ドジな所が周りからしたら『モエる』らしい。モエるってどう書くんだ?わかんね。まぁいい性格してるからモテてんだろう。そう思うな俺は。

「で?肝心のお客はどこだ?」

「俺の部屋だ。ところで姉さん、あの人の様子は?」

「ええ、大分落ち着いてるわよ。」

「?何のこっちゃ?」

「いや、実はな。久美達と同じくあの人も気絶していて俺の部屋で寝かせてたんだけど・・・朝起きたらものすごい警戒心丸出しでさ、杖から火の玉撃ち出しやがったんだよ。」

おお、ファンタジーだ。でも火の玉って・・・なんかデジャヴ感じる・・・。

「そりゃすげぇな。」

「で、部屋が燃えそうになる前に消火して、姉さんが・・・。」

「一発殴っといたのよ♪」

まぁ、楽しそうに言ってますね涼子さん♪隣で雅が何か微妙に暗くなってるぞ♪あ、言い忘れてたが涼子さんはめちゃくちゃ強いって評判だ。絡んできた数人のチンピラどもを一人残らずボッコボコにしちゃったこともあるんだとよ。

「でも龍ちゃんには一回も勝ったことないんだよね。」

どうやら楠田家は人の心を読めるという術があるらしい。うん、そういう事にしとこう。

「じゃ二階上がらせてもらいま〜す。」

「姉さん、後でジュース頼む。」

「はいは〜い、じゃ龍ちゃんだけ大ジョッキね。」

そして何故か俺はいつも涼子さんに特別扱いされるが如くの振る舞いをうける。こないだなんてシュークリームを雅が二つに対して俺には八個(十個入り)だったし、何かあんのかね?ま、どーでもいいやシュークリームうまかったし。口の中ものすごく甘くなったからたまらず家でラーメン食いまくったけど。

「ここだ。」

いや、わかってるけどね指差さなくても。因みにここは二階にある雅の部屋。あ、言い忘れてたが家の床全部にレッドカーペットが敷いてある。金持ちの特権だね。ああ羨ましい羨ましい。

「・・・おい、何で足踏んでんだ?」

「?何が?」

「いや、だからお前俺の足踏んでいてててててててててでででででええええええええええ!!!!!」

ん、これくらいにしといてやろう。あ、でも考えてみりゃこいつに非はねぇな・・・ま、いいや。

「じゃお邪魔するぞ〜。」

「・・・お前呪われろ。」

何か後ろから恨みがましい目で見られてんだがスルーしとこう。とりあえず部屋のドアを少し開ける俺・・・。



あ〜・・・。



「なぁ雅?」

「・・・何だ。」

「いや、お前ってそーゆー趣味だっけ?」

「ちょと待て誤解だ。」

わ、即答だ。

「じゃ何でイスに鎖でグルグル巻きにして放置してんだ?」

「・・・姉さんが暴れたら困るっつってさ・・・。」

あぁ、あの人ならやりかねんな。あの人泥棒とかそーゆーたぐいの奴には容赦しねぇもんなぁ。殺人まがいのようなことしそうになった時は俺が全力込めて拳骨食らわして止めたな。あの後病院行きになった時はさすがにちょっと驚いたな。まぁ一日で回復したけど。それに比べりゃこれはまだマシだな。

「ま、とりあえず入るべ。」

中に入らん限り何にもならんしな。

「・・・あ、おかえりなさい・・・。」

「あ〜・・・ただいま〜。」

うっわ〜、めちゃくちゃ満身創痍な状態じゃねーか。いつからこの状態だこの人。

「で・・・そちらの人は・・・。」

「ああ、俺の友達だ。」

「荒木 龍二だ。よろしく。」

「はい・・・よろしく・・・。」

暗ぇ〜・・・。

「なぁ、解いてやろうや。これじゃ話もできねぇよ。」

「そうしてやりてぇんだが・・・姉さんに何言われるか。」

「ヒッ!」

『姉さん』という単語に小っちゃく悲鳴を上げる鎖男(鎖で縛られてるから)。相当ひどい目に合ったなこりゃ。

「大丈夫だって、涼子さんには俺が何とか言ってやるから。」

「ん・・・しゃーねぇか。」

あ、今思ったんだが俺のセリフは普通弟である雅が言うべきセリフなのでは・・・まぁいいや。



「助かりました。もう苦しくて苦しくて・・・。」

「いやいや。」

俺は手をヒラヒラと振った。にしてもこの人の服装・・・あれだな。まぁ魔道士っていうのかRPGで言うところの。ヒラヒラの白いローブ着てるし。見た目は俺らと同い年ぐらい、そして金髪、金眼その上シャープな顔付きでいわゆるイケメン。でも少しやつれて見えるのは俺だけだろうか?

「あ、申し遅れました。私の名前はスティル・グライアです。」

頭を軽く下げて挨拶。うん、社交的だ。

「よろしく〜。」

さて、本題に入るか。

「で、お前この人に何の用なんだ?」

だあらそれ言おうとしてたんだっつーの。

「私に用・・・ですか?」

「おうよ。」

とりあえず一泊置く。

「アンタ、アルスとフィフィって奴知ってるか?」

「!!」

あ、目見開いた。めちゃくちゃ驚いてるな。

「ア、アルスとフィフィを知ってるんですか!?」

「うん、家にいるぞ。」

「お前ん家にもか?」

雅が聞く。

「ああ、何か仲間探してたぞ。つーかアンタらの名前聞くの忘れてたけどな。」

「普通聞くだろ。」

「忘れちってた。」

「ちってたって何だ。」

うん、いいツッコミテンポだ。

「じゃあ・・・リリアンも?」

「へ?誰だそれ。アンタの仲間?」

「えぇ、そうですが・・・でもとりあえずよかった、二人とも無事で。」

「あ、クルルもいるぞ。」

「え、クルルって・・・誰ですか?」

「魔王(本人曰く)。」

「!!」

おぉ、さっきよりビックらこいてら。

「ま、魔王!?魔王もここに!?」

「まぁな。とりあえず、あいつらの事は確かに伝えといたぞ。」

でもあの驚きよう・・・やっぱ魔王って好かれてねぇのか。でも昨日は結構仲良く見えたけどな。



龍二は二人の死闘見てなかったからそう思っているのである by作者



今何か聞こえたか?

「にしてもあと仲間は一人か。」

「あ、もしかしたら香苗か久美んとこにいるかもな。」

「だな。じゃ俺そっち行ってみっか。用も済んだし。」

とりあえずおいとましよかね。

「お待たせ〜ってあれ?もう帰るの龍ちゃん。」

あ、そういや涼子さんがジュース持ってきてくれるっていうの忘れてたな。

「ああ、もうおいとまするけど、とりあえずジュースは飲んでこっかね。」

「え〜、もうちょっとゆっくりしてけばいいのに〜。」

上目遣いで言ってくる涼子さん。

「まぁまた来るからさ。」

スティルの様子見に。

「む〜、わかったわよ。」

「どーも。」

ジュースの大ジョッキを手にとって一気に飲み干す。ん、こりゃ青汁だな。まずい!もう一杯!いらねぇけど。

「はい、雅。」

「サンキュ、姉さん。」

そう言ってグイと飲む雅。


【ぶーーーーーーーーーーー】


おお、吹いた。

「じゃ、お邪魔しました〜。」

「また来てね〜♪」

涼子さんの声と同時に部屋を出る。出る直前に目に入ったのは、苦しそうにむせている雅と涼子さんを見て震えているスティル。何か見てて哀れに思う。


さてと。ケータイケータイ。


「・・・あ、久美か?今からそっち行くから。うん、じゃ後でな。」

切ってポケットにケータイを仕舞う。まぁあらかじめ学校で三人の家に行くと約束しといたけどな、行く前に電話しとくってのは礼儀ってもんだろう。




あ、何か二階から悲鳴が聞こえるな・・・多分スティルのだな。ま、頑張れ。色々。


とりあえずリラックスするために更新更新・・・受験って辛いです(泣)。

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