第五十四の話 こんな一日
猫との会話再び♪
〜龍二視点〜
「いい天気だな。」
『そうですね〜。』
雪がすっかり溶けてしまい、名残惜しいなぁと思いつつも縁側でのんびりまったりくつろぎ中。ちゃっかり膝の上にはお久しぶりの三毛猫の珠が丸まって乗っかっている。
ついでにアルス達はカリンの家に遊びに行っているから今は留守だ。
「・・・こう、お前さんとのんびりするのも久しぶりだな。」
『・・・ですね。』
あ〜空が青いぜ。
「で?最近までどこ行ってたんだ?」
『ちょっと近くまで。』
「近くとは?」
『北海道まで。』
「全然近くもなんともないな。」
『それほどでも。』
「今のを褒め言葉として受け取るお前はナイスだ。」
『失礼な。』
「今のを侮辱と受け取るお前はグッドだ。」
『まぁ冗談はさておき。』
「知ってた。」
『さいですか。』
「おう。」
『話は戻して、最近は隣町まで行ってたんです。』
「ノリか?」
『違います。』
「そうか。」
『ちゃんと理由があります。』
「どんな?」
『かっこいいオス猫を追っかけて』
「しょーもな。」
『私にとってはしょーもなくないです。』
「俺からしてみればしょーもな。」
『今ムカっときました。』
「気ニシナーイ。」
『・・・じゃ私も気ニシニャーイ。』
「パクったな。親父にもパクられたことないのに。」
『あなたのそのセリフもパクってます。』
「バレバレか。」
『はい。』
「まぁいいや。それで?」
『強引に話戻しましたね。で、オス猫追っかけてたら。』
「追っかけてたら?」
『迷子ならぬ迷猫になっちゃいまして。』
「バカ猫。」
『それ純粋に傷つきますからやめて。』
「へいへい。」
『で、しょうがないので人様の家でお世話になってました。』
「いい人だったんだな。」
『ええ、テーブルの上に焼き魚を置いててくれましたし。』
「ふむ。」
『鬼ごっこもしてくれましたし。』
「ふんふん。」
『まぁ追いかけられながら罵言暴言吐かれましたけど。』
「ほぉ、罵言暴言吐かれたか。」
『ええ、『この盗人めー!』とか『殺してやるー!』とか。』
「そりゃリアルな鬼ごっこだな。」
『でしょー?』
「ははははは。」
『あはははは。』
「ははははは。」
『・・・ツッコミは?』
「は?遊んでもらったのに何故ツッコミいれなければならんのだ。」
『う〜ん、あなたにツッコミを求めた私は間違っていたようです。』
「それ俺のこと侮辱してる?」
『ええ、一応。』
「今晩は猫料理に初体験。」
『ごめんなさいお許しください。』
「ん、許す。」
『寛大なお心をお持ちで。』
「まぁな。」
『否定はしないんですね。』
「さて、そろそろうちの奴らが帰ってくる頃だしっと、お前も一緒に昼飯食うか?」
『あ、じゃいただいちゃいますー。』
「あいよ。」
じゃ今日の献立は焼き魚定食だな。味噌汁付けたらバッチグー。
「リュウく〜ん!」
【バキッ!】
「帰ってきた時のセリフは?」
「・・・た、ただいま〜。」
「オーケー。」
クルルの気配を感じたんで名前呼ばれると同時に裏拳かまして撃沈、そのままK・O。
「リュウジさんただいま〜ってあ、その子は・・・。」
「おう、珠だ。」
『ミャ〜。』
「こんちわ〜ってええええ!?アンタ猫飼ってたの!?」
「いんや、こいつが時々遊びにくるだけだ。」
「猫―!!」
『みゃ〜ん♪』
「フィフィ、変な対抗してどうすんのさ・・・。」
花鈴も増えて騒々しくなっちまったな。まぁ別に気ニシナーイなんだが。
「で?花鈴も当然食ってくんだろ?」
「あったりまえでしょ!」
「んなこったろぉと思って余分に買っといてよかったぜ。」
『みゃ〜。』
しっかし・・・魚六人前(一名“匹”)焼くっつーのは結構メンドイんだよなぁ。
・・・。
・・・ま、いいか♪
『にゃ♪』
今回は最近の(雪合戦の時)と違って全部ほのぼのしてみました。
猫と会話してぇ〜。