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第五十三の話 『第三回、血まみれの雪合戦 死ぬのは誰だ大会』<後編>

後編です〜。


〜アルス視点〜



「はっ!」

「てい。」


【ドシュバス!】


ただいまリリアンとボクとの雪玉による攻防戦が続いている。隠れたり、反撃したりの繰り返しです。


正直どれだけ時間が経ったのかさっぱりわからない。


「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃああああ!!!」

「そらそらそらそらそらそらそらそらああああ!!!」


【ドシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ!!!!!】


・・・魔王とスティルは攻防戦というよりもう“防”の字さえ無いくらいの激しい投げ合いをしている。


お互い当らないのは・・・多分雪玉が途中でぶつかり合って砕けてるからだと思う。


うん、間違いない。


「アルス右!」

「!はぁっ!!」


【バシュ!】


「・・・はずした。」


あ、危なかった・・・。


「フィ、フィフィありがとう。」

「ボーっとしてたらやられるわよ。」


気を付けます。


「・・・さすがアルス・・・伊達に私達のリーダーやってない・・・。」

「まぁね。仲間の行動パターンも把握してないようじゃまとめ役なんてできないよ。」

「・・・お化け・・・苦手なくせに・・・。」

「///////////・・・そ、それは関係ないよ!!」

「隙あり。」

「なぁ!?」


反論した途端に攻撃って・・・。


「・・・おしい。」

「・・・・・・・・(怒)」




・・・もう怒った!




「こうなったら手加減しないよリリアン!『気よ、我に集え!!』」


魔力を体の周りに集めて、同時に周囲の雪も収集していく。


・・・ちょっとずるいと思うけど、リュウジさんなら多分許してくれるだろうし・・・。


「行け!スノーリング!!」


【ビュオン!!】


魔力で作ったリング状の雪を回転させながらリリアンに向けて飛ばす!


「!?」


【バッ!ドゴオオオオオオン!!】


くっ!後ちょっとだったのに避けられた。


「・・・魔法なんて・・・あり?」

「ありだと思う!」

「アルス、断言できてるようでできてないわよ。」


・・・フィフィにツッコまれた。


「・・・そう・・・ならこっちだって・・・。」


【チャキッ】


・・・ってへ?斧?


「・・・『アトミック・ブレイク』。」


【ドゴオオオオオオオン!!!】


力いっぱい振り下ろした斧の衝撃波で雪が津波のように・・・







「「って嘘おおおおお!!??」」


そんな使い方ありいいいい!!??


「か、『壁よ、遮れ!!』」


【カキン!】


咄嗟にボクらの目の前に透明の壁を張る。


【ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオ!!!!】


・・・・・・・・・・あ、危なかった〜・・・。


「・・・さすが・・・アルス。」

「し、死ぬってリリアン!さすがに!」

「殺す気!?」

「【コクリ】」

「「えええええええええ!!!???」」


何で!?


「・・・龍二・・・殺す気で逝けって言ってたから。」

「だからって本気にしないでよ!!」

「・・・アルスのあれだって・・・当ってればただじゃ済まなかったから・・・おあいこ。」

「うっ・・・。」


・・・そういやそうだった・・・。


「・・・こうなったら・・・これで終わらせる。」

「・・・ならボクだってこれで・・・!」


あまり時間かけすぎたらまずいし・・・。





あ、そう言えば魔王の方は・・・



【グシャ!!】



・・・あ・・・。



「・・・み・・・見事だ・・・魔王・・・。」

「フフフ・・・そっちこ・・・そ。」


【パタリ♪】


・・・・・・・あ、相打ち・・・。


「スティルとクルル・・・・・脱落。」

「「うん。」」


リリアンの言葉にボクとフィフィは頷いた。


「・・・じゃあ・・・こっちも・・・。」

「そうだね・・・終わらせよう!」

「覚悟してよねぇリリアン!」


さっきよりか弱めの魔力を集めてもう一度スノーリングを作り出す。


対してリリアンは・・・・・・・かなり大きい雪玉、というより雪岩を持ち上げていた。


大きさは大体ボクぐらいの大きさ・・・さすが仲間一の力を持っている女戦士。


「行け・・・。」

「これで・・・。」








「「スノーリング!!!!」」

「終わり。」



ボクのスノーリングが真っ直ぐリリアンへ、


リリアンの雪岩が放物線を描いてボクらへと向かってくる。






【ドオオオオオオン!!!】




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



「・・・。」

「・・・。」





【バタッ】


「・・・さすが・・・アル・・・ス・・・。」


【ガクッ】


「・・・か、勝った・・・。」


間一髪、スノーリングが雪岩を砕いた・・・。


「・・・何で雪合戦でこんな真剣勝負しなきゃいけないのよ。」

「・・・・・・。」


フィフィ、それ言ったらさっきの喜びが半減するからやめて。


「よし、後は旗を取れば・・・。」


【グラリ・・・】



あ、あれ・・・?


【パタリ】


「!ち、ちょっとアルス!?どうしたの!?」

「・・・ごめん・・・力、使いすぎたみたい・・・。」


さすがに慣れない魔法は使うものじゃないなぁ・・・たはは。



あ・・・眠い・・・。



「ちょ、ここで寝たらまずいでしょアルスーーーーー・・・・・・・」










・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


(・・・ろ。)


・・・。


(お・・ろバ・・・。)


・・・ん・・・。





「起きろ、このバカ。」

「・・・はぇ?」


あれ・・・?ここどこ?


「も〜!いきなり寝ないでよねアルス!」

「あ、フィフィ・・・ここは?」


起き上がってみれば・・・皆寄り集まって火を囲んでいた。


「や〜っと起きたわね。」

「あれ?カリンさん?」


厚手の赤い服を着たカリンさんが目の前にいた。


「何でここに?」

「何でじゃないわよ・・・こっちはさっき部活終わったところでさぁ帰ろうとしたら・・・。」


あ、だからリュウジさん、あえてカリンさん呼ばなかったんだ。


「・・・龍二が・・・。」

「?」



「“今すぐ来い。でなければあのことをバラす”って電話で脅してきて・・・。」



・・・・・・・・。


「・・・大変ですね。」

「・・・うん。」


“あのこと”っていうのが気になるけど触れないでおこう。


「で、アルスが倒れたから急遽手先が器用なカリンにこのかまくら作らせたって訳だ。」

「カマクラ?」

「周り見てみろ。」


周り?・・・・・・よく見ればボクらがいる場所はドーム状になっていて、ボクら全員が悠々と入れるくらいの広さがある。出入り口は小さめの穴があった。


あと、壁が全部雪で出来ていた。


「え、これ全部雪ですか?」

「そ。」

「・・・大丈夫なんですか?火なんて炊いて。」

「大丈夫だ。かまくら舐めんな。」


・・・確かに、周りは雪なのに、中はあったかい・・・。


「あ、そうそう。雪合戦だが俺らのチームが勝ったぞ。」

「・・・まぁ、そうですよね。」


ボクと魔王、最終的に気絶しちゃったし。


「ついでに旗取ったのはお前らが行ってすぐだ。」

「え、えええ!?」


じゃ・・・ボクら戦い損!?


「まぁ勝ったーってことだし、戦線離脱して久美達と一緒に雪だるま作って遊んでたんだがな。」

「ねー♪」

「【コクリ】」

「ああ、楽しかったぞ。」


わぁ・・・可愛い雪だるま抱きかかえて嬉しそうですねミキちゃんミカちゃんクミさん・・・。


ボク、すっごい憂鬱です・・・。


「ごめんね、追い詰められたから思わず降参しちゃってて・・・。」


カナエさんが手を合わせて謝罪の意を示した。


・・・ボクって謝られると弱くなるんだよね・・・。


「いえ、大丈夫です。気にしないでください・・・・・それより・・・。」


一番心配なのは・・・。


「・・・マサさん、大丈夫でした?」

「ああ、問題ない。」


問題ない割に頭に包帯巻いてますけど・・・?


「・・・こんなの前回に比べれば大したことはないさ。」

「は、はぁ・・・。」


前回どんな目に合ったんですか。


「い、痛かった・・・。」

「・・・後恐ろしかった・・・。」


同じく頭に包帯を巻いたロウ兄弟・・・顔真っ青。寒さのせいじゃないでしょう多分。


「でも楽しかったねスティル!」

「ま、まぁ・・・な。」


嬉しそうに言う魔王に対して、若干目を逸らして苦笑いするスティル。


でも、顔がまんざらでもなさそう。


「いい勝負だったわ・・・アルス。」

「うん、死にかけたし。」

「もうあれだけは勘弁して欲しいわ・・・。」


フィフィに激しく同感するよ・・・。


「はぁ・・・アタシもしたかったな〜雪合戦。」

『いえ、多分来れなくて幸せですよあなたは。』

「へ?」


ボクとフィフィ、魔王にロウ兄弟とスティル、マサさんカナエさんクミさんが一言も間違えずに綺麗に声をそろえてカリンさんに言った。


「まぁ今回はある程度手加減したし、程よく楽しめたろ?」

「「「「えええええ!!??」」」」


あれで手加減したんですかあああ!!??」


「?何を叫ぶ必要がある。」

「「「「いえ、何でもないです。」」」」


・・・因みに叫んだのはボクとフィフィと魔王とスティルです・・・。


「?・・・お?」

「?」


リュウジさんが何か見つけたような顔した。


「・・・お前ら、ちょっと外出てみろ。」


外?


「・・・わぁ・・・。」


外に出たら、長いこと気絶してたせいで周りはもう真っ暗だった・・・








でも・・・おかげですごい綺麗なものが見れた・・・。



「キレイ・・・。」

「うん・・・。」

「スゴーイ・・・。」


雪が静かに降ってきている中、うっすらと雲の中に浮かぶ月から発せられた青い光が、雪に反射してキラキラ光っている・・・


幻想的な光景に、ボクらはただただ呟くしかなかった・・・。


「へぇ、こいつぁ大したもんだ。」

「あんま見れないよね。こんな光景。」

「そうね〜。東京じゃなかなか見れないわよ。」

「だな。」

「すごいすごーい!」

「・・・うん。」

「・・・キレイ。」

「・・・。」


他の人達もただただこの光景に魅入るばかりだった。


「・・・いっくち!」

「あ、アルス大丈夫?」

「うん・・・平気。」


・・・せっかくのムードが台無しだよ・・・。


でも・・・寒い・・・。


「ん。」

【ペト】

「え?」


何か頬に・・・・・・あ、あったか〜い。


「ココア、入れてやったぞ。」

「あ、リュウジさん・・・・・・ありがとう・・・。」


リュウジさんが差し出してきたカップを受け取ってみると、ほんのりあったかい温度が手袋越しから伝わってきた。


「【ズズズ】・・・いいな。たまにはこういうのも。」

「・・・そうですね・・・【ズズズ】」


リュウジさんの隣で雪を眺めながらカップを啜ると、甘いココアが体をあっためてくれた。



・・・でも・・・。



「おいアルス。顔真っ赤だぞ?」

「!な、何でもないです・・・/////////」



ただこうしてるだけで、十分あったかかった・・・。











「あ〜!アルスだけずる〜い!」

「私もココア欲しい〜!ってリュウちゃんといい雰囲気になるな〜!」

「そうよ!勝手に熱々な雰囲気になってんじゃない!」

「アルス、抜け駆けは反則だぞ!」

「・・・アルス、ずるい・・・。」


・・・・・・。


「はいはい、お前らの分のココアも入れてやっから待ってろ。」






・・・はぁ・・・・・・ま、今回はいいか。



冬って・・・思ったより悪くないかもしれない・・・。
















「じゃ来年も第四回、開催すっぞー。」

『ホント勘弁してください!!!!』


・・・やっぱり恐いです(泣


結局最後はこういうオチです♪

いやはや、自分で書いてて結構楽しめました♪

「最後の最後でアタシ登場したけど、ね!!」

・・・まだ根に持ってたの花鈴?

「当然!!」

・・・すいませんでした。

「ふん!」

・・・今度龍二と二人だけのストーリー書きますから。

「許す!!!」

はやっ!?

「おい作者〜。」

?どしたぁ龍二?

「さっき雪道歩いてたら誰か埋まってたぞ〜。」

・・・誰が?

「顔から察するにこいつは・・・・・・・あぁ、カナタだ。」

おい!!!別作品の人を出すな勝手に!!

「家で解凍してやるか。」

って聞け!その上引きずっていくなあああああ!!!


・・・で、ではこれからもよろしくお願いします!


待て龍二!人様のキャラクターは大切に扱ええええええええ!!!!

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