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第五十二の話 『第三回、血まみれの雪合戦 死ぬのは誰だ大会』<中編>

前編の続きです。



〜アルス視点〜



『前回のあらすじ


雪やこんこんあられやこんこん、食っては食っては腹減り止まぬ、でもそんなの関係ねぇ!そんなの関係ねぇ!はい、オッパッピーの如く寒い雪空の下で雪合戦を提案した龍二。しかしそれに対して雅、香苗、久美はとてつもなく嫌な顔どころか世界に絶望したような複雑な表情を見せる。そんな彼らに対し、龍二は“参加せねばお前らの秘密をバラす♪”と脅し、泣く泣く参加させられる羽目に。

雅達は何故雪合戦ごときであのような顔をしたのか!?龍二の企みとは!?


次回、乞うご期待!!』



「・・・いや次回じゃダメでしょ!?それに何なんですかこのあらすじ!?特に前半!」

『いいじゃんか別に。』

「よくないです!とにかく帰ってください!」

『ちぇー。』


ヒュっと消える黒装束の人。


何でこんなところに作・・・ライターさんがいるんですか・・・。


「アルスー。早く早くー。」

「あ、ごめん。」


魔王に呼ばれたんで皆が集まってるところへ行く。



さっきマサさんから聞いた話だと、雪合戦というのはそれぞれ二つのチームに分かれて、お互い雪玉を作ってそれを相手にぶつける。当った人は退場。そして敵陣の中にある旗を取ればそのチームの勝ち。



ルールは単純。でもなんだかおもしろそう・・・。


「ん。じゃさっき引いたクジに従ってチームに分かれろ。」


リュウジさんに言われて皆それぞれ別々に分かれた。



赤チーム

・リュウジさん

・クミさん

・ミキちゃん、ミカちゃん(二人で一人だそうです)

・リリアン

・スティル


青チーム

・マサさん

・カナエさん

・ロウ兄弟(ミキちゃん、ミカちゃん同様)

・ボクとフィフィ(同じく)

・魔王



・・・まぁクジだからこうなるのも不思議じゃないですけどね。


「り、龍二が敵・・・か。」

「そ、そんにゃ〜・・・。」


く、暗い・・・マサさんとカナエさんが暗いです・・・。


「え〜!リュウくんと一緒がいいのに〜!」

「魔王様、ボクがいます!」

「いや!」

「ガアアアアアアン!!!」

「ケルマ、どんまい。」


こっちはこっちで何だか大変だなぁ・・・。


「私達も一セットね。」

「そうだね。」


まぁフィフィは小さいからしょうがないよね・・・。


「ではルール説明しまーす。」


遠くからリュウジさんの声が聞こえる。当然、敵だから向こうから声かけるしかないですし。


「ルールは普通の雪合戦同様、当ったら退場。で、相手陣地の旗を奪えばそのチームの勝利。」


ボクらの旗は青チームだけに青旗です。


「で、これが一番重要。










作戦時間なし。殺す気で逝け。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・。




『は?』


ボクら仲間と魔王とロウ兄弟が同時に叫ぶ。


「じゃ始めー。」

『いきなり!?』


ホントいきなり!


「・・・くそ、結局こうなるのか・・・。」

「?マサさん?」


今何か呟いたようだけどよく聞き取れなかった。


「ま、雅くんどうしよ・・・。」

「仕方ない、隙を見てあっちの陣地に入らないと。」


物凄くまじめな顔でマサさんとカナエさんが話している。


・・・でも雪を投げてぶつけるくらいで殺す気でって言われてもどうすればいいのk


【ボゴオオオオオオン!!!】

『!!??』


・・・そ、傍の壁が・・・。


「へ、な、何?」

「やべぇ・・・お前ら伏せろおおおお!!!」


え、えええ!?








【ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!】




ににゃああああ!!??


「な、何!?何何ぃ!?」

「いやああああああ!!」






〜数分後〜


「はぁ、はぁ、はぁ・・・。」


お、収まった・・・。


「な、何なのよ一体ぃ・・・。」

「わ、わかんないよ・・・。」


えと、さっきの状況説明。



まず最初。傍にあった雪の壁が吹き飛びました。確かかなり硬かったような・・・。



そしてその後、雨のように雪玉が降ってきました。おかげで周りはさっきより雪で一杯になりました・・・ついでに地面に無数の穴も開きました。



「くそ・・・やっぱり相手が龍二だとな・・・。」


え?


「・・・それどういう意味ですかマサさん・・・。」

「ああ。






さっきの全部龍二だ。」


・・・・・・・・・ぁう。


「あいつの投げる雪玉は全部常識はずれだ。最初の攻撃なんてコンクリートの壁を軽く破壊できる。

・・・で、神速の速さで雪玉を精製して全部で投げつける・・・それがさっきの雨あられの雪玉だ。」


・・・・・・・・うん、そうですよね。あいてはりゅうじさんなんですからそんなことだってふかのうじゃないですよね。あのひとならそれくらいかるいですよねーあはははは♪


「あ、アルスアルス!ちょっと意識飛んでるって!」

「・・・はっ!ご、ごめん。」


思わず現実逃避してしまいました・・・。


「・・・でもどうするんですか・・・正面から行ったら死ににいくようなものですよ?」

「それでも何とかするしかない・・・。」


何とかったって・・・


【ズゴン!!】


!?また壁が・・・!


「おーい。隠れてばっかならこっちから行くぞー。」


・・・いつもののんびりとした口調が悪魔の声に匹敵するくらいに感じられました・・・。


「ちっ!・・・仕方ない、男性陣は龍二を足止めするぞ!」

「「は、はい!!」」


マサさんとロウ兄弟が壁を越えていった。


「ふふ〜ん♪Come on(来いや)」


壁から頭を出して覗いてみれば、リュウジさんが左手をジャケットのポケットに突っ込んだまま棒立ち状態で、右手でマサさん達を手招きして挑発していた。


「散開!」


【シュバッ!】


マサさんの号令と共にロウ兄弟が消える・・・速い。


「とう。」


声に覇気がないけど、それとはうってかわって物凄い速さの雪玉がマサさん目掛けて飛んでいく。


「くっ!」


【ズゴオオン!!】


・・・咄嗟に避けたからよかったけど、あれくらったらただじゃすまないだろなぁ・・・。


「ふむ、なかなかやるな。」

「伊達にお前と親友やってねえから、な!」


お返しとばかりに雪玉を投げつけるマサさん。リュウジさん程じゃないけど、その玉は意外にも速い。


「よ。」

【パシィ!】


ゆ、指先だけで弾いた。


「まだだ!」


こっそり作ってたのか、懐から雪玉を次々と投げつける。


「ほほほいっと。」


【ヒュヒュヒュヒュヒュ】


って避けんの速っ!?


「くっ!」

「?終わりか?」


唇を噛みしめるように呻いたマサさんに対して、両手を広げて余裕の意思表現を見せるリュウジさん。


・・・。



ふ、不覚にもかっこいいって思っちゃった・・・。


「・・・ふ、甘いな龍二。伊達に俺らは前回と前々回ボコボコにされちゃいねえのさ。」


前回と前々回って・・・あ、そっか。第三回って言ってたから。


「カルマ、ケルマ!」

「「はい!!」」

「?」


【バッ!!】


「「くらええええええ!!!」」


【ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!】


リュウジさんの左右にある雪の壁からロウ兄弟が出てきていきなり雪玉の連続攻撃!これはさすがのリュウジさんでも・・・。


「無駄。」


【ドシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ!!!!】


え、ええええええええ!!??


「う、嘘・・・だろう・・・?」

「そんな・・・。」






その場で一歩も動かず周囲に雪玉を投げつけて・・・ロウ兄弟が投げつけた雪玉にぶつけて全て相殺・・・






・・・やることムチャクチャです!!


「や、やば・・・。」

「!ま、マサさん早くこっちへ!」

「カルマ、ケルマ!!」

「逃げてえええ!!」









「じゃ。」

「「「ぎゃああああああああああ!!!!!」」」



「・・・。」


ごめんなさい・・・マサさん。


「あわわわわ・・・。」

「・・・まずいな〜・・・。」

「・・・。」


残ったのはボクとフィフィと魔王とカナエさん・・・どうしよ・・・。


「・・・しょうがない・・・。」

「?」


カナエさん?


「・・・アルスちゃん、クルルちゃん、フィフィちゃん。」

「「「?」」」

「今から私が囮になるから、その隙にあなた達はリュウちゃん達の陣地へ行って。」


え!?


「そ、それだとカナエさんが!」

「大丈夫よ私なら。リュウちゃんの攻撃なら受け慣れてるし。」


それはそれでキツくないですか?


「・・・それに今度こそリュウちゃんに勝たないとまた同じ悪夢が繰り返されるし・・・。」←遠い目

「「「・・・・・・・・。」」」


そ、それは嫌だ・・・。


「だから行って。お願いだから。」

「・・・カナエさん・・・。」

「アルス、行こう。」

「まだリュウくんが玉補充してる隙に!」


・・・・・・・・・。


「ごめんなさい・・・カナエさん!」


涙をのんでカナエさんボクらは敵陣地へと走り出した。


「・・・・・さぁリュウちゃん、来い!」

「あ〜もうちょっと待って〜。」


全っ然余裕ですねえリュウジさん!!






〜赤チーム陣地〜



こうして、何とかリュウジさんにバレずに敵陣地へと侵入できたボクら。


・・・正直言います。物凄くスリルありすぎて恐いです。


「ホント、ここまで緊張しながら進んだのは闇の森の洞窟以来よ。」


フィフィ、それ結構前の話だよね?


とにかく、後は赤チームの旗を取ればこっちの勝t


「アルス!」

「!?」


殺気!


【バス!】


咄嗟に飛び退いたところに雪玉が・・・。


「・・・おしい。」


声がする方を見上げてみれば、雪の壁の上で堂々と立っているリリアンの姿が・・・







あ、そっか・・・リリアン達も敵チームだった。



「リリアン・・・本気ですか・・・?」

「【コクリ】」


ほとんど即答に近い早さで頷いたね。


「・・・昨日の敵は・・・今日の友。」

「「いや逆逆。」」

「・・・あ・・・・・・・・・・///////////」


間違えたからって恥らわないの。


「き・・・昨日の友は・・・今日の敵・・・////////」


顔逸らしながら言い直されても・・・。


「・・・アルス、覚悟。」

「くっ!」


しょうがない・・・やっぱりやるしかないよね。


「アルス、手伝うよ!」

「!魔王、後ろ!」

「へ?」


【バスッ!】


叫ぶと同時に飛び退いた魔王のいた場所に雪玉が直撃した。


「魔王、お前の相手は私だ。」

「スティル・・・。」


そういえばスティルもいたんだった・・・忘れてた。


「・・・今私のこと忘れてませんでした?」

「「「うん。」」」←フィフィ、リリアン、魔王

「ごめん・・・。」←ボク

「・・・・・・・・・・・。」


スティル一気に暗くなっちゃった・・・。


「・・・とにかく・・・覚悟。」

「・・・リリアン・・・勝負!!」


この戦い、負けられない!











〜一方その頃〜



「ほら、雪だるま。」

「すごーい久美姉ちゃん!」

「・・・可愛い。」


出番が無い方々は雪だるまで遊んでたそうな。


また続きます。前編、中編、後編に分かれた話書くの多いなぁと思う今日この頃。

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