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第五十一の話 『第三回、血まみれの雪合戦 死ぬのは誰だ大会』<前編>

雪は見てるだけで楽しいです、もちろん遊ぶのはもっと楽しいです。



〜龍二視点〜



「リュウくん見て見て〜!」

「ん?・・・おぉ、雪か〜。」


朝、えらい寒いな〜って思ってたら雪が降ってる上に積もってた。春も近いのによく降るぜ雪。ご苦労さん。


「すご〜い!雪って初めて見た〜!」

「?初めてなのか?」

「うん、本でしか見たことないの。私が住んでるお城の周辺は暑いし、そこから外に出るなんて全然無かったし・・・。」


これはいわゆる箱入り娘って奴?


「さ、ささささ寒いです・・・。」

「寒いよ〜。」




で、こっちは布団入り娘×2。




「おいお〜い、芋虫みたいだぞお前ら。起きろ。」

「だだ、だって〜・・・寒いの苦手なんです。」

「雪は妖精族にとっては大敵なのよ〜。」


フィフィはともかく何を抜かすか勇者。


「まったく・・・出ない限り飯は食えんぞ。」

「い、いりません。布団から出たくないです。」

「同じく。」

「そ。じゃ俺らはコタツでぬくぬくとあったか〜いコーンポタージュでも食ってるか。」

「わーい♪」

「「ちょっとぉ!?」」


布団入り娘も動かす飯の魔力。最強。





〜朝食後〜



「ごっそさん。暖まったか?」

「ぬくぬく〜♪」


それは返事として受け取ろう。


「・・・やっぱり寒い日はコタツですね。」

「あったか〜い♪」


いや〜どてら着て近くにストーブ、体はコタツの中とは見事な寒がりの理想像出来上がってるね〜アルスこの引きこもりが。


あ、こいつらえらいコタツに馴染んでるけど最初の頃は大はしゃぎだったんだぜ?とくにクルル。『わはー!コタツLOVE!』が感想。じゃ将来コタツと結婚しろ。


「ねぇねぇリュウくん!せっかく雪降ってるんだからお外行こうよ!」


スープのカップを片付けてたらクルルから提案を受けた。


「ふむ・・・。」


雪ね〜・・・俺ももう十八、雪ぐらいで騒ぐなんて大人げねえしな。今は外で遊ぶより家の中でコタツ入りながらゲームしたいし。









「よっしゃ行くぞ!」

「おー!!」


な〜んてつまらんこと考えると思うか?ガキの頃から雪降ってうれしくてにそこら辺転がりまわったこの俺が。スキー場で積もった雪にシロップかけてカキ氷の如く食ったこの俺が。


「え・・・じゃボク留守番してる。」

「私も〜。」

「おら行くぞお前ら。」

「「えぇ!?」」


コタツに潜り込んだ寒がりどもを引っ張り出す。


「い、いやですよー!死にます!寒いです!二人だけで行ってきてくださいー!」

「ホント死ぬってー!」

「拒否権なし!」

「ほらほら行くよー!」

「「いやだぁぁぁぁぁぁ!!」」

「ふははははははは!!」


抵抗空しくズ〜リズ〜リと引きずられていくアルス達でした♪





〜近くのグラウンド〜



〜アルス視点〜



【ピュー】


「「さぶっっっ!!」」


ちょっと風吹いただけで凍りそう・・・。


「ほれ、これが雪だるまだ。」

「かわい〜!ねね!作り方教えて!」

「おうよ。」


・・・なのに何で元気なんですかあの二人・・・



魔王は全体的にピンク色で袖と襟にモコモコの毛皮みたいなコートを羽織っていて、その上同じくピンク色の手袋してるから防寒バッチリなのはわかるよ?かく言うボクも同じような服装で、違うといえばコートの色が白ってことぐらい。




・・・なのに、リュウジさん。あなたは何で防寒着らしい物一つも付けずにいつも通りの薄めの黒いジャケットにYシャツなんですか・・・見てるだけで寒いです・・・。




「やっぱリュウジって・・・化け物?」

「フィフィ、それ失礼・・・いっくち!」


う〜、クシャミ出た・・・。


「うぅ〜、やっぱりこの服だけだと寒い・・・。」


そりゃフィフィの服はカナエさんの家からもらった着せ替え人形用の服だもんね・・・。


「・・・・・・・・『火よ、我に集え』。」

「あ!魔法!?」


ちゃっかり魔法使って掌の上に火球作ったよこの子!


「ふふ〜ん、あったか〜い♪」

「ずるい!ボク火属性魔法使えないのに!」

「そんなの知らな〜い♪」

「うわあああ!ムカつく〜!」


こんなことになるなら火属性練習しとけばよかった〜!


「おーいお前ら何してんだ。ボサっとしてねえで手伝えー。」

「へ?」


ふと気付けば何かスコップ持って雪を積み上げていくリュウジさんと魔王。


「何してんですか?」

「ちょっとなー。ほれクルル、あっちも。」

「はーい。」


見ればあちこちに壁みたいな物が・・・・・・・・・って作るの早っ!?




〜軽く五分後〜




「ん、完成。」


・・・。


「・・・何ですかこれ?」

「フィールド。」


フィールドって・・・辺り一面雪の壁だらけ。


「さて、これで連中が来ればオッケー。」

「?連中?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


まさか・・・。




〜三分後〜




「おーい。」


・・・やっぱり。


「お、来たかモンジローズ。」

「誰だ。」

「・・・え?私も入ってるんですか?」


来たのは黒い防寒着を着込んだマサさんと同じ服を着たスティル・・・。


「お、おはよう。」

「あぁ・・・おはよう。」


・・・魔王とスティルはあの一件以来、お互い挨拶を交わせるようになりました。


「リュウちゃーん!」

「リュウ兄ちゃーん!」

「「「・・・寒い・・・。」」」


続いて来たのは、赤い防寒着を来たカナエさん姉妹と魔王の部下の双子さん。


・・・同時に呟いたのはミカちゃんとロウ兄弟です。同感。


「龍二いいいいい!!」

「・・・・・・・・。」


今度はクミさんとリリアン。二人ともリュウジさんほどではないけど全体的に薄着。


・・・神経大丈夫ですか?と聞きたい・・・。


「はい全員集合ってことで。」

『は〜い・・・。』


・・・?何かすごいやる気ないような声ですね皆さん。



「声小さいぞー。大きな声出せー。」

「だ、だってリュウちゃん・・・。」

「さささささ寒い。」


カナエさんとクミさんが抗議した・・・ってクミさん結局寒いなら何か着て来てください。


「で、全員に集まってもらったのは他でもない。」


うわースルーしましたよこの人・・・。


「こんだけ雪が降ってるってのに世間では家でコタツに入ってぬくぬく過ごそうと考えている不届き者が多い中、外で遊ばないというのは誠にもったいない。」


うん、家で過ごそうと考える人達の気持ちも考えてあげましょうよリュウジさん。寒いの苦手な人達なんですから。


「つーわけで、この貸切状態のグラウンドにて。






『第三回、血まみれの雪合戦 死ぬのは誰だ大会』開催しまーす。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




「「「やっぱりいいいいいい!!??」」」


ボクとフィフィ、スティル、リリアン、魔王とロウ兄弟とミキちゃんミカちゃん以外の人達が声を上げた。


・・・いやそれより雪合戦って何ですか?てか血まみれって死ぬのは誰って!?


「ゆ、雪合戦!?」

「またするのかよ!?」

「冗談抜きで!?」

「イエス。」

「「「うああああああああああ!!!!」」」


え、一体何なの?


「先言っておくが拒否権なし。ついでに拒否した時点で・・・。」

「「「!?」」」








「お前らが“つね日頃隠し通してきている秘密”を世間にバラす♪」

「「「喜んで参加させてください(泣)」」」


・・・・・・・・・・・・・・


よ、弱味掌握して脅しですか・・・。


「じゃチーム分けすっぞー。ほらほらボサっとしない。」

「「「はい・・・。」」」

『はい。』


何気に嘆いているマサさん、カナエさん、クミさんとボクらは、テキパキと動くリュウジさんにただただ動かされるままだった・・・。





・・・。







え!?これ続くんですか!?


うん。

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