第四十六の話 リリアンの奮闘
今日は意外と人気があるリリアンにスポットを。
〜リリアン視点〜
【ガチャ】
「リリちゃ〜ん。」
「はい。」
朝、久美の部屋で本を読んでいたら久美ママがひょっこり顔出した・・・。
「悪いんだけど、学校までこのお弁当届けてくれないかしら?あの子ったら思い切り忘れちゃって。」
そういえば朝、遅刻するとか言って慌ててた・・・。
「・・・了解。」
お世話になってるのだから断る訳がない・・・。
「ごめんね〜。今日私今日仕事だから。」
「・・・気ニシナーイ。」
この間久美に町を案内してもらったから道はわかる・・・。
「じゃよろしくね〜。」
「【コクリ】」
【パタン】
・・・学校・・・そう言えば確か・・・アルスの他に・・・龍二も行っているはず・・・
・・・・・・。
「・・・早く行こうかな。」
この世界の本に書いてあった。
“善は急げ”と。
〜外〜
で・・・。
「いきなり迷ってしまった・・・。」
今思い出した・・・私は仲間の中でも一番方向音痴だった・・・
「・・・どうしよう・・・。」
いや、ここは焦っていけない・・・戦闘でも冷静を欠いたら・・・危ない・・・
あ、そういえば・・・。
「確かいつか読んだ本では・・・・・・・“迷ったら左の法則”・・・。」
ならばずっと左へ行けばいい・・・
左・・・
左・・・
左・・・
・・・・・・・・・・・・・・。
〜正門前〜
「・・・着いた・・・。」
ホントに着いてしまった・・・学校。
「・・・左の法則・・・ナイス。」
グッ!と親指を立てた。
「・・・とりあえず突入。」
でなければ話が進まない・・・当たり前だけど。
「・・・でも・・・どこへ行けばいい?」
そういえば・・・久美ママから具体的な場所を聞いてなかった。不覚・・・。
「・・・・・・・。」
どうしよう・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
「・・・とりあえず突入。」
さっき言った。
〜警備員室〜
・・・。
「君聞いてるの?一体どこの学校の子なのかと聞いてるんだけど?」
・・・変な帽子被って変な服きた中年の男にさっきから尋問されてます・・・。
普通に門から入ったのに・・・いきなりこの部屋に連れてこられた。何で?
「あ〜も〜!とにかく教えないなら警察に連絡させてもらうよ!」
ケイサツ・・・確か私達の世界では騎士団に位置する組織・・・
ちょっとまずい・・・。
「えい。」
【ゴスッ】
「あごっ!?」
【パタリ】
「・・・ごめんなさい・・・。」
思わず首に手刀をしてしまったけど・・・
とりあえず進もう・・・。
〜廊下〜
・・・・・・・・・・・・。
「・・・どの部屋?」
全然わからない・・・部屋が多すぎる・・・。
「・・・。」
適当。
〜教室〜
「で、このXを【ガラリピシャン!】!?」
次、12個目・・・今度こそ・・・。
「へ、だ、誰?」
「リリアン!?」
「あれ?リリアン?」
「あ、久美発見・・・ついでにアルス。」
「ボクついで!?」
この部屋で合ってたみたい・・・安心。
とりあえず久美の前まで行く。
「な、何でここに・・・。」
「弁当届けに・・・。」
右手に持ってる花柄のナプキンに包まれた弁当箱を差し出す・・・。
「あれ?あたし忘れてた?」
「【コクリ】」
「そ、そうか。わざわざありがとう。」
「気ニシナーイ。」
「リリアン、リュウジさんの真似はやめて・・・。」
ポンと久美の手に乗せた。ついでにアルスからツッコまれた。
でもここまで来るのに結構時間かかった・・・。
(な、なぁ、あの人メチャクチャ美人じゃね!?)
(や、やばい・・・ストライク。)
(髪の毛綺麗だ・・・。)
(ブッ!)
(また鼻血かよ!?)
?・・・さっきから妙にうるさい気がする・・・特に男子。
「・・・そういえば龍二は?・・・違う部屋?」
「いや、龍二なら多分屋上だと・・・。」
屋上・・・。
「・・・ちょっと行って来る。」
「何故に!?」
「せっかく来たのだから龍二の顔は見ておかないと・・・。」
弁当箱も大切だけど、龍二の顔見るのも大切・・・私にとって。
(な、何ぃいいいい!!??)
(こ、この人までもが龍二を・・・!)
(おのれぇえええ!!!)
(に、憎い!奴が憎いぃぃぃいいいいいい!!!)
(うあああああああ!!!)
・・・・・・・・・明らかに龍二に対する殺意・・・。
早めに消しておこう・・・
あ、でも・・・また久美に叱られるから・・・今はやめておこう。
「いいなぁ・・・アタシも行きたいなぁ・・・。」
「花鈴は授業があるからダメだ。ここはリリアンを居候させている身としてあたしが。」
「久美ちゃんだって授業あるしそんなの関係ねぇ、でしょ!ここは生徒会長として私が!」
「お前ら全員ダメだろ。」
・・・龍二、人気ある・・・。
「リリアン、あんま龍二に変なことしないでよ。」
「へ、変なことって何?フィフィ。」
「変なことっていうのは〜♪」
「クルルは黙っときなさい!」
・・・アルス、純粋・・・。
「大丈夫・・・変なことしたくても出来ないから。」
したら殺されるし・・・。
「あ、あぁ・・・なるほど・・・。」
「じゃ。」
まだやいやい騒ぐ久美達を尻目に、私は部屋から出た・・・
視界の端にさっき難しいこと喋ってた男性が蹲って泣いていたけど何だったの・・・?
【無論、泣いてたのは数学教師の近藤さんです by作者】
〜屋上〜
「・・・ここね。」
散々迷ったあげくようやく屋上へと続く階段を見つけてやっと扉の前に到着・・・
だってすごい入り組んでるから・・・。
「・・・開くかしら?」
見た目錆びついててボロボロ、取っ手が取れるのかどうか心配・・・。
「・・・。」
でもやってみなければわからない・・・。
取っ手に手を添えて力を入れて・・・
【ガチャ】
・・・開いた。
「・・・見た目より頑丈・・・。」
【ギィ】
若干重い扉を完全に開くと、涼しい風が体を擦る・・・。
「・・・わぁ・・・。」
一瞬空が近く見えた・・・。
「・・・あ。」
入り口から大分離れた場所に・・・龍二が寝そべっていた。
「・・・。」
授業というのを受けるべき時間だと思うけど・・・こんなところで寝てていいの?
「・・・。」
でも・・・あんなとこで寝てたら風邪引く・・・
起こそ。
「・・・。」
テクテクと近づいていく・・・屋上ってちょっと広いから龍二のとこまで結構距離がある・・・。
「龍二・・・。」
そして顔が確認できるくらいまで近づいt・・・
「スピー。」
(―w―)・;
・・・・・・・・。
「スピー。」
(―w―)・;
・・・・・・・・・・・・・・・・。
「スピュー。」
(―w―)・;
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・/////////////////////////
!!!!!!
「・・・ふ、不覚・・・。」
あまりの寝顔の可愛さに思わず見惚れた・・・。
「・・・。」
で、でも・・・起こさないと・・・
「すぴー。」
(―w―)・;
「・・・・・・・・・////////////////////」
・・・無理・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・////////////////////」
【ダッ!】
可愛すぎて理性がダメになってしまう前に逃げ出してしまった・・・。
〜久美の家〜
〜久美視点〜
「ただいま〜・・・あれ?母さん何をしている。」
家に帰ってみたら母さんがあたしの部屋の中をコッソリ覗き込んでいた・・・怪しい。
「あ、久美ちゃん・・・リリちゃん学校で何かあったの?」
「?いや、弁当を届けてくれてその後龍二に会いに行くって言ってから会って無いけど・・・。」
「そう・・・リリちゃん、学校から帰ってきてから変なのよ。」
「変?」
首を傾げつつ、母さんと一緒に部屋を覗いてみると・・・。
「・・・・・・・・・・・・はぁ・・・。」
こっちに背中を向けてるけどため息がハッキリと聞こえた。
「・・・リリちゃん、どうしたのかしら?」
「さ、さぁ?」
こんなリリアン見たことないけど・・・。
「声かけてみた?」
「それが全然反応が無いのよ。久美ちゃんなら大丈夫だと思うけど。」
「なら・・・。」
とりあえず部屋に入った。
「リリアン。」
「・・・久美、おかえり・・・。」
こ、声が何か・・・何というか・・・
い、色っぽい・・・。
「ど、どうした?何かあったのか?」
「・・・寝顔・・・。」
「は?」
「・・・・・・・・・・・////////////////////」
「!?か、顔赤!?」
・・・結局、リリアンは顔を真っ赤に染めるだけで何もわからなかった・・・。
リリアンのキャラが壊れていないか心配です・・・(汗
後最近、日頃の疲れを癒そうとして遊びまくってたらタンスの角の小指ぶつけて痛がって転がってたらテーブルの足に顔ぶつけて痛みで立ち上がろうとしたらテーブルに頭ぶつけて一瞬死んだハムスターが川の向こうで手を振っていました(臨死体験以外マジ話)。