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第四十四の話 近状報告

前回の長編のその後の話ですが、龍二と花鈴しか出てません。



〜龍二視点〜



「へぇ・・・そんなことがあったんだ・・・。」

「おう。色々大変だったんだぜ?」


ただいま花鈴を連れてCAFE・TAIYAKIに来ています。昨日の一騒動の時、こいつはちょっと部活の合宿へ行っていたらしくいなかった為、いない間の近状報告をしているっつーわけよ。


「アタシも出来ればそっちに行きたかったんだけど・・・で?クルルはどうなのその後。」

「ああ、今じゃ元の性格に戻ってるぞ。」


朝飯どんくらい食ったと思ってやがる。


「そう・・・よかった・・・あ、でも龍二?」

「ん?」


ほっとしたと見せかけて疑問ってか?


「アンタ、いくらなんでも首突っ込みすぎじゃない?スティルに『アンタに俺の気持ちわかってたまるか』って言われなかった?」

「ああ、そんな目線は食らった。」


口では言わなかったが、多分、いや確実にそう思っただろうな。


「それで余計こじれなかったの?」

「こじれなかった。」


うん、マジで。


「・・・嫌にアッサリしてるわね。」

「こじれなかったもんはこじれなかったし。」

「・・・でも何で?」

「さぁな。」


何であそこでスティルが何も言わなかったのか・・・それはよくわからん。


でもまぁ、最終的には何か光明を見出せたからよしとしようか。


「終わりよければ全てよし。それでいいだろ?」

「・・・アンタって昔っからそうよね〜。」

「あ?」

「ん〜何て言うのかな・・・他人の問題にも時々首突っ込んだりして、最終的には結局仲直りとかさせたりして・・・。」

「そうか?」

「そうよ・・・でも何で一々そういうのに首突っ込むの?アンタには関係ない話ばっかりだし。」

「今回は俺にも関係あるだろ。クルルは俺ん家に住んでんだから始終あんな暗い顔されてたらこっちの身ももたねえよ。」

「あ・・・そうだっけ・・・。」

「そ。・・・つーかよ、自分でも自覚はしてんだけどな。」

「え?」

「ほら、一々首突っ込むって話。これ癖みたいなもんなんだが、直さないかんとは思ってんだがね〜・・・。」


まぁ癖ってのは直そうと思ってもなかなか直らないものなんだよな〜。とくに意識していると尚更だ。


「でもな〜・・・今回ばっかりはどうも複雑なんだよな。」

「?どういう意味?」

「あ〜何つーのかね・・・自分でも何か焦ってたみたいだ。」

「焦ってた?」


自分の中では焦ってたっていう感じだったと言えばいいか?


「俺さぁ、何か嫌なんだよな。明るい奴が辛い顔してんの見ると。だから今回無意識のうちに出しゃばっちまったのは、早く元の明るい性格のクルルに戻って欲しかったっていうのが本音かもしれん。」

「・・・。」

「ま、早い話が俺は自分の為に行動したって感じかね?」


内心、どうなのかさっぱりわからんがな。それが自分の為なのか、それともクルル達の為なのか。それに今回はよかったとしても他から見れば俺は余計なことに首を突っ込み過ぎたかもしれんし。


「・・・。」

「?おいどうした?」


花鈴がキョトンとしとる・・・何か知らんが失礼な。


「いや、その・・・アンタがしおらしくなるなんて珍しいなぁって。」

「折るぞ?」

「どこを!?いやいやいややっぱ言わないでください恐いから!」


やっぱ失礼なこと考えてたか。


「・・・まぁ、さ。アタシが言えるようなことじゃないけど・・・。」

「?」

「それでいいんじゃない?アンタは自分の為って言ってるけど、アンタのおかげでクルルはいろんな意味で一歩前進できたんだし、笑顔になれたんでしょ?スティルだってこれから許せるかもしれないって言ってたわけなんだし、それにアンタじゃなくてクルル自身が自分の気持ち伝えたんだし・・・第一それがアンタのいいとこでもあるんじゃない?」


・・・。


「そうか?出しゃばり屋ってそんないいことか?」

「まぁ出しゃばりっていうことはいいことかどうか知んないけど、アンタは出しゃばりっていうより自分が思ってる以上にお人よしなんじゃないの?」


お人よし・・・ねぇ・・・。


「それにさ、クルル達のこと真剣に考えないでそんな行動取れるとは思えないし。結局のところ、アンタは自分の為だけじゃなくてクルル達のこと思ってやったっていうことになるんじゃない?」


・・・・・・・・・・・・・・・。


「ま、そういう考え方もありかもな。」

「でしょ?」



いい方に捉えてる、とも思われるかもしれないが、それはそれ。他とかは関係ない、自分がいいと思った行動を取るまでだ。



「お前に俺が説かれるなんてな。見直したぜ。」

「え?そ、そう?・・・へへへ。」

「おう。じゃそんなわけでお前ここの代金払えよ。」

「・・・は?」

「は?じゃねえ。わざわざ近状報告してやったんだからそれくらい当然だ。」

「な、何言ってんのよ!?ここは普通男であるアンタが払うべきでしょ!?」

「俺が言ってるのは近状報告してやったんだから払うべきって言ってんだ。男とか女とか関係ねぇ。」

「ぅぐ・・・。」

「それに俺今日金持ってきてねえし。」

「はぁ!?」

「お前に払わせ、お前が払うと思ってな。」

「今払わせようって言おうとしたでしょ!?」

「気ニシナーイ。」

「うっさい!第一、アタシだって今日お金持ってきてないs」

「財布の中に五千円札入れてる奴が何を言うか。」

「・・・何で知ってんの!?」

「さっき見たから。」

「いつの間に!?」

「で?どうすんだ。払うのか払わねえのか。返答しだいではお前の寿命が縮む羽目になるが?」

「・・・・・・・・・・・・払います。払わせてください。」

「最初からそう言え。」

「・・・グスン・・・。」


あ、言ってないけどこいつに説かれて何かムカつくって思ったから奢らせようと思ったのも理由の一つだっていうのは黙っておく。






にしても・・・やれやれ、俺が人の気持ちを察するにはまだまだ修行が足りねえな。


独善的っていう言葉がありますが、世間一般では悪口と捉えられます。でもあれはあれでいいんじゃないでしょうか?結局何が正しいなんて、わかってるつもりでもホントは誰にもわからないんですから。

その人にとって何をしたらいいか、自分に何が出来るか、大切なのはその行動をした結果だと思います。

それで嫌われるかもしれないけれど・・・何もせずにただ傍観してるだけで嫌われるのも嫌ですよね?

だったら行動してみないとわからないんです。つまり何事も行動、行動、です。

っていうのが俺の考え方なんですけ・・・ダメですかね?つーか偉そうなこと言ってすいません。

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