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第三十一の話 龍二の怨念!恐怖の大王以上!?(後編)

後編です!

〜雅視点〜



とにかく俺達は、近くのグラウンドへと来ていた。十分な広さのあるここなら、被害も少ないだろう。


代わりに俺らの被害が多くなりそうだけどな・・・(泣。


「ど・・・どうすんの・・・?」

「どうするもこうするもねえよ・・・。」


ハッキリ言って状況は絶望的。アイツの数々の功績を考えればさらにテンションが下がる。


その中でも代表的事件を上げるとすれば・・・


軽くて全国暴走族グループ完全壊滅・・・


国会で消費税下げるよう交渉(完璧脅迫)ついでに自衛隊&SAT相手に大立ち回り・・・


ある国の内部紛争一人で武力解決(一部脅迫有り)・・・



・・・。



得に最後のなんてやばくねえか?嘘みたいな話だけどマジだし・・・。



まぁとにかく・・・アイツみたいな力なんて少なくとも俺と花鈴にはない。


クルルも戦える状況じゃない。


となると・・・。


「アルス、悪い。俺達じゃ・・・。」

「わかってます・・・今度はボクが。」

「私もやるよ〜!はいアルス!」

「うん!」


フィフィがどこからか剣を取り出し、それをアルスに渡す。この際だからツッコミはなしだ。


・・・にしても・・・嫌に静かだな・・・追ってきてないのか?




【ドオオオオオオオオオオオン!!!】

「「「「!!??」」」」




じ、地面が・・・!?


『フハハハハハハハハハ!!!』


砂煙から龍二が高笑いしながら登場・・・・・・・お前どこのラスボスだ。


「くっ・・・・・・・行くよフィフィ!!」

「あいさ!」


剣を構えて駆け出すアルス。それを追うフィフィ。俺達はクルルを診ながら傍観する。


「えいやああ!!」


剣を大きく振りかぶるアルス。繰り出された袈裟切りをちょっと体をずらしてかわす龍二。今度はすばやい逆袈裟切り。それも普通にヒラリとかわす。

さらに軌道を変えたりして延々と連続切りを続けていくが、どれも掠りもしない。しかもあいつの体は今『龍鉄風』とかいう防御技で鋼で出来てるから普通に刃を受け流したりもしている。生身だったら普通に切れてるな。


「くの!」


体を回転させて剣で薙ぎ払う。しかしそれもヒョイと体を屈めてかわす。


【ビシッ!】

「くはっ!?」


隙をついて繰り出された攻撃をモロにくらったアルスはそのまま吹っ飛ぶ。


【ズザザザッ!】


何とか持ち堪えて転倒には至らなかったが・・・。


「く・・・強い・・・。」


・・・まぁ普通強い攻撃くらうだけでもそう思うわな・・・でもさ、考えてみろよ。





パンチでもキックでもなく、普通の片手だけのデコピンで吹き飛ばす奴が他にいるか?






「・・・鍛えててよかった・・・。」


さすが勇者だっていうのは伊達じゃないらしく、額が赤く腫れる程度だった。でもあれ常人が食らったら普通に脳味噌飛び出してたろうな。いや想像はするな。


『くはははは。』


かなり連続切りが続いたっていうのに、一切息切れしていない龍二。もう俺こいつのこと人間として見れないかもしれない・・・。


『炎よ、渦巻け!!』

【ボオオオオオオオオン!!】

「「!?」」


いきなり上空から声が聞こえたかと思うと、急に龍二の周りを炎の渦が巻き始めた。渦は空高くまで昇り、完全に龍二を見えなくしてしまった。


「どうよ!」


上空からフィフィがピュ〜っと俺らのところへと飛んでくる。あれはお前の仕業かい。


「おい・・・あれは・・・。」

「大丈夫大丈夫!死なない程度の火力だから!」


いや、死なない程度ならこっちまでものっそい熱い熱風くるとは思わないんだけど・・・。


「まぁこれでせいぜい十分は持t『渇ッッッ!!!!!』


【ドオオオオオオオオオオン!!!!】


「「「「・・・・・・・。」」」」




炎の渦が・・・気合で弾けとんだ・・・。




「・・・どこがどう十分持つんだ?」

「あ、あはははは・・・・・・。」


つーか一分ちょっとしかかかってねえぞあれ破るのに。笑って誤魔化そうとするなフィフィ。


『フハハハハハハ!俺を倒そうなぞ・・・夢のまた夢ぇえええええ!!!』

「それどっかのアニメで聞いたぞ。」

「言ってる場合か!!」


すまん、ツッコミ体質なんだ。


「やばい、どうすんだ。」


こりゃ本格的にやばいな・・・。


「・・・・・・・・・・・・。」

「アルス?」


花鈴が剣を掲げたまま目を閉じてブツブツ呟いてるアルスを見て不審に思い、声をかける。


「カリンちょっと黙ってて。」

「フィフィ?」


しかしそれを止めるフィフィ。何がしたいんだ?


「やっぱ・・・リュウジ相手だとそうするしかないよね・・・。」


ホント何する気だ?


『キシャアアアアア!!!』


あいつもう自我ないのかあああああ!?


「二人とも!お願いだからアルス守っといて!」


そう言いながら上空へと飛んでいくフィフィ。


いや、つーか守れって・・・どうすんだよ。


『水よ、降り注げ!!』


【ドバアアアアアアアアアアア!!!】


突然雨雲が発生し、ものすごい雨が俺らに降りかかる。もう超土砂降りだ。


『水よ、かの者を刻め!!』


フィフィの声が響くと、周りの水が鎌のような形となり、龍二に襲い掛かる。


『・・・・。』


避けようともせず、受けようともせずにそれを黙って見る龍二。


【ズガガガガガガガガガガガ!!!】


あ・・・そうか。防御技で体を鋼以上の鎧で纏ってるから効果がないのか。


「まだまだまだまだまだあああああ!!!!!!」


それにも関わらずに延々と水の刃を飛ばしていくフィフィ。当然龍二の体に当ると四散してただの水へと戻る。


何をどうしたいんだ?


『雷よ、落ちろ!!』


【ドガシャーーーーーーーン!!】


途端、雨雲が光ったと思うと、かなりでかい雷が龍二に落ちていく。あまりの眩しさに思わず俺達は目を遮った。


って雷!?


「おい!いくら何でも雷は死ぬだろ!?」

「大丈夫!見た目はヤバイけど威力は死なない程度くらいだから!!」


それでもやばくね?周り水浸しだぞ?感電するぞ?って俺達は何で感電してないんだ?


「大丈夫・・・私が防御壁張ってるから感電しないよ。」


クルルが花鈴に支えられた状態で呟く。


「大丈夫なのか?」

「うん、どうにか。」


まだ体力は万全じゃないらしく、一人じゃ立てないらしい。


「で、龍二は?」

「煙でよく見えないけど・・・。」


雨が止んで、呪文を唱える前の天気に戻ったが、雷で煙が立ち込めている。つーかマジメに大丈夫か?




『ククククククク・・・・・・・・。』




・・・うん、大丈夫のようだ。


つーか傷一つ入ってないね。あの『龍鉄風』ってどんだけの防御力があるんだ?周りの地面なんて真っ黒焦げに対して全然焦げてもないよなあいつ。


「うわぁ・・・・・・全然応えてない・・・。」


さすがにフィフィも驚き通り越して冷静に呟く。


「・・・・・・よし!」

「アルス?」


いきなり声を上げたアルスに驚く俺。いや後ろにいるから驚かないのが無理な話だ。


「皆さん・・・ボクから離れてください。」

「?何を・・・。」

「ほら離れた離れた!」


フィフィが俺らを念力のような力でアルスから遠ざける。お前警備員か何か?


「さっきまではあくまで時間稼ぎ。本命はこっちなんだから。」


?本命?


『我が聖剣ライトブリンガーに宿りし神々の力よ。今その力を解き放ち、邪なる者を討つための聖なる加護の力を我に与え給え・・・。』


は?


『リスティル・オム!!!』


【ゴォオオオオオオオオオ!!】


「うお!?」

「きゃあ!」


いきなりアルスの剣が光って目が眩んだ。しばらくして目を開けると、そこにはバカでかい光り輝く剣を持ったアルスが・・・。


「な・・・。」

「すごい・・・。」


あまりの神々しさに呟くしかない俺達。


『氷よ、凍てつけ!!』

【ビキビキビキビキビキ!】


先ほどクルルが使った魔法をフィフィが唱え、龍二の足元が凍っていく。さらにさっきの雨で濡れているために体のほとんどが凍っていった。あれで身動きは取れないはずだ。


「アルス!」

「リュウジさん・・・・・・・・・・・ごめんなさい!せめて気絶程度にっ!!」


クルルと同じ悲痛な表情で剣を振り上げるアルス。


「でやあああああああああああああああああ!!!!」


巨大な光剣が、真っ直ぐ龍二へと落ちていく・・・・。



【ズドオオオオオオオオオオン!!!!】



「わぷっ!」

「くぅ!」


腕で顔を覆って衝撃を防ぐ。すごい風が・・・。


「にぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!」

「ふんんんん!!」


必死になって花鈴にしがみつくクルル。そしてクルルにしがみついて吹き飛ばされないよう堪えるフィフィ。





やがて、ゆったりと風が弱くなっていく・・・俺達もゆっくりと腕を下ろすと、未だに砂煙が立ち込めているなか、アルスが剣を振り下ろした状態で硬直していた。


「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」


息も絶え絶えで、めちゃくちゃ苦しそうだ。


「あ、アルス大丈夫?」

「う、うん・・・どうにか・・・。」


やれやれ、とにかく後は龍二が無事なのを確認してやるだ















『クククククク。』















!!!??


「「「「「え、ええええええええ!!??」」」」」


思わず声を上げる俺達。


だってよ、あんだけの攻撃をよ・・・














人指し指と中指の間だけで悠々と受け止めてる奴を見たら驚かないわけないだろう!?














「う、うそ・・・わぁ!?」

【グゥン!】


驚きを隠せず、呆然とするアルス。その隙をついて、指だけで光剣を持ち上げる龍二。同時にアルスも剣から手を放せず宙に浮く。



『はあああああああああああ!!!!』

【ドゴオオオオオオン!!!】

「かはっ!」



思い切り振り下ろされ、地面に叩きつけられるアルス。おまけに剣も元の大きさへと戻った。


「アルス!!」


地面に穴が開くほど叩きつけられて気絶してしまったアルスへと駆け寄る俺達。


「う、うぅ・・・。」


呻いているのを見て安心したが・・・


『はあああああ・・・・・・・・。』



何か・・・気合を溜めるような声を出して仁王立ちになる龍二。


俺の直感がこう告げる。何かやばい。


『一の奥義・・・・・・・。』


“奥義”って単語に何だかすごい危機感を覚えるんだけど・・・。


「ま、雅・・・どうしよう・・・。」


言うのがやっとの状態の花鈴。アルスは気絶していて戦えないし、クルルも体がボロボロ、フィフィの魔法だけじゃ何にもならない・・・。




おいおいおいおいおい・・・万事休すじゃねえか。




『・・・龍天殺りゅうてんさつ!!!!!!!!!!!!』



今までで一番でかい声が響き、両の拳から赤い光が漏れてきている。


あ、やばい・・・死ぬ・・・ごめん姉さん、スティル。今日の晩飯頑張って二人で作ってくれ。


俺は確実な死に備えて目を閉じた。












【ヒュー・・・】



その時・・・



【パサリ】



俺達に神風(?)が吹いた








『・・・・・・・・・・・・・・・・。』









いつまで経ってもこない攻撃を不審に思って恐る恐る目を開けると・・・




顔面に紙が張り付いた状態の龍二がそこにいた・・・。




『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』


何なんだ一体?



【バサッ!】



いきなり紙を掴んで取った後、俺達に向かってズンズンと歩いてきた。


物凄い形相で。


く、口を開こうにも開けねえ・・・・・・。



【バッ!】



そして俺らの眼前に勢い良く突き出される紙。


そこには・・・。





『皆様に愛されて二十周年記念大サービス!夕顔ラーメンにて今日一日限り食べ放題!!是非起こしください!!』





と書かれていた・・・・・。


これはあれか・・・?まさかと思うが・・・・・・。








『・・・おい【ニヤリ】。』

「「奢らせてもらいます!!!」」








やっと出た言葉が・・・これだ・・・。










〜その後、龍二の家にて〜




「リュウジさん・・・今日はホントごめんなさい。」

「元はと言えば私達が勝手に食べたのがいけないんだし・・・。」

「うん・・・反省してる。」

「あ〜、いいっていいって俺だっていくら何でもあれはやり過ぎたし。んなことよりもお前らに重傷負わせるとこだったからな。悪ぃ。」

「で、でも・・・。」

「もういいだろがこの話は。たかがラーメン、また食いに行けばいいし。」

「り、リュウくん・・・。」

「リュウジ〜・・・。」

「じゃこうするか。今度皆で罰ってことで家の中掃除するっていうの。どうよ?」

「はい!」

「リュウく〜ん!」

「ほ、ほえ〜・・・。」←脱力

「「・・・。」」





その晩、正気に戻った龍二はアルス達に包帯を巻いて手当てし、お互いの罪を許して事は収まった。


これでさらに四人の絆は深まったとか言うけど・・・・・・・俺と花鈴の財布の中身が、もうスッカラカンになるまでラーメン食われたっていうのは黙っておこうか。



今思えば、ラーメンに救われた俺達の命って一体・・・・まぁ助かったし、よしとするか。



後ついでに、今度からは絶対に龍二を怒らせるような真似はやめようと固く決意した俺達だった・・・。









あれ?俺って考えてみれば関係あったか?


龍二の技紹介


・デコピン ただのデコピンだが、思い切り力を込めたデコピンは常人だとただでは済まない。おまけに氣は込めてません。


・龍天殺 今回、不発に終わった必殺技。


でもこれタメ無しで撃ったら山一つ消し飛ばす程の威力だとか。タメ満タン状態で撃ったら・・・・・・・・想像したくね〜・・・。


まぁ何だかんだで元の龍二に戻りました。お騒がせしました。


後ついでに・・・雅って何かよくいる主人公に見えてきたと思うのは俺だけでしょうか?

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