第二十八の話 クルルのお使い
今回はクルルにスポットを!
〜クルル視点〜
「あ・・・やべぇ。ナスビがねぇな・・・クルル?」
「?なぁにぃ?」
縁側で足をブラブラさせて鳥さん達を眺めてたら、リュウくんがキッチンで私を呼んだ。
「わりぃ、俺の代わりに八百屋でお使い頼まれてくんねえか?今手が離せねぇんだ。」
「りょ〜かい!」
リュウくんの頼みだったら何でも聞きま〜す!
「あれ?そういえばアルスは?」
「風呂そうじ。」
そういや朝コップ割っちゃったからね〜。
「フィフィ、迷子んならないよう付いてってやれ。」
「え〜私も〜?」
新聞を読んでたフィフィがブーブー文句言う。ブーブーって何か可愛い♪
「文句あんのか。」
「無いです、行きたいです。」
無表情でそんなこと言われると恐いことこの上ないです・・・。
「あ、お釣りで何か食ってもいいから。」
「やったぁ♪」
わーいお菓子お菓子♪
「あぁ、それと・・・(中略)・・・わかったな?」
「はーい!」
何言われたかは秘密♪
「じゃ気を付けてな。」
「はーい行ってきまーす♪」
「行ってきまーす。」
リュウくんから買い物袋とメモとお金を手に、そして肩にフィフィを乗せながらいざ出発!
・・・。
えっと・・・・・・・どっち行くんだっけ?
「早速迷ってんの!?」
「う・・・。」
言い返せない・・・。
「あ〜も〜・・・まず家出て右行きなさい。」
「あ、はいはい。」
「で、次の突き当たりを左ね。」
「は〜い。」
フィフィの誘導で歩く私・・・フィフィがいてよかった〜・・・。
「リュウジ・・・こうなることを予測してたとは・・・さすが。」
フィフィも何か言ってるし。
「あ、ストップ!」
【グイ!】
「いっ!?」
思いっきり髪の毛引っ張られて思わず立ち止まった。
「ちょ、痛いよフィフィ。」
「あ、ありゃゴメン。強すぎた。」
も〜、一体何・・・
【ブォォォォン!】
【ゴオオオオオオ!】
【プップー!】
「・・・・・・・。」
あ、ここオウダンホドウ(横断歩道)だったんだ・・・危ない危ない・・・。
「アンタだったら普通に渡ってたでしょ。」
「・・・い、いいえ?」
意地を張ってみた。
「嘘言わない!」
「・・・。」
怒られました・・・・・テヘ♪
〜商店街〜
「ふぅ。無事到着。」
途中で車に轢かれそうになったりしたけど、どうにか到着しました。いつ来てもここ賑やかだな〜。
「ヤオヤだったわね・・・あ、あそこね。」
フィフィ、見つけるの早い。
「お、いらっしゃい!って誰かと思えばいつかの嬢ちゃんじゃねえか!」←第十の話参照
「こんにちは〜いつかの名も無きおじさん!」
「な、名も無き・・・・・・・。」
あれ?これが名前じゃないのかな?
「お、おじさん?・・・傷つけたならごめんなさい。」
「いや、いいさ。嫁にも言われなれてるし・・・第一龍二君の入れ知恵だろうし。」
「え、何で知ってるの?」
「やっぱね!」
う〜ん、リュウくんいろんな人に違った印象与えてるな〜。
あ、そうだ。元気付けるなら・・・。
「商売魂は?」
「へいらっしゃいらっしゃい!今日は何にするんでい!?」
うん、元気になった。えっと、メモによれば・・・。
「え〜とね〜・・・ナスビ!」
「あいよ!」
「レンコン!」
「あいよ!」
「ダイコン!」
「あいよ!」
「ファミコン!」
「あいよ!」
「「・・・え、ファミコン?」」
後から聞いたらリュウくんのイタズラでした。
とゆーよりファミコンって何?
「毎度あり!また来いよ!」
「ありがとー!」
おまけにダイコンもらっちゃった♪
「にしてもリュウジ・・・しょーもないこと考えるわね。」
「お茶目よね〜♪」
「そう言ったらいい方に捉えられるのは何で?」
だってリュウくんだもん♪
あ、そうだお菓子!
「何買うの?」
フフ〜ン、当然・・・!
「ありがとうございました〜。」
「どいたまして〜。」
ふっふ〜ん♪
「はぁ・・・なるほどね。チョコレートですか。」
「うん♪」
こないだオヤツの時に食べた時から忘れられない♪
「それ、家で食べなさいよ?また怒られるから。」
「は〜い。」
うぅん、リュウくんと同じこと言うな〜フィフィは。お母さんみたい。
・・・。
「ダメよフィフィ!リュウくんの奥さんは私よ!!」
「何いきなりキレてんの!?」
は!私としたことが・・・うん、落ち着こう。
「ま、まぁとにかく帰ろっか。」
「わ、わかってるけど・・・何でキレた?」
「気ニシナーイ!」
「リュウジの真似すんな!」
だってあれ好きなんだもーん。
「・・・あのねクルル。言いにくいんだけど・・・。」
「?何?」
「・・・早く帰ったほうがいいよ。」
「へ?何で?」
「・・・周り。」
「?」
周り?・・・・・・・・・・・・・。
「特に何もないけど?」
「も〜鈍いなぁ!いろんな男の人がアンタ見てんのよ!」
「そうなの?」
「そう!早く帰らないと何言われるか・・・。」
「ねぇ、お嬢ちゃん一人?」
「「・・・。」」
ありゃりゃ・・・何か派手な人に話かけられちゃった。
「なぁに?」
(ば、バカ!返事しちゃダメでしょ!)
だって話かけられたら・・・ねぇ?答えるのが普通でしょ?
あ、フィフィは姿見られたらまずいから髪の毛の中に隠れてます。
「僕ね、君のお母さんの知り合いなんだけど。」
・・・。
「それでね、お母さんが今病気なんだって。だから今から病院に「えい!」ぐほっ!」
えっと・・・思い切り急所を蹴り上げました。
「ぬぅお〜〜〜・・・・・・。」
あ、悶絶してる・・・そういえばリュウくん言ってたな・・・。
『いいかクルル?知らない奴とか怪しい奴に声かけられたら急所を蹴り上げて・・・。』
「うりゃ!」
「ぐへ!?」
『姿勢を低くした隙をついて顔面に膝蹴り食らわして・・・。』
「ていりゃああああ!!」
「ぎゃぴいいいいいい!!!」
『で、仰向けに倒れたら“男の勲章”踏め。』
・・・よしオッケー♪
「く・・・クルル・・・?」
「え、何?」
「アンタ・・・何気にひどいね。」
「え、だってリュウくんがそうしろって。」
「やっぱあいつの入れ知恵かい!」
何が恐かったのかな〜?
それと周りから何か変な(畏怖)目線送られてる気がするんだけど・・・気のせい?
〜帰宅〜
「ただいま〜!」
「おかえり〜。お疲れ様。」
買い物袋をリュウくんに渡して、今日の私の仕事終わり!
「あ、聞いて聞いてリュウくん!今日ね、リュウくんの言う通りに変な人倒したの!」
「おぉ、ナイスファイトだクルル。」
「とんでもないこと教えてんじゃないわよ・・・。」
何かフィフィ呆れてるけど何でかな?
「で?お釣りで何買った?」
「板チョコ買った!」
「ほお、いい仕事してるねぇ。」
「それどっかで聞いたことある気がするのはどうして?」
フィフィが疑問符浮かべてる間に居間へ行く。
あ、アルステーブルに突っ伏してる。お風呂そうじ終わったんだ。
「ふや〜・・・疲れましたぁ・・・。」
お疲れ〜・・・あ、そうだ。
【パキン】
「じゃこれ少しあげる。疲れたんでしょ?」
「はえ?」
アルスにチョコの欠片を渡す。確かリュウくん曰く疲れた時は甘いのがいいって。
「あ・・・ありがとう・・・。」
おずおずと受け取るアルス。うん、いいことした。
「あ、リュウくんにもあげる〜。あ〜んして♪」
居間に来たリュウくんのお口に向けてチョコを差し出した。
「お、サンキュ。」
【パクリ】
「あ・・・。」
ち、ちょっと口が・・・手に・・・。
「どした。」
「な、何でもな〜い♪・・・・・・きゃ。」
やった〜♪偶然でもうれし〜!
あ・・・アルスに睨まれちゃった・・・。
・・・。
まいっか♪
作 いやぁ今回はいろいろやばいね〜。
ク そう?
作 つか急所はやばいって・・・龍二も何教えてんだか。
ク でも効果あったからいいじゃん♪
作 ・・・現代社会もこんな子供が溢れてんのかなぁ・・・。
ク へ?
作 何でもありませ〜ん。