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第二十三の話 昔はヘタレ?で今は暴君

〜花鈴視点〜 


「へ〜そんなマンガチックな展開が・・・。」

「まんがちっくって何ですか?」

「ありえなさそうなって事だな。」

「あんま使わないだろうけどね。」

「でもよく信じられるな。あたしだって最初は戸惑ったぞ。」

「そりゃこんだけ可愛い妖精見せられたら信じたくもなるでしょ?」

「か、可愛いって言うなぁ!」

「可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い・・・。」

「うっさいバカリュウジ!」

「うっせぇ虫。」

「む、虫・・・!!」



こんな和やか(?)な会話のちょっと前に遡ると・・・。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


教室に帰ってきてまず皆の反応がすごかった。香苗ちゃん(さっき名前教えてもらった)が思いっきり龍二に抱きついて・・・。


『リュウちゃ〜ん!さっきはひどいこと言ってゴメ〜ン!』

『龍二・・・さっきはその、すまな・・・ごめんなさい。』

『リュウくん、謝るから許して〜!』

『失望したなんてもう言わないから・・・。』

『さっきメチャクチャ失礼な事言ってごめんなさああああい!!!』

『何なんだ一体・・・。』


龍二に抱きついたのにも驚いたけど、何より驚いたのは頭を思いっきり下げたアルスの肩に羽の生えた小さい人・・・俗に言う妖精がとまっていたことだった。一瞬目を疑ったわ。

にしても、龍二アタシが出て行った後皆にボロクソ言われたんだろうなぁ・・・確かに寝言だとはいえひどかったけど・・・。


『・・・・・・・・・・ん?・・・・・・・・・。』



・・・。



『・・・・・・・・・別にいいぞ。気にしてねぇし(つーか知らねえし)。』


絶対何言われたか覚えてないだけでしょうがアンタ。


『り、リュウちゃ〜ん!!(泣)』

『暑苦しいっつのバ香苗。』


香苗ちゃん、けっこう胸大きいのに・・・。


何故ゆえに龍二は無反応なの?おかしくない?周りの男子生徒からの視線が龍二を射殺すかのように集めてるにも関わらずに?むしろ罵倒してるよこの人。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


で、その後龍二がいつもつるんでるメンバーの人達と会話してかなり驚くべきことが発覚。


まさか龍二が・・・女の子二人・・・あ、三人も同棲させてるだなんて。


おまけにお隣さんだったなんて(やっぱり荒木っていうのは間違いなかったんだ)。


しかも相手が異世界からの勇者とか魔王とか妖精って。


アルスがその勇者だったなんて。


まぁ最初は電波かなんかかなぁって思ったけど・・・


『信じてくださいお願いしますこのとおり・・・!』


・・・アルスに涙目でお願いされちゃあねぇ・・・しかも目の前に妖精いるし。


「でもあの龍二が女の子と同棲ってあんま信じられないなぁ。」

「?あの龍二って、昔はこうじゃなかったのか?」

「うん。アタシの知ってる龍二は意外とヘタレだったのよ?」


これは紛れもない事実。幼稚園の頃に仲良くなって一緒に遊ぶようになってからはよくアタシがこいつにパシリとかやらせてたのを覚えてる。


『・・・・・・・・・・。』


・・・あれ?何で皆黙るの?え?しかも話してたメンバーだけじゃなくてクラスまでも黙りこくっちゃったんだけど?



『うそん!!!!???』



いきなり全員叫んだ!?


「あ、あの龍二がヘタレだった!?」

「うっそー!?」

「ありえねえ!!」

「あの超が付く程ドSかつ超スーパーウルトラ鈍感朴念仁と呼ばれる龍二が!?」

「ここら辺じゃかなりの不良と呼ばれた他校の連中を指一本で倒した龍二が!?」

「あの神楽さんの殺人チョークを素手で受け止めたり避けたりする龍二が!?」

「校長先生の弱みを握って影の権力者だと言われている龍二が!?」

「デコピンで校舎の壁に穴開ける龍二が!?」

「拳一つで三つの暴走族グループを吹っ飛ばしたあの龍二が!?」

「家の屋根までジャンプ一回で飛び乗っちまうあの龍二が!?

「35階もある高層ビルの屋上から足滑らしたにも関わらず普通に着地した龍二が!?」

「動物園から脱走したトラを一回睨んだだけでビビらせたあの龍二が!?」

「小動物と子供に好かれている龍二が!?」


『ありえねええええええええええ!!!???』



・・・く、口々にすごいこと言ってるけど・・・えっと・・・。



「り・・・龍二ってここら辺じゃそんくらい有名なの?」


躊躇いがちに久美ちゃんに問いかける。


「あ、ああ。特に仕返しに来た百以上の暴走族グループをたった一人で五分もかからないうちに全滅させたというのは有名な話だけど・・・。」


うっそ〜・・・・・・・・・開いた口が塞がらないってこういうこと言うのね・・・。


「り、リュウジさんってホントにすごかったんだ・・・。」

「私、リュウくんに一生勝てそうもないよ・・・。」

「たははは・・・同感。」


アルス達も初めて聞いたのかもう呆然状態。つーかもうそれ人間の域超えてね?いやでも小動物と子供に好かれるっていうのは普通じゃないの?


「いやぁ懐かしいなぁ。昔はよくお前にパシらせれてたよな〜。」


いや、そんな懐かしそうに言わなくても・・・ってアンタの武勇伝(?)については反応無し?。


「そういや缶ジュース買いに行かされた時を思い出すぜ。」


?缶ジュース?あ、そんな時もあったっけ。


「あん時は金が無くてさぁ。こっそり花鈴の財布の金使って誤魔化してたなぁ。」


・・・は?


「そんでもって週一回、ジュースに下剤混ぜて飲ましたな。」


ちょっと待て。


「給食のおかずをバレないようにこっそりパンだけで作ったおかずにすり替えたし。」


待て待て待て。


「あ、幼稚園の頃なんて弁当の苺取ったな。」

「あれアンタだったんかい!!」


思わず叫ぶ。忘れもしない、人が楽しみに取っておいた苺がちょっと目を離した隙に無くなっていたのは!


「つーか影でそんなことしてたんかいアンタ!」

「HAHAHAHAHA、気付かれないようにイタズラするのはスリル満点極まりない。」

「こっちは迷惑千万よ!おかしいと思ったわよ!週に一回、ジュース飲んだらかならずトイレ行きたくなったし!」

「何でぇい、気付いてたのかよ。」

「アンタだったとは思わなかったわ!!」

「気ニシナーイ。」

「気にしなさいよ!!」


こ、コイツめ〜!昔っから性格悪かったんか〜!


「まぁ過去のことは全て水っつーか洋式便所に流そうや。」

「汚っ!?何であえて言い換えるわけ!?」

「和式便所じゃなかっただけありがたく思え。」

「どっちにしろ変わらないじゃない!!」


つーか何この不毛な争い?


「くっ・・・さすが幼馴染というだけある。見事なコミュニケーションだ。」

「うぅ〜。手強いなぁ。」

「ぬぬぬ〜!」

「・・・(軽く睨んでる)」


ってこっちはこっちで何かコソコソ話合ってるし女子群の方々・・・あと久美ちゃん?これを見事なコミュニケーションって言えるの?


「ヒソヒソ(うわ〜えげつね〜。)」

「ヒソヒソ(だよなぁ〜?ジュースん中に下剤だぜ?)」

「ヒソヒソ(龍二最低だな。)」

「ヒソヒソ(ああ、最低の中の最低だ。)」


「ヒソヒソ(よし、この陰口を叩けば読者に対する奴の好感度ダウンだな♪)」

「ヒソヒソ(ヒヒヒ、俺らのアイドルを独り占めしたお返しじゃ〜い♪)」


・・・何かすっごい周りの男子からヒソヒソ話が聞こえてくんだけど・・・しかも全部龍二に向けて悪意を飛ばしてるし。


「・・・。」


あれ?龍二無言・・・。







「必殺『龍閃弾』。」


【ズゴオオオオオオオン!!】


『ぎゃああああああああああああああ!!???』







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





『・・・陰口なら外でやれクズどもが。燃やすぞ。』


【ゴオオオオオオ・・・】←殺気放出中♪


『・・・ごめんなさい。』




こ、恐・・・。




「・・・人って変わるのね・・・。」

「いや、多分アンタがパシリにしてた時からこうだと思うぞ俺は・・・。」

「・・・かもね。」


あ、何か目頭熱いや♪あはは・・・。




〜放課後の帰り道〜


「今日もいろいろ楽しかったなぁ。」

「そ、そうね。アタシもおもしろいクラスに来れてよかったわ。」


満足気な顔の龍二と、苦笑するアタシ。今帰り道で土手を歩いている。


普段ならアルス達と一緒に帰るらしいけど・・・。


「・・・ねぇ、ホントに三人とも置いてきてよかったの?」


帰ろうとしたら香苗ちゃんがアルスとフィフィちゃんとクルルに『かわいい〜!』とか言いながら思い切り抱きついてきて身動き取れなくなった隙にさっさと龍二が帰りだしたのを見てアタシもついてきたけど・・・。


「ん?大丈夫だろあいつらなら。俺放任主義だし。」


おいおい・・・。


「でもさ、アンタホントに変わったよね。」

「?そうか?俺は昔から子供の心を忘れない男だぞ?」

「忘れなさ過ぎて逆に純粋に恐いわ。」


へっぴり腰だと思ってたらあんなイタズラしてたとは知らなかったけどさぁ・・・。


「そういうお前は全然変わってねぇじゃん。朝言ったけどさぁ。」

「そ、そんなわけないじゃない!背だって伸びたし!」

「中身の話だバカタレ。」

「うっ・・・!」


冗談で言ったのに普通にバカにされた。ムカつく・・・。


「まぁ人間変わらないのが一番だ。」

「アンタが言うとすっごい違和感覚えるのは何で?」

「気ニシナ〜イ。」

「それ誰のモノマネよ?」


もういいや・・・。


「あ、それより。」

「ん?」


ふと、アタシは龍二の首元を指差した。


「それ。」

「これ?」


龍二の首に掛かったヘッドフォン。昔アタシが全財産をはたいて買った、ホントは誕生日プレゼントにする予定だった物。龍二の好みに合わせてこっそりアタシがカスタマイズした、つまりは世界に一つだけしかないヘッドフォン。


「それってさ・・・もしかして、ずっと付けてたの?」

「おう。」


何の躊躇いもなく返答した。


「・・・いつから?」

「お前がくれた日から。俺の唯一の宝物だ。」

「・・・え。」

「何だ?」

「な、何でもないわよ!//////」

「そうか。」


な、何でそう恥ずかしいことスラスラと言えるかなぁ?


「ところで一つ提案があるんだが。」

「な、何?」


いきなり話かけられて若干どもった。


「どうだ?今日俺ん家で再会祝いってなわけでパーっと一発?」

「え、アンタん家で?」

「どうせ家近いし、いいんじゃんよ。」


・・・ま、まぁとなりだし、いいよね?


「・・・そうね。パーっといきますか?」

「じゃラーメンだな。」

「へ?何でラーメン?」

「好きだからに決まってんだろーが。文句あっか。」

「い、いや無いけどさぁ。」

「じゃ決まりで。」


ご、強引・・・。


「よしじゃ早く帰って仕込みだ仕込み!」

「何いきなりテンション上げてんのよ!?」

「上げたいから。」

「意味わかんない!」


よくいるよね。テンション上がったり下がったり忙しい人。いやこいつに忙しいって文字似合わなさそうだけどさ!


「ほらほらさっさと行くぞバカ。」

「バカって言うなってち、ちょっと!?」

「あ?」

「な、何手握ってんのよアンタ!?」

「何だ持ったら悪いか。」

「いや悪くはないけどさぁ、ってそうじゃなくて!」

「うっさい黙っとけ走るから。」

「え、いやだからってきゃあ!?」


いきなり走り出した・・・アタシの手引っ張りながら。


ホントこいつは・・・昔はアタシに引っ張っられてたくせに。


バカとかよくアタシに言われてたくせに。


背負うことは出来るのに手は繋げなかったくせに。



今じゃ全部真逆になっちゃって・・・恥ずかしいことは平気で言うわ普通に頭叩くわ手とか何の躊躇いなく掴むわ俺様みたいな性格になっちゃってるわ・・・


でもまぁ・・・ヘッドフォンが宝物って言ってくれた時は嬉しかったし・・・


変なとこで優しいとことか変わってないし・・・


こいつの事、もっと知りたいと思うアタシもいるし・・・




性格がガラリと変わっても・・・やっぱアタシ、







「おい、何走りながら嬉しそうな顔してんだ?」

「え、何でもないけど!?/////」

「???」










こいつのこと、大好きだわ。










〜おまけ♪〜



「リュウジさ〜ん・・・。」

「お腹減った〜・・・。」

「キュ〜・・・。」


ラーメンが出来た頃、ボロボロになりながら帰宅してきた三人娘がいましたとさ♪


作 ・・・。

龍 お〜いしょっぱなからテンション低いぞ〜。

作 誰のせいだと思ってんだ。

龍 誰だ?

作 テメェだテメェ!こないだの感想コメントは何だ!怒らしちまったじゃねえか!

龍 そうか?

作 見りゃわかるだろ!どうすんだ社会的に終わらせるとか宣言してたぞオイ!

龍 あ〜大丈夫大丈夫。終わらせられる前に終わらせるから♪

作 余計心配になるわ!えと、こないだはマジメにごめんなさいです。

龍 いや、その人見てるのかこれ?

作 ・・・見てくださってることを祈るばかりだ。

龍 ふ〜ん、そ。

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