第十八の話 魔王という肩書き
若干シリアスになってます。後半。
〜アルス視点〜
「ここだ。」
「ほわぁ、おっき〜。」
「すごいね〜。」
「う・・・うん。」
現在、ボクらはリュウジさんの友達で、スティルを置いてもらっているマサさんの家の前に来ています。リュウジさんが今日、遊ぶついでにスティルの様子見に行こうと言い出して、ここまで来ました。スティルがどんな生活してるのか気になるし、外にも出たいなって思ってたし、丁度よかった。
でもここまで家が大きいなんて想像してなかった。
もしかしてマサさんて、貴族の人間じゃ・・・。
【ピンポ〜ン♪】
「ってちょっとおお!!」
「んあ?」
いきなり呼び鈴(?)鳴らすなあああああ!!
「何だ?問題でもあっか?」
「まだ心の準備できてないよボク!?」
「私大丈夫だよ〜?」
「私も〜。」
そりゃ魔王は魔王だしさ!お城住んでるしさ!フィフィは妖精族じゃ・・・あ、これは秘密だって言われてた。
でもボクは普通の庶民の出で、こんなお屋敷なんて慣れてないよ!?
「何アルス?アンタ一度こういうお屋敷入ったことあったじゃない。」
まぁ確かに一回はあったよ?その屋敷の主の娘さんを夜盗から守って欲しいっていう頼みを引き受けた時に。理由は勇者だからだって。
その時した失敗が、未だにトラウマになってるんだって・・・それが一番の理由・・・。
「お〜い、どしたぁ黙りこくって。」
「!い、いえ、何でも・・・。」
・・・あんまりリュウジさんに心配はかけたくないし、我慢しよ・・・。
『・・・どうでもいいけど、俺はいつ話しかけたらいいんだ?』
「「「!?」」」
え?どこから・・・。
「おお、こんちは雅。」
『挨拶遅すぎだ。』
よ、呼び鈴から声が・・・すごい。
「とりあえず入れろ〜。」
『それ頼む態度か・・・まぁいいや。入れよ。』
【ガチャリ】
黒い門から鍵が開く音がした。
「行くぞ。」
ギィッと軋む音をたてながら門を開けるリュウジさん。ボクらはその後に続く。
【ガチャリ】
「よう、龍二。」
「おっす、雅胸。」
「響きはカッコいいけど漢字が違う。」
扉を開けたマサさんとリュウジさんとの会話。何のことなのかよくわからないけど。
「「「こんにちわー。」」」
「いらっしゃい。学校の時以来だな二人とも。」
・・・。
「・・・あの、ボクらガッコウで会いましたっけ?」
「私覚えてないけど・・・。」
「・・・。」
い、いやな沈黙・・・もしかして失礼なこと言った?
「アルス、クルル。」
リュウジさんがボクらの肩に手を置いて耳元で囁いた。
「そのことについては黙っといてやれ。」
「「「???」」」
何のことかな?
「・・・まぁ、とりあえずどうぞ。」
ま、マサさん?心なしか生気が感じられないんですけど・・・。
「気にすんなよ。後半お前の名前出てたじゃねえか(第十四の話参照)。」
「・・・俺自身出てなかっただろが。」
二人が小声で話してたけどあまり詮索しないほうがいいなと思ったんで聞こえないふりすることにしました。
「いらっしゃい♪」
広い玄関に入ると、マサさんの姉さんである、確かリョウコさんっていう女の人が出てきた。改めて見るとこの人も校長さんとカグラさんに負けず劣らず美人な人だなぁ。
「こんちは涼子さん。お邪魔するぞ。」
「も〜私が龍ちゃんのこと邪魔だなんて思う筈ないじゃないの〜。」
「多分そーゆー意味で言ったんじゃないと思うぞ姉さん。」
復活したマサさん、冷静だなぁ。
「で?スティルは?」
「今俺の部屋にいるぞ。呼んでこようか?」
「ああ、頼む。」
マサさんはさっさと二階への階段を上がっていき、ボクらはリョウコさんの案内で玄関から向かって右側の扉へと入っていった。うわ、高そうなツボ。いくらすんのかな?
「あら、それに興味あるの?」
「あ、はい。」
前を歩いてたリョウコさんが振り返って聞いてきた。
「それ、お爺ちゃんが何か魅力感じたって言ってついつい買っちゃったんだって。もう死んじゃったけどね、お爺ちゃん。」
・・・。
「・・・あの、すいませんでした。」
「?何が?」
「いえ・・・そんな話をさせて・・・。」
「フフ、謝ることないじゃないの。私が勝手に喋ったんだから。」
とは言ってもなぁ・・・。
「おら暗い顔すんなアルス。」
【バシン!】
「!いっ!」
り、リュウジさん、強く叩き過ぎ・・・。
「あ、わり。」
悪びれてないでしょ・・・。
「も〜相変わらず責任感じやすいんだからぁ。」
「・・・ほっといてよ。」
フィフィに言われて思わず膨れっ面になるボク。むっすー。
「・・・。」
「?リョウコさん?」
「どったぁ?」
?
「・・・か。」
「「「か?」」」
「かわい〜!」
「ってみゃああああああ!!???」
いきなり抱きつかれましたああああ!?
「も〜かわい〜!このプク〜ってなった感じの膨れっ面かわい〜!」
「ぐ、ぐるじ・・・。」
く、空気!空気〜!!
「ア、アルス〜!!」
「アルス顔真っ赤んなってておもしろ〜い!」
「よし、どこまでトマトになれるか測ってみよう。」
(リュウジさんとクルルの)悪魔ああああああ!!!
「姉さん!アルス死にかけてるって!」
「?あ!ご、ごめんなさい。」
ぜはぁ、ぜはぁ・・・。
「あ、アルス大丈夫!?」
「う、うん。」
「危うく窒息ね。あはは♪」
「愉快な顔だったぞ。ははは。」
「愉快なって何なんですか!?そして笑うな!!」
こっちは死にかけてるっていうのにこの人達は〜!
「ほ、ホントにごめんね。」
「姉さん、抱きしめる時は気を付けないと。ただでさえ力あるのに。」
「は〜い・・・。」
いつの間にか来てたマサさんに叱られてしゅんとなるリョウコさん。マサさん、ありがとう。そして助けずにただ見てただけの上に楽しんでたリュウジさんと魔王、恨みますよ。
「あ、アルス・・・。」
「?」
あ、スティルいた。
「・・・何ですかその『あ、いたの』みたいな顔して・・・。」
「ご、ごめん、ホント気が付かなかった。」
「・・・泣いていいですか?」
「ごめん!ホントごめん!」
反射的に謝った。泣かれても困るよ。
「お、来たかスティル(イジられキャラ)。」
「はい・・・って何か今違和感が・・・。」
「幻聴だ。」
ごめん、ボクははっきり聞こえたけど言わないでおくよ。
「こんにちは〜!こないだはどうも。」
「・・・。」
元気よく挨拶する魔王に対してプイっと顔を逸らすスティル。やっぱり魔王が嫌いみたい・・・。
「あ、あの・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
い、一気に気まずくなっちゃった・・・。
「〜♪」
ってよくこの雰囲気で鼻歌歌えますねリュウジさん。尊敬できるよある意味。
「はい到着。」
やっと目的の部屋へ来てボクらは気まずい空間から脱出できて安堵した。いやそれより長すぎませんでした?あ、途中でリョウコさんがボクに絡みついてきたから時間ロスしたからか。
「ちょっと待っててね。今何か飲み物探してくるから。」
そう言ってる間に、リュウジさん堂々とイスに座ってるし。遠慮って物を知らないんですか。
「お前座んの早すぎ。」
「気ニシナ〜イ。」
「・・・もうええわ。」
呆れたように席に着くマサさん、ご苦労様です。
そういえばこの部屋は・・・ダイニングですね。白を基調としててすごく清楚な雰囲気が出てます。テーブルからも何かいい香りがする。
「おっきい家だね〜。」
「うん、そうだね。」
ボクも席に着いてフィフィと話す(フィフィはテーブルの端にチョコンと座った形に)。
「でも私の家より大きいよ?」
君の場合家っていうよりお城でしょうが魔王。
「そうだな。でかいよな。」
「・・・リュウジ、お前心なしか怒ってないか?」
「いやいや、んなわきゃない。」
チラっと血管浮き出るほどリュウジさんが拳握り締めてるの見えた。恐いから言えません。
「まぁ確かにでかいけど、セキュリティは久美のところのマンションの方がいいよな。」
「「「「?」」」」
マサさんからまた聞きなれない単語を聞いた。せきゅりてぃ?まんしょん?
「すまん雅、その話はもうちっとこいつらが物覚えてから。」
「あ、そうかゴメン。」
「あ、いえそんな・・・。」
謝られても・・・。
「まぁ、また今度覚えさせてやるけどな。こないだみたいに。」
「「「!!」」」
ま、また!?(第十二の話参照)
「え〜またすんのぉ?あれ覚えんのしんどいよ〜!」
露骨に嫌な顔をする魔王。
その魔王にスティルは一瞬だけ冷たい目線を送った・・・気がする。
「ほほぉ嫌か。それならその無知を大いに活用して生活に苦しんで誰にも助けられずに頭パーのレッテルを貼られて路上で野垂れ死ぬがいいさ。」
「是非やらせてください!」
あ、ある意味脅迫だ・・・。
「とりあえずそれは置いといて、と。」
リュウジさんが物を右から左へ置くような仕草をする。
「で?どうよスティル。」
「へ?」
放置・・・はひどいな・・・話についていけなかったスティルはいきなり話題振られてビックリしたのか慌てて姿勢を正す。
「な、何がですか?」
「生活だよ生活。」
「・・・ぶっちゃけ何度か死にかけました。」
ス、スティル?
「あははは!スティルも形無しだね!」
「フィフィは黙ってて!」
「・・・。」
ほらまたスティル落ち込んだし・・・。
「まぁ・・・あの件については悪ぃ。」
え?あの件って何ですか一体?て聞こうとしたら・・・。
「お待たせ〜。特製ミックスジュース持ってきたわよ〜。」
リョウコさんがお盆を持ってキッチンから出てきた。お盆の上にはいくつかのガラスのコップが乗ってる。
「はい、ドーゾ。」
そして置かれてゆくコップ。
さらにそれを顔を歪ませてながら見つめるマサさんとスティル。
正直言います。恐い。
「「・・・。」」
「?どうした二人とも。えらい難しい顔してよ。」
すでにゴクゴク飲んでるリュウジさんが聞く。って早いよ飲むの。
そんなに嫌なのかなこれ?見た目淡い黄色でおいしそうだけど・・・リュウジさんも普通に飲んでるし。
「どしたのぉ?飲まないの?」
「「い、いただきます・・・。」」
あ、あれ?何で二人とも(マサさんとスティル)顔真っ青なの?
「いただきま〜す♪」
「どれ・・・。」
魔王とフィフィも口に付けたんでボクも飲んでみることにした。
【ゴクゴク・・・。】
『・・・。』
【ブーーーーーーーーーーーーーーー!!!!】
ブッハァッ!!!
「ぴゃああああああ!!!」
「な、何じゃこりゃああああああ!!!」
「グホッ!」
「ガハッ!」
な、なななな何これえええ!!??辛いのと甘いのと酸っぱいのと苦いのが一緒くたになったようなこの味!舌にねっとり纏わり付くこの感じ!さらには喉に下るまでのこの激痛!まずい!まずすぎる!!
〜全員が落ち着くまでしばらくお待ちください♪〜
はぁ、はぁ・・・お、落ち着いた。
「あ、あれれぇ?」
いやリョウコさんそんな何が起こったの?みたいな顔しないでください。
「ごっそさん。」
ドン、と空になったコップを置くリュウジさん。
ってお〜い・・・。
「よ・・・よく飲めましたねそれ・・・。」
「ん、まぁな・・・でもまずい。」
やっぱりですか・・・なのにそこまで平然とできるのはすごいですよ。あなた人間じゃないでしょ。
「・・・失礼なこと考えてねえかオメェ(怒」
「い、いいえ・・・。」
何でそこだけ勘が鋭いの・・・。
「おっかしいな〜。ちゃんとした材料いれたはずなのに・・・。」
リョウコさんが首を傾げる。
「・・・姉さんの“ちゃんと”は絶対にあてにならないってわかったろ・・・。」
「し・・・死ぬ・・・。」
「「「・・・。」」」
意気消沈気味のマサさんとスティルを見て思わず沈黙してしまうボクらでした・・・。
マサさんの言ってた“あの件”っていうのは・・・こうゆうのなんだなぁ・・・。
〜夕方〜
「悪いね、お土産もらっちまって。」
「いやいや、別にいいさ。」
「皆で食べてね。」
時間が経つのは早くて、ボクらは帰ることになった。現在は玄関でマサさん達にお見送りしてもらってる。地獄のジュース事件の後、皆で適当に他愛ない話をして盛り上がった。主に学校生活とか、リュウジさんの家での生活とか、スティルの惨劇・・・じゃなかった生活とか。一つわかったのは、この家ではマサさんとスティルが料理を担当して、リョウコさんは他の家事担当ってこと。そりゃねぇ、あんなすごいの毎日作らされたらたまんないもんね・・・でも時々リョウコさんがお菓子作りとかに挑戦することもあって・・・その犠牲者がマサさんと新しく加わったスティル・・・哀れ。
「スティル、頑張ってね。」
「あぁ、ありがとうフィフィ。アルスも」
「う、うん。」
若干寂しそうな表情でボクらを見るスティル・・・それと。
「・・・。」
スティルを見て切ない表情を向ける魔王・・・。
「じゃあね、クルルちゃん。」
「じゃあな。」
「あ・・・はい。」
げ、元気ない・・・。
「ほら、スティルもちゃんと挨拶して。」
「・・・。」
リョウコさんに言われてもスティルは魔王と目を合わせようともしない。今日一日の間、スティルから魔王に話しかけることは一度もなかったし・・・。
「あ、いいですよ。さっきじゃあねって言いましたし。」
笑いながら言う魔王。でも作り笑いっていうのはボクでもわかる。
「さ、帰るぞ。」
「あ、うん。」
そんなスティルと魔王の様子に気付くことなく、扉を開けて外へ出るリュウジさん。
「おっと、その前に・・・。」
「?」
一旦立ち止まってリュウジさんは振り返った。
「スティル。」
「?」
「どんな事があったかは知らんが、話し合えばわかることだってあるんだぜ?」
「え・・・。」
「じゃあな。お邪魔しました〜♪」
・・・何事もなかったかのように家を出るリュウジさん・・・。
「・・・。」
「え、えっと、お邪魔しました・・・。」
ボクらはこの変な空気に耐え切れずリュウジさんの後を追った。
「さ〜て、帰ったら夕飯の準備しねぇとな。」
夕焼けで辺りがオレンジ色に染まった道をボクらはのんびりと歩く。リュウジさんは両腕を上げて体を伸ばしながら呟き、ボクらはその後ろを無言で歩いていた。
「「「・・・。」」」
「・・・オメェら何か暗いぞ?どうした?あのジュースにあたったか?」
冗談めいてるけど、本気でそう思ってるように聞こえるのは何故だろう?
「・・・。」
やっぱり何だか・・・喋れる雰囲気じゃないよ。
「・・・あのさ。」
「?」
魔王が沈黙を破った。ボクらは思わず立ち止まる。
「やっぱり・・・魔王って悪者で・・・認められない存在なんだよね。」
「・・・。」
「今までだってね、リュウくん達と話してて、自然と馴染んで・・・私だって普通に人と接することが出来るんだって、思ってたけど・・・今日スティルに会ってわかった。」
肩を震わせながら、言葉を紡ごうとしている魔王。だけど。
「やっぱり・・・魔王は魔王じゃなきゃダメなんだって。」
その声はどこか覇気が無くて・・・消え入りそうな声。
確かに、魔王はボクらの世界では悪だっていうのが常識で、最も忌むべき存在。それは大人から子供に伝えられて、誰もそのことを疑わない。現に、多くの人間が魔王の配下である魔物に命を奪われている。疑わないのがおかしい。誰でも、その元凶である人物を恨まないわけがない。
その元凶が、ボクの目の前にいる。
ボクは勇者だ。だから魔王は殺さなきゃいけない。
最初だって、お互い殺す気でかかっていた。
その魔王は、今は同じ屋根の下で暮らしている。何の違和感もなしに。
魔王という立場に苦しみ、泣き出しそうになるのを自分の服を握り締めることによって懸命に堪えてる今のその姿は。
恐怖の象徴で、最強の魔族じゃなくて。
ボクらからしてみれば・・・ただの少女だった。
なのに、ボクは何の声もかけてあげられない。
ボクは勇者で、彼女は魔王で・・・お互い、敵同士に変わりなんてなくて・・・。
そんな彼女の気持ちに、ボクは何も言えない。何もわからなかった。
「じゃ魔王でいいじゃん。」
「・・・へ?」
でも。
「どうせ魔王なんて単なる肩書きだろ?」
この人は。
「肩書きなんて飾りだ、か・ざ・り。飾りなんざで惑わされてんじゃねえよ。」
勇者でも、ましてや魔王じゃないけど。
「大体、お前にはちゃあんとクルル・バスティっていう名前あるじゃねえか。」
単なる人間だけど。
「大事なんは、魔王っていう肩書きなんかじゃねえよ。」
ボクよりも強くて。
「大事なんは自分自身だ。周りがどう言おうが、お前はお前に違いねえんだからな。」
誰にも屈そうとしない。
「そんでも魔王っていう立場が悪い印象しか与えられねえんならなぁ。」
そして何より。
「お前がその常識をぶち壊してけばいいんだよ。」
気持ちが・・・心が強い人。
「常識を・・・壊す。」
「そ。ぶっ壊せそんな腐れた常識。お前が思い描くような魔王目指せばいい。悪い印象しか与えられねえ奴じゃなくて、自他共に認められるような奴にな。」
「・・・。」
「ま、簡単じゃねえけど・・・。」
【クシャ】
「少なくとも俺らは応援してくぜ?」
リュウジさんは優しい笑みを浮かべながら魔王の頭をクシャクシャと撫で回した。
「・・・。」
「ほれ、いつまで暗い顔してんだオメェら。つーか顔おかしいぞ。元々だけど。」
「って元々って何よ!?」
「事実である。」
「事実なの!?」
「おう、いえ〜す。」
「誰の真似ですか!?」
「「「「・・・。」」」」
「・・・フ。」
「プフフフフ!」
「あははははははは!」
「きゃはははははは!」
ボクらに笑い声が戻ってきた。
「さて、帰るぞ。メシ作らなきゃいけねえし。今日は肉じゃがだ。」
「やった♪」
「今日は贅沢に六杯までおかわりさせてやる。」
「え、ホント!?」
「嘘。」
「嘘かぁい!!」
魔王がいつものテンションでリュウジさんと笑い合いながらボクらの前を歩いていく。
「・・・ふ〜ん。」
「?どしたのフィフィ?」
フィフィがボクの肩に止まりながら顎に手を添えて考える仕草をしていた。
「こりゃ確かに・・・アルスが惚れるのもわかるわ。」
「!!・・・・・・・ば、バカァ!!/////」
「きゃーーーー!アルスが照れながら怒ったーーーー!!」
「照れながらって言うなああああああ!!」
沈んでゆく夕日が、はしゃぎ回るボクらを照らし続けていた。
作 皆さん!遅くなりましたが明けましておめでとうございます!
龍 ズズズズ・・・
作 去年は多くの感想、評価を書いてくださって及び、本作をお読みくださってありがとうございました!
龍 モグモグ・・・
作 今年もビシビシ頑張っていきますので!
龍 ズズズズ・・・
作 勇者以上魔王以上、これからもよろしくお願いします!
龍 モグモグ・・・
作 ・・・おい。
龍 ズズズズ?
作 ラーメン食いながら返事すな。
龍 【ゴクン】何だ?
作 いやお前も新年の挨拶しろよ。ラーメン食ってばっかでねえで。
龍 え、俺も?
作 当り前だ!!
龍 へいへい。え〜、今年も暴れますんでよろしく。
作 適当じゃね?
龍 ズズズズ・・・
作 また食うんかい。
龍 モグモグ・・・
作 と、とにかく、今年も一年よろしくお願いします!
龍 もごむぐ〜(よろしく〜)
作 物食いながら言うのやめい。