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第十六の話 迷惑な秘密

あ〜勉強して死にそう。死にはしないけどね♪(じゃ言うなよ)


〜龍二視点〜


・・・ん?


あ〜朝か。ねみぃ。


「もうちっとだけ寝てぇな〜・・・。」


今日は休日だし〜。つっても平日でも普通に寝るから別に関係はないけどな。ほら休日だと気分が違うだろ?あれだあれ。


まぁとりあえずねみぃな〜・・・。


「でも起きんと・・・。」


下で寝てる連中の朝飯だけは作ってやんねぇとな。さっさと作ってもっかい寝ちまおう。


「ふぐお〜・・・!」


ベッドから起き上がって体をぐぃ〜っと伸ばす。朝一はこれが一番気持ちいいんだよなぁっと。一通り伸ばしてからベッドから降りて一階のキッチンへ行く。朝は適当に、かつ栄養価が高いモンがベスト。


「ふむ、やっぱトーストとハムエッグとサラダが妥当か?」


一般家庭でよく見られる朝の献立。これに牛乳付けたら完璧だ。とりあえずパンをトースターに突っ込んで数種類の野菜を水洗いしてから和室で寝てる仲良し娘どもを起こしにかかる。


「お〜い、朝だぞ起き・・・。」


襖を開けて言いかけて黙る。二人といっぴ・・・何かかわいそうだから三人にしたげよう。三人ともめちゃくちゃ気持ちよさそうに寝てる。寝顔があどけなくて、何か母性本能くすぐられる。俺男だけど。


まぁアルスがクルルから離れて寝てるってのはツッコまないでおこう。おそらく寝てる時に蹴られるからだろうな。現にクルル布団からめちゃくちゃ足出して寝てるし。


「・・・も少しだけ寝かせてやろうかな。」


ここまで気持ちよさそうに寝られたら起こすの躊躇っちまう。


しかし何か負けた気(?)がすんな・・・。


「・・・。」



ニヤリ。









さて、トーストが焼けて、ハムエッグを人数分焼き終え、サラダの盛り付けも終わった頃・・・。


「ん〜・・・おはよ〜。」

「おはよ〜・・・。」

「おはようございます・・・。」


三人とも起床したようだ。


「「「・・・。」」」







「「「ぶっ!!!」」」



「あははははははは!!何二人ともその顔〜!!」

「きゃはははははは!!二人とも顔おかし〜!!」

「はははははははは!!何て顔してんの二人とも〜!!」


「「「・・・はい?」」」


お?異常に気付いたか?


「・・・これ、二人がしたんじゃないよね?」

「ううん。昨日仕返ししたから満足したし。」

「ボクもいつまでも根にもつタイプじゃないよ。それよりボクらまで何でこんな顔?」

「私じゃないし。てか私も被害者だし。」


「「「・・・。」」」



(((ってことは・・・。)))


















「「「リュウ(くん)ジ(さん)―――――――――――――!!!!!!」




今頃気付いたか。


「お、やっと起きたかオメェら。」

「はい。じゃない!『これ』したのリュウジさんでしょ!何この猫の髭みたいな三本線!?」

「何で鼻先黒くすんのぉ!?」

「つか私だけ何だかわかんなくない!?」


アルスの言う『これ』とは。ズバリ、ラク顔である。


アルスは口の横にそれぞれ三本の髭+オプションで額にデデンと『猫』という漢字を。

クルルには口の周りに斑点を付けまくって鼻黒くして額にドドンと『犬』という漢字を。

フィフィはちっこいので・・・まぁ適当に落書きしたら何かわかんなくなったからとりあえず額にチョンと『肉』という漢字を。正直、『虫』にしようと思ったけど悩んだ末これにした。


これぞバカ丸出し三姉妹。森○中に次ぐ新たなトリオの誕生である。まぁ前々からしたかったしなラク顔。ついでに水性。


「おう。何かものっそい気持ちよさげに寝てたからな。とりあえずムカついたからイタズラした。」

「何でムカつくのそこで!?」

「知らん。」

「知らないなら言うなあああああああ!!!」


アルスよ、朝っぱらからツッコミも疲れやしねえか?


「ぜぇ、ぜぇ・・・。」


ほらぁ、息荒いぞ。


「とりあえずとっとと顔洗ってこい。洗えば落ちるだろそれ。」

(((か、加害者なのにその言い様って・・・。)))


三人揃って何か言いたげな顔してたが、渋々といった感じで洗面所へと歩いていった。何が言いたかったんだ?大方文句だろうけど。




で、三人が顔洗ってきた後の朝の食卓。


「おいしー!」


まぁ、見事な勢いでトーストパクつきなさってクルルさん。いい食いっぷりですぜ。


「おかわり!」


まぁ、今度はおかわりですか。朝から食欲旺盛なこって。


「今から焼いてやっから待ってろ。」

「よく食うわね〜アンタ。」


半ば呆れた感じで言うフィフィ。それに関しては俺も同感だ。


「ん〜、何か今日は異様に食欲湧くんだよね〜。」


ほぉ、食費が嵩張りそうな発言だな。


「はいよ。」


まぁそんなこと思いながらもトーストを渡す俺。


「あんがとーアムアム。」


ってもう食ってるし。


「おかわり!」


そんではえーし。


「太らない?そんなに食べて。」


ハムエッグの白身部分をフォークで切り取りながらアルスが言う。


「大丈夫大丈夫!太ってたら魔王やってないし。」


デブと魔王は関係ないと思うぞ。いや、でも何かイメージ崩れるか。あだ名はブタ魔王だな。どっかの芸人が「このブタ野郎!」とか言ってるのを思い出してしまうのは俺だけか?


「おかわり!」


だぁらはえーっつの。







で・・・。


「おかわり!」

「もうねえよバカ。」


食パン二十枚あったのに全部無いよ♪


「え〜!何でもっと買っとかなかったの〜!?」

「・・・逝くか?」

「すいませんごめんなさい調子乗ってました。」


ったく、この朝っぱらから大飯喰らいめ。


「にしてもホントすごい食欲だなお前。どうしたよ一体?」

「う〜ん・・・。」


腕組んで考えるクルル。


「・・・よくわかんないけど、多分魔力に関係あるんじゃないかな?」

「ほぉ?」


いきなりファンタジーな単語が出てきたぞ。


「あのね、こっちの世界来た時から何か体から魔力が流れ出てく感じがしてたの。私魔族だからさ、魔力無くなると生きてけないわけ。」


命に関わる重大発言。しかもこいつ魔族だったんか。知っても知らなくても得になりゃしねえけどな。つーかえらいめんどくさい体だなぁおい。


「?じゃ何でボクと戦ってる時火炎弾撃てたの?」


アルスが横から口を出す。すでにアルスとフィフィはテーブルから離れてテレビを眺めてた。


「あん時はまだ十分力があったから。でも今じゃ火炎弾も強力な奴は撃てないよ。」


どっちにしろ撃ったら大惨事だけどな。俺は責任取らん。


「それで多分、体が無意識のうちに魔力の補給を求めてるんだと思うの。それで妙にお腹すくんじゃないかな?」

「な〜る。つまり、食い物の栄養は全部魔力へと還元されるっつーわけだ。」

「ん・・・そゆことかな?」


納得できたが、そりゃつまり食費がドーンと減るわけだ。


あぁ、悲しきかな我が家の財布。迷惑だな魔族の体。責任者出て来い。


「まぁ、そんな体だとしょーがない、が。」


一つ区切る。


「だからっつってバカ喰いはすんな。おかわりは食事一回につき俺が許す範囲まで。それ以上は許さん。」

「え〜!」

「文句あっか(怒。」

「無いっす!!」


とりあえず魔力が無くならないようにすりゃいいんだ。食費の件もあるし、かと言ってこいつの体のことはおろそかにはできねえからな。


それと気になったことがもう一つ。


「ところでお前らは大丈夫なんか?」

「ボク達?」


そ。


「う〜ん、ボクは普通に魔法使えるから異常ないよ。第一ボクら人間の魔力は食べて回復するんじゃなくて休ませて回復していく方だから。それに魔力無くても生きていけるしね。」

「私も異常ないわ。まぁ妖精族って体の内から魔力が生成されるから大丈夫よ。」


じゃこいつらは大丈夫か。


「よし、わかったなクルル。」

「は〜い。」


うむ、返事はよろしい。


「ところでリュウくん、お昼どうするの?」

「アルス食っとけ。」

「わかった♪」

「え、ちょっと!?いぎゃああああああああああああ!!!!!」


冗談だったんだが、まぁいいや。




・・・二度寝しようと思ったけど目ぇ覚めちまったじゃねえか。


どーも、作者です。今回で十六の話まで行きました。ここまで頑張れたのは読者の皆様のお陰です。とにかくこれからもドドンと書いていきますので、よろしくお願いします。

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