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第百五十六の話 どーゆー一日?

久しぶりの珠とのグダグダ会話シリーズ。今回はちょっと違います。

〜龍二視点〜



『…………。』


…………。


『………ん。』


…………。


『りゅ……ん。』


…………。




「龍二さん。」


………?


「………ん?」


バサリ、と布団を退けてベッドから起き上がる。だが今は朝じゃない。つーか逆。超真夜中で部屋は真っ暗け。


今さっき誰かが呼んだ気がするが誰もいない。つか夢か今の?




「あ、起きました?」


「あぁ?」


と思ったら、さっきの声がした。真横から。つーか今寝ぼけてんだから話しかけんな。


「…………。」


寝ぼけ眼のまま、声の方を目をこらしてよーく見てみた。徐々に輪郭が露わになってくる。


「………………。」


何か白いワンピース着た黒髪ロングの二十歳くらいの小顔の姉ちゃんが、正座していた。




頭に生やした白い猫耳ピコピコさせながら。ケツに生えた白い尻尾フリフリさせながら。




「………誰やねんお前。」


「あれ、気付きません?」


「えーととりあえず凶器になるものはっと。」


「ストップまずは寝ぼけてるんですから眠気を覚ましましょう。」


「おおこんなところに龍刃が。」


「ストップやっぱりまずは落ち着きましょう。」


「さて、三枚に下ろしてやっからそこ動くな不法侵入トンチキが。」


「普通に不法侵入者の方がマシですねーってだから待ってください話を聞いてください。」


「はぁ? 最近耳が遠くてのぉ。」


「年寄りですね。」


「さぁ殺そう。」


「そんな『京都へ行こう』みたいなノリで物騒なこと言わないでおくんなまし。」


「つか誰やねんお前。」


「それ最初に言いましたよね? 答えようとしたら何か殺しにかかってきましたから言おうに言えませんでした。」


…………まぁ、三枚に下ろすのは話聞いてからでもいいか。


「で、まず単刀直入に聞くけどお前誰だ。」


「フフ、当てて御覧なさいな。」


「うんわかってるけどお前の口から言え。」


「何故ですか?」


「気ニシナーイっつか単純に答えるのメンドイのと問題形式で質問を質問で返したお前がムカつくから。」


「ひどいですね。」


「昔っから。さ、名前言え。」


「はいはーい、わかりましたよー。」


伸ばすな腹立つ。


「私の名前は……時に愛らしく、時にイタズラっ子、そして時に情報収集! そう! 誰が隠そう、私の名前は前名ポチョムキン、現名」


「珠だろ。」


「…………答えちゃイヤン。」


「キショイ。」


「ベリーショック。」



不法侵入トンキチ、もとい猫であるはずの珠は何故か人型になっていた。



「つーか何なんだその格好は。」


「ええ、スッポンポンはまずいかなぁって思いまして近所の家からちょろまかしてきました。」


「そういうこと聞いてねぇべ。」


「気ニシニャーイ。」


「そこは猫ん時と変わらんのな。」


「あなたと被りますから。」


「それより、俺が聞きたいのは何でお前人んなってんだ?」


「フフフ、聞きたいですか?」


「ああ。」


「教え」


「てあーげない♪ とか抜かしたら舌抜いて口ん中に五寸釘ブッ刺すぞ。」


「リアルにえげつないですね。」


「リアルにそうだな。」


「わかりました。リアルにされたくないので言います。」


「リアルに言えよ?」


「ええ、リアルに。」


「リアルにな。」


「リアルリアル。」


「リアールー。」


「……これ何だかクセになっちゃいそうですね。」


「今年の流行語大賞はこれだ……じゃない、話せ。」


「はいはい。それは昼間のことです。」


「うんうん。」


「私はいつもの如く家に侵入しました。」


「うんうん。」


「テーブルの上の焼き魚を咥えました。」


「うんうん。」


「バレました。」


「うんうん。」


「逃げました。」


「うんうん。」


「そこでこうなっちゃったんです。」


「わかった。何がどうしてそうなったんか全く理解不能だっていうのがわかった。」


「案外頭固いですね。」


「テメェもなこの【ズキューン】猫が。」


「やはり口論であなたに勝てる自信がありませんね。」


「そうか。」


「ええ。」


「まぁお前が人になったのはどうでもいいや。」


「どうでもよくないと思われます。」


「それで、どうしてこんな真夜中に俺ん部屋で座っとる。」


「華麗に無視ですね。まぁここに来た理由は一つです。」


「何だ。」


「さすがにこんな姿で夜中ウロウロしてたら変なおじさんとかに声かけられて結果あーれーみたいになっちゃう気がしたんでここに来ました。わかりました?」


「さっぱりわからん。」


「わかりやすく言ったつもりだったのですが。」


「つか“あーれー”って何よ?」


「それを言ったらいろいろおしまいですよ?」


「何が?」


「世界が。」


「そうか、じゃ別に喋んなくていいや。」


「はい。とゆーわけで布団貸してください。」


「何がとゆーわけ?」


「寒いからです。」


「そこら辺で寝とけ。」


「こんなか弱い美女にワンピース一枚着たまま冷たい床の上で寝ろというんですか?」


「とりあえずバカじゃねーの? と言いたいところだがイエス。」


「ホントSですねぇ。」


「できればそのまま凍死してくれ。」


「断ります。」


「さよか。」


「とゆーより人間てホントもろいですね。猫だった時は毛が暖かかったのに。」


「普段毛むくじゃらだもんなお前。」


「まぁアナタは人間の常識超えてますから人間の範疇に入りませんけど。」


「よく言われる。」


「だからベッド貸してください。」


「突拍子無く言うのやめい。」


「いいじゃないですか。とりあえず貸してください。」


「無理無理。」


「わかりました、こちらにも手があります。」


「何だ?」


「今ここで襲われるーって叫んで近所をたたき起こして、アナタを犯罪者にします。」


「そうか、ご自由にどうぞ。」


「あれー? 止めないんですか?」


「今眠いから何をする気も起こらん。」


「叫びますよ?」


「その前に俺はお前を殺す。」


「そっち系の犯罪者になっちゃいますが?」


「精神的に殺すってことでいいじゃん。」


「その前にあなたを社会的に抹殺することも可能ですよ?」


「別にいいや。」


「白い目で見られますよ?」


「そん時ゃ連中の目抉り出せばいいじゃん。」


「そうですか。アナタならやりかねないのでやっぱ黙っときます。」


「わかりゃいい。つーわけで、俺寝る。おやすみ。」


「おやすみなさーい。」


「…………。」


「…………。」


「…………。」


「…………。」


「…………。」


「…モソモソ。」


「何しとん。」


「添い寝です。」


「邪魔。」


「無理です。もう布団の魔力に取り憑かれました。」


「叩き出すぞ?」


「まぁまぁ。女の子と添い寝だなんてそんじゃそこらのラブコメでもおいそれとできませんよ?」


「寝苦しいだけだろが狭いわうざいわ死ね。」


「あなたはホントラブコメには向いてない主人公ですね。」


「……とりあえずどけ。」


「今日だけでいいですから。」


「……しゃーないな。今回だけだぜ?」


「はいはーい。」


「はいは一回。」


「イエスイエース。」


「イエスも一回。」



そんなこんなで夜は更けていく…………。





――――――――――――――


――――――――――


―――――――


―――――







『とゆー夢を見たんですよ。』

「へぇ、そりゃまた変わった夢だな。」


ある晴れた昼下がり、久しぶりに珠が家に遊びに来たから膝に乗せてくつろいでいると、珠が変わった夢を見たと言うんで聞いてみた。何で俺視点なのかがようわからん。


『でもあれですね。』

「? 何だ?」

『たまには夢オチというのも悪くないですよね。』

「うむ、そうだな。」


とりあえず緑茶をズズーっと啜った。うまい。







〜オマケ〜


因みに俺が見た夢は。




『フフフ、来たな。ここが貴様の墓場だ!! ウッキー!!』


世界の命運を賭け、俺はサバイバルバケツラーメン早食いバトルをした。相手がジャンプして鼻からラーメンを食べている隙に俺は食べながらブレーンバスターをかまして勝った。


因みに相手は猿だった。

ね? 違うでしょ?


文体が。

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