表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
148/180

第百四十七の話 特別編!勇魔以上昔話『桃太郎』<中編>


…………桃太郎は、お爺さんとお婆さんが暮らす村を後にし、鬼ヶ島へと続く道をテクテクと歩いていました……………。


「……あの、何か傷だらけな気がするんですが……。」


……なんで俺までボコボコにされにゃならねんだよ……釘バットはねぇだろ。


「はい?」


…スマン、こっちの話だ。


ともかく、桃太郎は野を超え、山を超え……時には山賊っぽい連中にも襲われましたが、返り討ちにしました。


そんなこんなで、旅は順調に進んでいました………と、そこへ。



【ガサ】


茂みから犬が飛び出してきました。犬は桃太郎の前に座り込み、言いました。


「ミャー。」

「…………。」


……犬は座り込み、言いました。


「ミー。」

「…………。」


…………犬は座り込み


「ミー?」

「…………。」


……………………い、犬……は……


「ミャン♪」

「…………。」


……………………………………



コレどっからどう見てもたまやんけ。



「ミャーミャミャミャミャン、ミャミャミャミャミャン。ミャミャミャミャミャミャミャンミャミャミャミャミャン、ミャミャミャンミャミャミャミャミャミャミャミャミャ♪」

「……え、えっと………その………な、何で連続で鳴き声を?」


…………訳すと、『もーもたろさん、ももたろさん。お腰に付けたキビダンゴ、一つ私にくださいな』って言ってるみたいだ。


「わかるんですか…?」


……台本にそう書いてあるし、鳴き方のテンポがそれっぽかったから。つかコイツ犬じゃねぇだろそれ以前に。


…………と、とりあえずキビダンゴを。


「あ、はい……どうぞ。」

「ミャン♪」


……犬(?)は桃太郎からキビダンゴをもらいました。


「えっと、それでは。」

「ミャン。」


そして犬(?)に見送られ、桃太郎は立ち去……ってコラコラコラコラコラコラコラコラコラ待て待て待て待て待て待て待て待て待て。


「? はい?」

「ミー?」


何立ち去ろうとしてんだ何見送ろうとしてんだ。キビダンゴもらったら仲間になるんだろうが犬。


「…ミャ?」

「そうなんですか?」


台本読まんかい。


……とにかく、仲間になれ犬。


「………ミャー(※訳 お礼にお供します)♪」

「は、はい。お願いします。」


何て下手したてな桃太郎だ……。


つーか誰だこいつに犬やらせたの。明らか人選ミスならぬ生物ミスだろこれ。






こうして、犬(?)を仲間にした桃太郎は旅を続けます。時々犬(?)は道に迷った時、他の仲間ねこを呼び出して道を尋ね、桃太郎をサポートしましたって犬は猫呼ばねぇよ。


さて、旅も中盤に入ろうした中、二人はある林の中へと入っていきました。


「う………薄暗くて不気味です。」

「ミャ。」


桃太郎、お前ビビリすぎ。そして犬(?)、堂々としすぎ。


ビクビクしている桃太郎と平然とした犬(?)が林の中を歩いている時でした。



「おい。」

「「?」」


ふと、横を見ると…そこには切り株の上に座り込んだ猿がいましt


「断る!!!」

「はい!!??」


えええええええええええええええええ!!!??


「あ、あのまだ何も…」

「っせーよバカ。どうせ仲間んなれとか言うんだろが。」


ちょと待てやあああああああ!!!


「……まぁ、なってやってもいいが条件がある。」

「じょ、条件?」

「そ。」

「……あの、お腹すいてるならキビダンゴが」

「ドーン!!」

【バゴォン!】

「ひぃ!?」


猿は傍にあった大木を遥か彼方へと殴り飛ばしましたってオイ。


「んなもんいらん。仲間になってほしかったらラーメン持ってこい。」

「え、そ、そんなぁ!? ラーメンなんて持ってないですよ!?」

「そんじゃ仲間んなってやんね。」

「えぇぇぇぇ!?」


………あーちょっとすいません、中断してください中断。



…………オイこら龍二。何やってんだテメェ。


「何って交渉。」


アホか。ラーメン要求する猿なんて聞いたことねぇぞコラ。


「今ここにいる。」


黙れや。


「つーかよぉ、何で俺猿なわけ? このデカ耳鬱陶しいんだが?」


あぁあぁ耳を取ろうとすんな。とにかくこのまんまだと話になんねぇからさっさとキビダンゴもらって仲間んなってくれよ。


「だからラーメンよこせっつってんじゃん。」


…………後でラーメン好きなだけ奢ってやるから。


「……ホントだな?」


……はい。


「よぉしいいだろう。我慢してやる。」


…………。


すいません、進めてください。


「…あー、ワリィが腹減ったんで腰に付けたキビダンゴくれ。」

「あ、はい、どうぞこんな物でよければ……。」

「サンキュ。」


何故か上から目線の猿に言われ、おずおずとキビダンゴを差し出した桃太郎。猿はそれを受け取り、仲間になりました。


………犠牲は大きかったですけど………グスン。







猿を仲間に加えた桃太郎は、猿によって様々な困難を強行突破していきました。途中で関所がありましたが、それさえも門ごと空の彼方へと吹き飛ばしました。後で弁償します。


そして、いつの間にか猿に主導権を握られた桃太郎達の前に現れたのは……。



【バサバサバサバサ…】

「助けてー。」


そう、罠にかかったつる…………………はいストップストップもっかい中断して。



テメ何やってんだ香苗。


「え、何って……鶴よ?」


桃太郎に鶴なんて出てくるかダァホ。普通キジだろ。


「え!?そうなの!?」


どういう教育受けてきたお前。


「だ、だって鶴の恩返しって聞いたから。」


誰から。


「プロデューサーさんから。」


よーしそいつ後で校舎裏来い。


……ともかく、キジの役やってくれよ。話が成り立たねぇよ。


「うぅ、わかったわよぉ…………えと、カァー、カァー。」


それカラスだバカ。


「わかんないわよキジの鳴き声なんて〜。」


……『ケーン』、だったと思うけど。


「あ、そうなんだー!雅物知りー!」


名前出すな! タブーだから! いや今さらだけど!


………ともかく、キジが桃太郎達の前に降り立ちました。


「あ、桃太郎さん桃太郎さん、お腰に付けt」

【ムギュ】

「? あれ?」

「………………。」


…………キジに気が付かなかった猿はキジの後頭部を踏み付けました待てコラ。


「あ、わーりわり。気が付かなかった。」

「……ひどい……しくしく。」


……………普通気付けよ。何か地面に顔跡付いてんじゃねぇか。


「……だ、大丈夫ですか?」

「…うん、平気平気。ポーション持ってるから。」


待てや。キジはそんなもん持たん。


「だって持ってたんだもん。」


…さいでっか。もうどうでもいいよんなこと。


「あ、あの雅さん? 怒ってます?」


別に〜?さっさと話進めようぜ〜さっさと〜。


「……雅、軽く壊れてるね。」

「……ですね。」


はいはい進める進める。


キジはお腹がすいていたので、倒れていたのでした。


「え、いや……正直お腹減ってないし。」


そーゆー設定なんだっつーの。大人しく従ってくれ頼むから。


「あ、ならキビダンゴあるから食べます?」

「そうね、せっかくだしもらおっと。」


桃太郎は袋からキビダンゴを


「あ、ワリ。ダンゴ全部食っちまった。」

「「はいぃ!?」」


待てコラ猿!?


「しゃーねぇだろ?何か傷んでたし。」

「え、そうなの?」

「そういう問題じゃないです!」


桃太郎、もっともだ。


「ふむ……しょーがない。なら途中の村で買ったこの名物蕎麦ダンゴをやろう。」

「え、ホント!? ……………………ねぇ、でかすぎない?」

「限定品のビッグサイズだからな。」

「…………。」


猿が差し出したのは、蕎麦で作られた特別なダンゴでした。因みに大きさは拳大です。それが三つ、串に刺さった物が十本はありました。この大きさじゃ饅頭だろコレ。


「……………あの、残してもいい?」

「残したら踏みにじるぞ?」

「全部食べさせていただきます。」


………キジは全部食べ終えるまで仲間にしてもらえませんでした。






こうして、桃太郎は犬(という名を語る猫)と猿(という名の暴君)とキジ(腹一杯でフラフラ)を従え、鬼ヶ島を目指します。



やがて鬼ヶ島の前にある漁村に辿り着いた一行の目の前に、鬼ヶ島へ向かうための小さな帆船が一隻、港の桟橋に繋げられていました。これで鬼ヶ島へと向かうのです。


「あ、船頭さーん。」

「鬼ヶ島へは行けませんよ?」


桃太郎が交渉しようとしましたが、アッサリと返されましたってコラ。


「え、ええ!? な、何でですか!?」

「当たり前です! 何で自分からそんな危ない所に突っ込むようなことしなければいけないんですか!?」

「で、でもこれ使わないと先に進めない」

「進まなくていいから早く帰りなさい!」

「そ、そんなぁ〜。」


強気に出た船頭さんに押され、桃太郎はすっかり困り顔になってしまいました………あの、校長先生?船頭さんが断ったら話が進まないのですが?


「役など関係ありません。生徒に危害が及ぶような真似を校長である私がさせると思いますか?」


こんなとこでいい事言った!?


「……でもどうするの? このままだと行けないわよ?」

「ど、どうするって言われましても……。」

「うし、ここは俺に任せとけ。」


コソコソ話し合う桃太郎達をどけるかのように、一歩前へ進み出た猿。


「え、でも」

「まぁ見てなって。」


……一瞬、猿がニヤリと黒い笑みを浮かべた気がしました。


「船頭さーん。」

「何ですか? 早く帰りなさいと何度も」

「いやぁ実はそれできねぇんだよなー。鬼退治しないといけないし。」

「…ですから危険だと言って」

「あーあー船頭さんって残酷だなー。」

「…な、何がですか?」

「だってさー、鬼退治しに行かないと鬼がまた村一つ襲うんだぜ? 死者多数出るんだぜ?そりゃやばいっしょ?」

「え……。」


…………。


「そんでさ、鬼退治できなかった理由は船頭さんが船貸してくれなかったからーなんだぜ? つまりさ、鬼のせいで犠牲者が出たら結果的には船頭さんのせいってことになるよなー? そんで世間では残酷船頭になっちゃうんだぞ?」

「う……。」


…………。


「まぁそれでも貸したくないってんなら泳いでいくしかないけど? つーかこっから鬼ヶ島まで船で行くと丸々三日かかるよな? 俺と空飛べるキジはともかく桃太郎とか体力もつかなぁ島まで?そこまで残酷なことするんかい船頭さんよぉ?」

「ぐ……。」


…………。


「あ、そうそう。ついでに言うと〜………奪われた財宝の中には、限定プレミアキティちゃん人形が混じってるという噂だ。」

「!!!???」

「俺らが鬼退治してきたら皆平和、アンタもキティちゃんGET。一石二鳥じゃん?

「…ゴクリ…。」


…………。


「で、どうするよ船頭さん? 俺らを送り出すか? それとも追い返すか? 二つに一つでっせ? フッフッフ。」

「…………………………………………



行ってらっしゃいませ。本日は無料サービスでございます。」

「よし、皆乗り込め。」

「「…………。」」


………………。


「?おいどした?早く乗れよ。」

「「は、はい!!」」

「ミャ!」


……猿の交渉(?)のおかげで、船を手に入れることができた一行は、次々と乗り込みました。もう俺はこういうことにはツッコまねぇ。


「よーし、出港準備できたな?」

「は、はい!」

「ミー!」

「オッケー!」


桃太郎が船の先に立ち、犬が帆の下、猿が舵取り、キジが帆の上にとまりました。


「そ、それじゃ………



出港!!!」

【バサァ!】


桃太郎の声と共に、キジは白い帆を降ろしました。


さぁ、いよいよ鬼ヶ島に向けて出港です!











「待ってろワ○ピース!俺は海賊王になる!!」

「いえ違うでしょ!?」

「………ウエップ、ダンゴ吐きそう…。」

「ええええええ!? ちょ、袋!袋どこですか!?」

「ンミャ〜オ……。」←欠伸


……スンゲェ不安。


こないだ感想欄で言われた!と?の後にスペースを入れるという方法をやってみたんですがどうでしょう?読みやすいならこれでやっていきます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ