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第百四十六の話 特別編!勇魔以上昔話『桃太郎』<前編>

どうも、お久しぶりですコロコロです。今回はちょっと違ったお話です。サブタイ見ればわかりますよね?

むか〜しむか〜し、そのまたむか〜しむかしむかしむかしむかしむかしむかしむかし………………ってオイ、どんだけ昔なんだよこれ。え、細かいことは気ニシナーイ?…初っ端からふざけんなチクショウ。


まぁいいか……とりあえず、山に囲まれた小さな村にある一軒屋に、お爺さんとお婆さんが仲良く暮らしていました。



「はいお爺さん、ご飯ですよ♪」

「……あの、涼k……お婆さん、これ何?」

「?何って味噌汁とご飯ですよ?」

「味噌汁は緑色じゃありませんし、ご飯は青くありません。」

「アラアラ、細かいですねお爺さん♪」

「うん、細かい細かくない関係ないでしょこれ。」


………いや今さらなんだけどさ。この二人お爺さんとお婆さんっていう年じゃねぇよ。何でお婆さん俺の姉さんでお爺さん影薄なんだよ。


「誰が影薄だ!!」


ちょ、おま、ナレーションに話しかけるんじゃねえよ。


「アラアラ、雅ったら細かいのね♪」


姉さんも話しかけない!つーか名前言うな!……何でこんな始まって間もない場面で疲れねぇといけねんだよ。はぁ……。


「ホラホラ、話し進めないと。」


ああ、ゴメン……あぁそれと、テメェ影薄。姉さんにちょっかい出すんじゃねえぞコラ。


「お前だって登場人物に話しかけるな!!」


………………ある日のこと。


「無視かよ!?」


黙れ。ええ、ある日のことでした。


お爺さんはシバかれに、お婆さんは川へ洗濯をしにいきました。


「……おい、シバかれって何だよ。」


……台本にそう書いてあんだよ。いいから行けよ。


「…………。」


コホン……納得しない顔のままのお爺さんを見送った後、お婆さんは洗濯物を持って近くを流れる川へといきました。



「よいしょっと。」


お婆さんは川の傍にしゃがみ込むと、お爺さんのジーパン………じゃなくて股引きを川の水につけて洗い始めました。


「う〜ん、やっぱり洗剤欲しいなぁ。」


環境に悪いからやめろ。


とにかく、必死にゴシゴシと洗濯物を洗っていました。


しばらくし、洗濯物も後一枚というところでした。


「……アラ?」


お婆さんは川の上流を見やりました。するとどうでしょう。川から大きな桃が、ドンブラコ〜ドンブラコ〜と流れてきたではありませんか。


お婆さんは、その桃を見て驚きました。


「まぁ。ドンブラコ〜なんて珍しい音ですこと。」


そこかい。


「……それにしても大きいわね。どんな木になってたのかしら?」


………お婆さん、お婆さん。


「アラ、私はお姉さんよ?いつから雅は私の孫になったの?」


ちげぇよリアルを持ち出すな!とにかく桃流れてきてんだから拾い上げろっつーの!


「えぇ〜?私今日のオヤツは桃じゃなくてアップルパイがいいのに〜。」


そこでもリアルかよ!?また今度買ってきてあげるからとにかく桃拾ってくれ!


「は〜い…。」


口を尖らせつつ、お婆さんは桃が目の前まで流れてきたのを見計らって川から掬い上げま


「ねぇ、桃が川の真ん中を流れてるから取れないんだけど。」


………泳いで取ってきたら?


「え〜?私泳げないの知ってるでしょ?」


あ、そだったな……てここで意外な事実バラすな。


「エヘ♪」


エヘ♪じゃねぇよ……ったく、しょうがない。


はい、桃がお婆さんの近くまで流れてきました……これでいいか?


「よしよし♪さすが私の弟♪」


………語り手って何でもありなんだな………。


ともかく、お婆さんは流れてきた桃を拾い上げました。


「あら、意外と軽いのね♪」


………………因みに大きさは人間の子供サイズです。


「それじゃ、さっそく帰ってお爺さんに切ってもらいましょ♪」


………お婆さんは桃を右手でヒョイと掲げ、左脇に洗濯物の入った桶を挟んで帰路へとつきました。



……………スゲェ力。






「お爺さん、ただいま〜♪」

「……おかえり……お婆さん……。」


嬉々として我が家に帰ってきたお婆さんを出迎えたのは、顔が見事に変形して血がダラダラと流れ出ている影う……お爺さんでした。


「アラアラ、整形でもしてきたんですか?」

「………そういうことにしといてください。」


…………何があったかは言わないでおこう。


「あ、それとお爺さん、見てくださいなコレ♪」

「おぉ、これはでかい桃じゃのう。」


お爺さんは今さら役に成りきりました。


「今さらって何だよ!?」


…そう書いてあんだよ、台本に。いいから話進めてくれ。


「………コイツめ。」


さて、お爺さんが一人でブツブツ言ってる間に、お婆さんは桃の前で腕を組みながら考え込みました。


「……ピーチパイなんてどうかしら?でも桃のタルトっていうのも何だかおいしそうだなぁ……あ、いっそオーブンを使って焼き桃っていうのしてみようかな?おいしいかも。それともこのまま齧り付くのもありね。新鮮な果肉からみずみずしい果汁が溢れ出す……ん〜、おいしそ♪考えてみればこんなに大きいんだし、何作ってもどう食べても当分困らないわよね…。」


………もしもーし、お婆さん?そろそろ話進めてくれませんか?


「アラ、ごめんなさい♪」

「……え〜と包丁はっと……。」


で、お婆さんが悩んでる間にお爺さんはいそいそと台所で包丁を探していました。


「あ、あったあった。」


そして包丁を片手に、桃の前に座りました。


「よーし切るぞー。」

「あ、待ってお爺さん。」

「?何ですか涼……お婆さん。」

「こんな大きな桃にそんな小さな包丁で大変でしょう?これ使ってくださいな。」

「あ、ありがと………………………あの、何でこんなもんが置いてあんスか?」

「玄関脇に置いてありましたよ?」

「…………。」


で、何か流れに身を任せた感満載のお爺さんは、お婆さんが差し出した青龍刀・・・を受け取りましたっていうかなんか刃に赤い模様みたいなのが付いてる気がしないでもないけど気のせいだろ絶対うん。


「…と、とりあえず切りましょうか。」

「ええ、どうぞ♪」


内心、子供がオヤツを待ってるかのように笑顔でお爺さんが桃を切るのを待つお婆さん。お爺さんはその顔を見て


「……いい……。」


シネお爺さん。


「…………すんません。」


ええからさっさと切れやボケ。


「……なぁ雅?お前涼子さんのことになるとキャラ変わるんだな。」


切レッツッテンダローガコラ


「は、はいぃ!!!!」


……ようやく目の前でデデンと置かれた桃と向き合うお爺さん。


「そ、そんじゃ切るぞー……。」


そして刀を振り上げ、


「そりゃあ!」


振り下ろしました。



【パカ】



「…………。」

「…………。」

「…………。」

「…………。」



「…お、オギャー?」

「いや聞かれても。」



するとどうでしょう。二つに分かれた桃の中から、翡翠色の髪をした可愛らしい男の子が出てきたではありませんか。


「……ボク女です。」


……訂正。翡翠色の髪をした可愛らしい女の子が出てきたではありませんか。


「アラアラ、桃から出てくるなんてメルヘンね♪」

「お婆さん、そのネタ軽くヤバイ…。」


今回はお爺さんと同感だ。


「それより、オギャーって恥ずかしくない?」

「…………は、恥ずかしかったです…////////」


はいはい顔赤らめるんじゃねぇよ。


「…一部の連中は悶えるだろうなこれ。」


黙れ影薄ジジイ。


「レベル上がってねぇか!?」



「……え、え〜と……この後ボクどうしたらいいんですか?」


あ、ああ……………えと、台本には『オギャー、オギャー』って書いてあんだけど…




とりあえず服着てくれ………。




「へ?………………………




い、イヤアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

「ん〜、この桃甘くておいしい♪」

「…………………。」


その晩、家からは赤ん坊の泣き声……ではなく、女の子の悲鳴が響き渡ったそうな。(因みにお婆さんはどこ吹く風で二つに分かれた桃をフォークでパクついていた。お爺さん鼻血吹いて失神した)。







まぁいろいろありましたが、お爺さんとお婆さんはその子を家に置いて、大層可愛がりました。元々二人の間に子はおらず(つーか作らせねえぞコラ)、二人暮らしだった為、二人にとっては待望のむすk……娘が出来たようなものでした。


そして、その子は桃から生まれたので、二人はその子に『桃太郎』という名を授けました。本人は『何でボク女なのに太郎なんですか!?』と大変ご立腹でしたが、そうしないと題名が変わると説得したおかげで、渋々承諾してくれましたっつーか何で俺が説得せにゃならねんだよ。


桃太郎は二人の愛情を受けてすくすくと元気に育ち、今では家の仕事も一手に引き受けてくれるよい子になりました。また、剣術でも村の中では一番という使い手にもなりました。そして、お婆さんの作った愛情・・たっぷりの料理を食べて、お爺さんと一緒に頑丈な体になりました。違う意味で。(因みに食べた後かならず寝込んだ)。



そんなある日のことです。今、世間で悪さをしているといわれる鬼が、村を襲ってきました。


「こんにちわー♪」

「……。」


因みに鬼は双子です。子供です。女の子です。鬼のカッコしてます。ご丁寧に二本の角が生えてます。そして一人は無邪気に朗らかに挨拶しました。そして今二人の村人が襲われようとしています。ここでは村人A、Bと分けます。


「うわー鬼だー鬼が来たー。」

「助けてー食われるー。」


テメェら棒読みじゃねぇかコノヤロウども。つか何で台本持ったままなんだよセリフ覚えとけ。


「じゃ何でアタシがこんな脇役なのよ!?おかしいでしょアタシレギュラー格なのに!?もっと出番のある役よこせえええええええ!!!」

「カリンさん、レギュラーとか言ってはダメだと思いますが…第一脇役は脇役でもちゃんとこなさないと…。」

「うっさい黙ってなさいバカヘタレスティル!!」

「へ、ヘタ………レ……。」


何ということでしょう。村人Bが一番気にしていることをAに思い切り言われ、ダークなオーラを放ち始めました。へたり込んでます。つかお前バカヘタレは言いすぎだろ。


「アンタは大人しくナレーションに務めときなさいよヘタレ。燃やすわよ。」


…………はい。


「…カリンお姉ちゃん、怖い…。」

「……。」

「あ、ちょ、ごめんね美紀ちゃん美香ちゃん!脅かすつもりなかったの!ヘタレに向かって言っただけだから!ね?お願い泣かないで!」


……そりゃお前が一番鬼にふさわしい顔さっきしてたもんな……。


「…………。」


すんませんすんません睨まないで。


「…じ、じゃあねぇ……そだ!アタシ人質になってあげるから、行く途中でアイス買ったげるよ。」

「!ホント!?」

「…!」

「ホントホント!」

「わーい!じゃ早く行こ!行こ!」

「【コクコク】」

「はいはい。」


こうして村人Aは未だに真っ暗けなBを放置しておいて、両手を双子の鬼に掴まれて攫われてしまいましたっつーか物で釣って連れて行ったってのが妥当だと思うぞチクショウこんなの桃太郎じゃねええええええええ!!!!





【ナレーターが落ち着くまでしばらくお待ちください】





はぁ、はぁ…………と、ともかく、この事を知った桃太郎は、村のため、村人を救出するため、そして先月盗まれたという村の財宝を取り戻すべく、鬼の本拠地である『おにがしま』へと向かうことを決意しました。


「お爺さん、お婆さん………ボクは、鬼ヶ島へ向かい、鬼を退治してきます。そして村を救ってみせます!」


そのことを、桃太郎はお爺さんとお婆さんの前で話しました。


当然、お爺さんとお婆さんは反対しました。


「な、何を言っている!危険だ!」

「そうよ、うちにはそんなお金ありません。」


待たんかい婆さん。


「…あの、旅行じゃないんですお婆さん。」

「あら違うの?じゃ日帰り?」

「遊びに行くのではありません!!」


…頼む、話を先に進めてください。


「…………と、ともかく、そんな危険な場所にお前を行かせるわけにはいかん!」


気を取り直したお爺さんが、断固として反対しました。


「でもお爺さん…。」

「あら、私は別にいいわよ?」

「ええ!?」


何と、お婆さんは許してくれました。


「いいじゃない、この子が行きたいって言ってるのだから。」

「で、でもこれは…。」

「…お爺さん、この子は弱くないのよ?それにこの子は一度言い出したら聞かないもの…この子の決意を無駄にしないであげて?」

「…むぅ。」


お婆さんのもっともらしい言葉に、お爺さんは唸り声を上げました。


「それに、この子にはいい社会勉強にもなるわ。ね?」

「お爺さん…。」

「…………………。」


お爺さんは考え込みました。


やがて……


「………わかった、行ってきなさい。でもかならず無事に戻ってくるのだぞ。」

「は、はい!!」


こうして、桃太郎は鬼退治に出発することになりました。


「うふふ、やったわね桃太郎♪」

「ありがとうございます、お婆さん!」

「ええ、その代わり…。」

「わかってます…かならず無事に」

「途中で立ち寄った村でお土産買ってきてね?」

「はい!…………はい?」


……………………。


「そうそう、確か道中にお蕎麦がおいしいって評判の村があったわね♪あそこでお蕎麦を買える分だけ買ってきて♪あ、でもその村の一つ手前にお饅頭がウリの村もあるわね……う〜ん、どっちがいいかなぁ……。」

「「…………。」」


……オイコラババア。


「あらあら、私はまだババアじゃないわよ?」


ちげーっつーの!!台本無視すんじゃねえ!!!そしていいシーン台無しだ!!!!


「いいじゃない、アドリブよアドリブ♪」


それはアドリブとは言わねぇんだよおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!





【ナレーターが落ち着くまでしばらくお待ちください】





…………そして翌朝、桃太郎の旅立ち時がやってきました……もうどうにでもなれや(投げ遣り)。


「桃太郎、気をつけて行ってくるんだぞ?」

「頑張ってね?」

「はい……かならず無事に戻ってきます。」

「お土産もね♪」

「………はい。」


家の前で、『桃太郎』という刺繍が入った旗を背中に差した桃太郎が、見送りのお爺さんとお婆さんの前で決意を新たにした。最後のはどうでもいいとして。


「それでは、そろそろ…。」

「あ、待って桃太郎。」

「?何でしょうか?」


お婆さんに呼び止められた桃太郎。そしてお婆さんは、一つの白い袋を差し出しました。袋には、大きな桃が縫いつけられていました。


「これを持っていきなさい。」

「これは……何ですか?」

「旅先でお腹すかすと大変でしょ?だから、キビダンゴを作ったのよ。」

「…………………え゛。」


感謝するべきはずなのに、何故か青ざめる桃太郎。今じゃもう青太郎です。


「……これ、お婆さんが?」

「う〜ん、作りたかったんだけど、お爺さんがどうしても自分が作りたいって言うから。」


おい、お爺さんがお婆さんの役取ってどうすんだ。


「だって死ぬだろ。」


………そんな真顔で即答されたらどうも言えねぇだろが。


「お、お爺さん………ありがとう(命を救ってくれて)。」

「桃太郎………頑張れよ(俺も頑張るから、色々)。」


桃太郎はお爺さんを見つめ、お爺さんも桃太郎を見つめ返しました。そして心も一つになりました。いろんな意味でアホかと思う。


「それでは、行ってきます!」

「気をつけてな!」

「お土産よろしくね〜♪」


そして、桃太郎はついに旅立ちました……背後からお爺さんとお婆さんの声援(?)を受けながら。



ここから、桃太郎の冒険が幕を開けます………………………………









……オイ、これもしかして続くのか?


【ハイ】


………………………………





やってられっかあああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……………



<続く!!>


どうも、先日まで大スランプに陥っていたコロコロです。どうにか抜け出せそうです。

そんで我が家に新しい家族であるワンコが来ました。めっさ可愛いです。子犬です。柴犬です。俺みたいにコロコロ転がります。愛らしいです。親ばかです。写真貼りたいくらいです。寝方が家族皆にソックリです。


……えぇ、お察しの通り、大スランプに陥っていながらワンコと毎日戯れていました。ごめんなさい、返信もしないで……とゆーわけで、今から返信頑張るぞー!………そんな冷たい目で見ないでね♪

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