第百二十二の話 魔王VSネコ
今回は二日連続投稿だぜーーーーー!!!
〜クルル視点〜
はーい、皆さんこんにちわー!魔王ことクルル・バスティでーす!え、知ってる?だよねー?わかっててやってるもーん♪
いやぁにしても最近暑いねー!テレビで見たけど、チキュウオンダンカが原因とか?オンダンカって何だろうねー?
でもこの程度の暑さ、魔王城の周辺に比べたらまだマシだよ?だっていっつも溶岩噴出してるし!アハハー、夏なんてナンボのもんじゃーい!!
アハハハハハハハハハハ!!ハハハハハハハハハ…ハハハ…ハハ………
…ハァ。
「…退屈らぁ〜〜〜〜〜〜〜…。」
…うん、正直に言います。一人はおもしろくないです。
それもそのはず、今この家には私以外だ〜れもいないんだもん。
リュウくんはフィフィとエル連れてお買い物行っちゃうし、アルスはリリアンのお家に行っちゃうし…あ〜あ〜、ついてけばよかった。
…でもしょうがないもん、リュウくんから留守番任されちゃったんだから。リュウくんの為なら留守番だろうがなんだろうがやってやるわー!!って意気込んでたのはいいけど、まさかこんな退屈だなんてな〜……。
「………。」
誰もいないのに一人頭の中で誰かに喋りかけるのって寂しい…。
「…む〜…!」
【コロリン】
とりあえず畳みの上で転がってうつ伏せになる。あ、今私和室で寝てます。寝転がってます。
あ〜…でも何だか太陽光線が和室に降り注いできて、すっごく気持ちい〜……。
「……………。」
……………………………………………………
うみゃあああああああ!!!寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しいよおおおおおおおお!!!!
リュウくん帰ってきてーーーー!!!何ならアルスでもフィフィでもエルでもいいからああああああああああ!!!!寂しすぎて死んじゃうよーーーーー!!!ウサギみたいにさああああああああああ!!!!
「……みゅう……。」
【パタリ】
ひとしきり手足をバタバタしてから、もっかいパタンキュ〜。
……どうしよ、このまんま寝ちゃおっかなぁ……気持ちーもん。
あ……でも今留守番中だからダメかぁ……油断してたら泥棒さん入ってくるし……
う〜…でも眠い〜………。
…………………………………。
「みゃー。」
………。
「みゃー。」
………。
「みー?」
………?
「みゃー!」
……う?
「む〜…誰〜?」
さっきから耳元でミャーミャーと〜……あ!寝ちゃってた!?
うぁぁぁやっちゃったー!………って、むみゃ?
「みゃー!」
「ありぇ?タマちゃん?」
何故か和室に、リュウくんと仲良しのタマちゃんが入ってきてた。あ、ベランダの戸開けっ放しだった。
「なぁにー?タマちゃんも暇なのー?」
「みー?」
小首を傾げるタマちゃん……あ、やばいすっごく可愛い。
……………
あ、そうだ!
「なんならタマちゃん遊ぼう!」
「みゃ。」
そうそう、タマちゃんと遊べばいいんだ。これなら退屈せずに済むね。眠気も覚めてイッセキゴチョウ!!あれ?何か違ったっけ?まぁいいか♪
「よぉし、何して遊ぶー?」
「みゃー?」
また首をチョコンと傾げるタマちゃん。返事になってません可愛いから許すけど。
「……………。」
「?」
「……………。」
「??」
「……………。」
「??みゃー?」
あーそういえばタマちゃん喋れないんだっけー…ネコだからかな?当たり前のこと?
「……う〜……。」
あ〜どうやって遊ぼうかな〜…。
「??」
う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん……。
「…………
みゃー♪」
【ポム】
「…う?」
考えすぎて蹲ってたら、頭に何か柔らかい感触が…。
「…タマちゃん…。」
「みー。」
タマちゃんが私の頭に小さな前足をチョンと乗せてた…やーらかい。
「みー、みー♪」
【ポムポム】
…頭をポコポコ叩いてくるタマちゃん。何がしたいのかわかんないけど、かーいいなぁ…。
「みー。」
【バリ】
「いたああああああああああ!!!」
ひ、ひっかいた!この子ひっかいたよ!?
「みー♪」
「いった〜………。」
ひっかかれた部分を抑えてみる…あ〜血は出てないね。よかった〜…。
…でも…ひっかいた本人、呑気にチロチロと手なめてるし。
「…た〜ま〜ちゃ〜ん…。」
「みゃ?」
血は出てないけど……この恨み、晴らさずべからずか!!
「魔王の力…見せてやるううううううう!!!」
「みゃー!」
〜ここからは音声と効果音のみでお送りいたします〜
「くらえー!必殺ワシづかみ!!」
【ギュ〜!】
「みみゃ!?」
「ふははははは!どうだー!!」
「むみゃー!!」
【ペチン!】
「あうち!やったにゃー!」
「みゃー!!」
【ポカスカポカスカポカスカ!】
「うみゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃ!!!」
「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ!!!」
【ポコポコポコポコポコ!】
「みぎゃ!?むむぅ、ナイスなネコパンチ!でもまだまだあああああ!!」
「みーーーー!!」
【ポコポコポコポコポコポコポコポコ】
「むみゃ!みぎゅ!こにょーーーー!!」
【ポコポコポコポコポコポコポコポコ】
「いた!いたたたた!ちょ、いた、痛いって!タンマタンマ!」
【ポコポコポコポコポコポコポコポコ】
「あの、ちょっとタマちゃん!?もうネコパンチやめて、ホント痛いって痛い痛い痛い!」
【ポコポコポコポコポコポコポコポコ】
「いた!いったあああ!!ご、ごめんなさい!ホントごめんなさい!許して!」
「みーーーーーー!!!」
〜【ピンポンパンポ〜ン】 しばらくお待ちください♪〜
「……きゅ〜……。」
「みゃみゃん♪」
頭からプシュ〜っと煙を出しつつ、私ダウン。タマちゃん、私の頭の上でふんぞり返ってま〜す♪アハハハハハ♪
……く、くやじ〜〜〜〜〜〜……(泣)。
【ピョン】
「みゃ〜〜あ…。」
「うぅ〜…余計くやじ〜……。」
わざわざ飛び降りて人の目の前で大あくび…屈辱〜…。
「むにゃぁ……。」
「…むぅ…。」
…結局目の前で丸まって寝ちゃった…………。
…………………………。
「…私も眠くなっちゃったなぁ…。」
むにゅ……でも……留守番しないと……いけない……し…………。
〜龍二視点〜
「ただいま〜。」
「たっだいま〜!」
『帰ったぞ。』
「ただいま〜…エル、素直にただいまって言いましょうよ…。」
うむ、帰りに同じく帰る途中だったアルスと出くわしたおかげで、さっそく夕飯の準備ができるぜ〜。
っとと、その前に…
「クルル〜。ただいま〜。」
今日はあいつ一人だったからなぁ。寂しがってんじゃねえかな?
買い物カゴを台所に置き、おそらくクルルがいるであろう和室をヒョイと覗いてみた。
………………。
「?リュウジさん?」
「どしたの〜?」
「シィ〜。」
「「?」」
アルスとフィフィに人差し指を使って静かにするよう指示する。そしてその指を和室へと向け、中を見てみるようすすめてみた。
「クー…クー…。」
「ニャー……。」
「………。」
「………。」
「…な?」
二人同時に頷いた。
てかさ、何か知らんけど珠と一緒に寄り添いながら丸まって寝てるんだもんね、クルルの奴。
「……。」
「……。」
「……。」
『……。』
「…寝かせてあげましょうか。」
「そうね。」
「だな。」
『うむ。』
音をたてないようにそーっと襖を閉じていく。。
最後に、チラリと襖の隙間からクルルと珠の寝顔を見てみる。
「…むゅ…。」
「うにゃ…。」
…………
まぁったく気持ちよさそうに寝やがって……どんな夢見てんのやら。
ちょっと笑ってから襖を閉じた。
クルルが何の夢を見てるかはご想像にお任せしまーす。