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第百十七の話 ちょいと回想

このお話は、長編でアルス達の前から消えてどこで何をしていたか謎だった龍二の回想です。何で消えたかこれで明らかに!!


〜龍二視点〜



さて、何も無かったわけじゃないけど、それらしいのが無かったっぽいのでとっとと撤退しよっかな〜。



とか思ってたら…。



「…ん?」

『?リュウジ?どうしたのだ?』

「………。」


ふと足を止める。皆が離れていく中、俺は体の奥底から感じていた。


……こ、これ、は……。








「トイレ。」

『…は?』


やっべ〜マジでやっべ〜来る前に飲んだミルクティーが今効いてきたなぁ眠気覚ましに紅茶飲んだつもりだったんだけどまさかこんなとこでこんなことになるなんて思ってもなかふおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!


「エル!便所行くぞ!」

『え、ええ!?ちょ、ちょっと!?』


あ、行く前に皆に言っておかねぇと!


【カチ】

「わ【ボーン ボーン ボーン ボーン ボーン】!!」


おしオッケー!!


『いやちょっと待て今時計の音で何言ってんのかわからな』

「Bダッシュ!!!」


赤帽子かぶった髭の配管工のように!!


『ってこらちょっと待てってはやあああああああああああああああああああああ!!??』


俺は元来た道をなるべく加減して走りだす。全力疾走なんてしたらその時に生まれる風で校舎が吹き飛びかねん。


それでも俺は、車を追い越すスピードで走る、目的達成のために風になる!!


『りりりりリュウジいいいいい!!貴様どこへ行く気だあああああああああ!!!???』

「だぁかぁらぁ便所おおおおおおおおおおおおおお!!!!」

(*お食事中の皆様、ごめんなさい by作者)


やばいぜやばいぜこれはやばいぜー!!こりゃ限界だぜーーーー!!!



……ただ、問題としてはここに来たのは初めてであって、トイレの場所がさっぱりわからん。いやこりゃまいったまいった盲点。



んだがしかーーーし!俺のこの勘がありゃそんなもん!



「よーし三階行くぞ三階!!」

『はぁ!?何故三階なのだ!?一階のでいいだろう!?』

「いやただ何となく!」


何か一階と二階のトイレより三階のトイレの方がきれいなような気がしたから!確証はナッシン!!


つーわけで、直勘で階段の居場所を探り当ててレッツゴー!さっきから何か時計の音が鳴り響いておるけど気ニシナーイ!!


【バキィ!!】



…あれ?今何か魔王っぽい雰囲気した女蹴っ飛ばしたような気が?



…………気のせいか。



まぁともかく、校舎の奥にある上へ続く階段発見、速攻で駆け上がって三階へ!


いやもう駆け上がるのもメンドイし、一階の踊り場からジャンプして三階へ到着。


「え〜、便所は〜………。」


グルリと見回して…………



あった!階段から離れた場所にあるドアの上に“男子・・トイレ”と書かれた札!!



「皆の衆!突撃じゃああああああああああ!!!」

『いやちょと待て皆の衆って私しかないってとゆーかそれより私は女だあああああああああああああああああああ!!!!!』


エルが何か叫んだけど俺は気ニシナーイってな感じでトイレの扉を破壊して突入じゃあああああ!!!!





【しばらくお待ちください♪】





「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜めちゃスッキリ〜〜〜〜〜〜〜〜♪」


水道が無いから持ってきていた水筒の水を手にかけて洗い、ハンカチで拭く。今の俺は空を飛べる気分だった。いやマジでリアルに。


いんやぁにしてもスッゲェスッキリしたぜもう最高〜♪


『…………。』


…?ってあれま?何かエルからものっそい負の感情が出てきとんな。


『…私は女なのに…何故男のトイレに…いやでも今の私は剣だから性別は…いやいやでも中身は女だし…何なら未知の体験をしたという風に割り切れば…いやそれでもしかし…』


う〜わ〜何かブツブツ言ってるし〜。捨てて〜こいつ捨てて〜。


「おい、気持ち悪いぞお前。」

『す、すまん…ってそれ傷つくって。』

「あえて傷つけてる。」

『…ひどい。』


うんわかってる。


さぁって、そんじゃ皆んとこ戻るか。いつの間にか時計の音も止んでるし。



『…!リュウジ、ちょっと待て。』

「んあ?」


腰からエルが呼び止める。何でや?


『…感じないか?』

「何を?」


何かこいついつになく真剣な声色で。




―――アハハハハハハハハハハ!!

―――キャハハハハハハハハハ!!




っておよよよ?何か床から壁から白い煙みたいなのが。


『…全く、今頃気付いたか…鈍感め。』

「むか!失礼な。」

『“むか”を口で言うか普通?』

「これが俺の普通なんよ。」

『…そ、そうか…。』


つかこんなコント繰り広げてる間に何か白い煙みたいなのドンドン集まってきてせっまいトイレに密集してきてるし。定員オーバーじゃ何人か出て行け。



―――アソボウ、アソボウ!

―――コンヤハアソボウ!



「今忙しいからあーとーでー。」

『そんな友達が遊びに来たのを追い返すみたいに…。』


こいつ最近ツッコミうまくなってきてねぇか?剣のくせにテレビ見てるからか。目無ぇけど。



―――キャハハハハハハハハハ!!

―――キヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!



うーん、こうしてる間にも何かどんどん迫ってきてるし。俺トイレの壁際まで追い詰められてるし〜。


『…リュウジ、どうするのだ?』

「は?んなの決まってんじゃんよ?」


どうせこいつら香苗が言ってた幽霊だろ?だったら…。




「ちょっと遊んでやろうか♪」

『やはりか…。』


当然♪


ってなわけで〜…


「ほい。」

【バシュ!】


一番手前にいた幽霊の体を両断するかのように手刀(氣無し)で薙ぎ払うと、声も上げずに四散していった。


?何で触れれるのか?そりゃあれだ、俺だからだ。


「ん。」

【シュパァン!】


そしてまた接近してきた三匹の幽霊を回し蹴り(氣無し)で作利出したカマイタチで消し去り、


「よいせ。」

【ビシュウ!ドゴン!!】


正面の幽霊に正拳突き(氣無し)かましてその直線状にいた奴らもろとも拳圧で吹き飛ばす。あ、壁もフッ飛ばしちまった。


よしよし、今ので大分減ってきたな。


『…貴様、今の突きで三十匹は倒したぞ…。』

「あ、そう?数なんて数えてねぇからわかんね。」


う〜ん、にしてもメンドイなぁこいつら……………



うし。



【バッ!】


一足飛びで幽霊が一番密集してる箇所に立って…


「なぁお前ら〜?




【ズギュウウウウウウウウウウウウン!!!!】♪」




言ったった♪



―――!!!!!!!!!!!!???????ギイイイイイイイイイイイイイイイイイイヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!

【パァァァァァァァァァァァン!!!】



うわお、幽霊見事に破裂したなぁおい。


『……な、何て恐ろしいことを言うんだ貴様は…。』

「いやさ、こっちの方が念仏より簡単じゃん?」

『ね、ネンブツ…?』

「気ニシナーイ。」


いや、念仏なんて知らねぇし。ナンミョ〜ホ〜レンゲ〜キョ〜ぐらいしか知らねぇし。



だったら口撃こうげきの方が楽っしょ?色々。



―――キヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!

―――ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!



あ、何匹か生き残ってんなぁ。やっぱもうちょい大きな声で言った方がよかったか?


『リュウジ、また来るぞ!』

「………。」


近づいてくる幽霊を見て、ふと思い出した。



こないだ偶然本屋で見つけたホラー小説、タイトルがなかなか興味深かったから思わず買っちまったんだが………。


「…なぁエル?」

『?何だ?』






「幽霊って食えんの?」

『…は?』



―――!!!!!!!!!????????



本のタイトル、『悪霊を食う人々』。内容もタイトル通り、幽霊をパクつく連中が出てくる。途中までしか読んでないから何でそんなんするか知らんが、そいつら曰くどうやらうまいらしい。


…どんな味がするのか、マジで気になってきたぞオイ。


「…つーわけで〜…。」

『……。』





「ものは試し、いっただっきま〜す♪」

『待てええええええええええええええ!!!!!!!????????』






【パク、パク、パク、パク、パク♪】



―――ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!



【パク、パク、パク、パク、パク♪】



―――イギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!



【パク、パク、パク、パク、パク♪】



―――ダ、ダジゲ…………



【パク、パク、パク、パク、パク♪】



―――オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!??






【♪ホントはとんでもなくエグイ効果音が流れております、ご了承ください♪】



〜数分後〜



「ゴチでした〜。」


偶然持ってきていた爪楊枝で歯の間を磨く。周囲にいた幽霊は全て片付けた。


う〜ん、にしても無味無臭でまずかったなぁ…醤油持ってくりゃよかった。


『……………リュウジ。』

「あ?」


腰からエルが話しかける。何かものっそ恐がってる気がしてならない。


『…貴様ホント人間?』

「イエス。一応。」

『一応!?』

「時々化け物って皆言うから。」

『……そうか……。』


それっきり黙りこんでしまったエル。わーけわからんわーけわからん。ま、別にいいや。


「さ、ともかく皆んとこ戻るぞ。アルスらが心配だ。」

『…そう、だな。』


曖昧な返事をするエルはまぁいいとして、トイレから廊下に出る俺達。さっさと一階に戻るとするか。




【ヒュン!】

「?おっと。」


何か横切ったので反射的に身を翻す。


で、いきなし目に飛び込んできたのは〜…。


「?誰だお前ら?」

「……。」



真っ黒ローブに骸骨の仮面付けて手に何故か真っ赤っかな鎌持った悪趣味野郎が立っていた。俗に言う死神って奴?

で、後ろにはヴァンパイアみたいな格好した奴と悪魔みたいな…悪魔?まいいか。悪魔と雪女と首なっがい女がおった。う〜わ〜コスプレ妖怪大戦争?でもこれアルスとクルル見たら間違いなく卒倒するね。本人達いねぇけど。


…つーかさ、ちょっと待てや。何でお前ら武器持ってんの?悪魔は長剣持ってるのはまぁいいとして、ヴァンパイアよ、お前何で槍持っちゃってんの?そこはサーベルとかだろオイ。首長女は俗に言うガントレットみたいなの腕に付けて構えてるし、雪女なんてものごっつでっけぇ大剣肩に担いでるし。



よし、この一言で行こう。



「ミスマッチ過ぎだろ。」

『同感だ。』


死神と悪魔だけじゃんまともなの。他何なん一体?雪女って儚いイメージあんだけど俺?これきっかけにそんなイメージ崩れたね。見事に。


まぁそんなんどうだっていいか。


「…そんで?何か俺に用か?」

「……。」


無言、全員それぞれ武器を構えた。


…俺とやろうってか。何か怨み買った俺って?


「…はぁ〜…めんどいなぁオイ。」


頭をポリポリ…まったく。



【ゴゥ!】



っと、油断してる間に首長女が間合いを詰めてきた。ガントレット見りゃわかるけど、格闘戦かぁ…。


ま、いいや。とりあえず適当にストレートパンチ。


【ビシィ!】


…ってありゃりゃ、受け止められた。う〜ん、適当に放った突きとはいえ、見事な受け。こいつはカウンター主体ってわけだ。



しかぁ〜し……



「甘いわ。」

【ゴキバキィ!】


相手が行動に移る寸前にこっちの腕を絡ませて相手の腕をグキリと折ってガントレットを指パッチンで破壊、そしてなっがい首をガシっと掴む。


【ギュルギュルギュルギュル!】


そしてグルグルと〜…


【ギュウ!!】


自分の体に巻きつけて縛ってやった。見た感じ背中から首出てるみたいでおもしろい。


「せい。」

【ボゴォ!!】


で、とどめっつーわけで倒れた首長女の顔面を殴りつけて背後に蹴り飛ばしておいた。簀巻き状態のままおもしろい感じに転がっていった。


はいまず一人目っと。



【ブォン!!】



「おっと。」

【ガキィン!!】



今度は雪女かぁ…重い一撃を大上段から繰り出してきたんで、それをエルで受ける。


う〜ん、筋は悪くないな。将来有望だ。


でもぉ……


「まだまだだな。」


スっと大剣をつまむように持って…


【バギィ!】


軽くへし折った。


「ほいっと。」

【ゴス!!】


すかさずヤクザキックを放つ。足は腹にめり込んだまま、雪女はくず折れた。これで二人目だな。


っと、今度は悪魔が剣持って突っ込んできたなぁ。じゃこいつも軽く…。



【ズババババババ!!】

「っておよよ?」



悪魔の背後から、俺に向かって銀色の雷が迸ってきた。あれか、ヴァンパイアか。


雷は容赦なく、俺に襲い掛かってきて…


悪魔が長剣で突きを繰り出そうとしてきた。ナイスコンビネーション。




【ガキィン!!】

「!?」

「甘い甘い。」




ってそんな弱っちい雷で俺の動きが封じれると?んでもって龍鉄風がそんな突きで貫けるわけなかろうが。


「大体雷ってのはなぁ、こうだろが。



金色雷鳴ゴールドサンダー』。」

【ズドオオオオオオオオオオオン!!】


エルから迸る金色の雷が、悪魔とヴァンパイアを吹き飛ばす。



……でも逃がさない。



「よっと。」

【パシィ】


吹き飛んでる最中の悪魔とヴァンパイアの足首を掴んで、そのまま床に叩きつける。そして背中を思いっきりスタンピングし、ついでにそれぞれの顔めがけて拳を振り落としてめり込ませる。最後にヴァンパイアを引っ掴み、横たわる悪魔目掛けてジャーマンスープレックスで落として二人仲良く悶絶させた後にフライングニードロップをかまして夢の中へとレッツらゴー。


『や、やり過ぎではないか…?』

「気ニシナーイ。」


怒られるのは作者だ。ってかこいつらいっつもこんくらいやられてんじゃね?いや確証はねぇぞ?


さて、これで残るは…。


「お前か死神。」

「……。」


う〜ん、喋らないねぇこいつ。



【ダッ!】



おっと突っ込んできたか。振りかぶってきた血まみれの鎌をエルで迎いうつ。


【ガィィン!】


ほほぉ、こりゃなかなかの腕力…力に負けた鎌が粉々になっちまった。こりゃ連中の中で一番の実力者だな。


【ビュン!】

「ほい。」

【バシィ!!】


今度は繰り出されてきた右拳を軽く受け流す…ってこの拳、氣が込められてんな。気功術の使い手と見た。


それから次々と繰り出される突きやら蹴りやら…何かどことなく俺と似たようなもんが多いなぁ。


「よっと。」

【ガァン!!】


一瞬の隙をついて、ジャンプして相手の後頭部を宙返りしながら蹴り飛ばした。


膝を折って着地し、振り返る…ありゃぺ、平然と立ってこっち振り返ってる。ダメージ全然ないねこりゃ。今の食らったら常人なら弾け飛ぶくらいじゃすまないってのに。


…つか今の感触は人の頭蹴った感じじゃねぇな…龍鉄風みたいなもんか。


そしてまた怒涛の連撃を交わしつつ、ちょと考える。


こいつの技、やっぱ俺と似てんな。パクリ…じゃねぇな、似てるけどれっきとしたオリジナルか。



まさかここまで似るとはな…………は!まさかこいつ、生き別れの双子の兄弟!?



『いや違うだろ。』

「わかっとるわ思考読むなバカ剣が。」


大体俺に生き別れの双子の兄弟なんざいねぇっつーの。


う〜ん、確かに技似てるけど…大したことないなこいつ。


まぁ実力がこんくらいならまだいいけどよぉ…もしかしてまだ本気出してないとか?まずは様子見的な感じで。うん、おそらくそうだろうな。どことなく余裕そうだし。


いやにしても…本来、俺も暇がありゃこいつと戦ってみてもいいんだが…今暇じゃないしな。んでもって、飽きてきた。


それにいつこいつが本気を出して俺に突っ込んでくるかもわからんし。そうなったらまた時間余計に食うだろうしな。


「………しゃーねぇな。」


悪いけど、こいつらにはお引取り願うか。


それに、こいつと俺とでは決定的な違いがある。


「…よっと。」

【パシィ!】


繰り出されてきた拳を受け、相手の腕を引っ掴む。


「そぉーれっと!」

【ブォン!】


そのまま一気に一本背負いの要領で投げつける!


…ま、別に叩きつけるわけじゃないし、こいつ相手にはノーダメージだわな。現に今空中回転しつつ華麗に着地しようとしてるし。



ところがどっこい、狙いはダメージとかじゃないんだなこれが。



そして、こいつと俺との決定的な違いっつーのは…







「はいワープホール展開っと。」

【ヒュン!!】



作者権限を俺が使える、ということ。コメディー限定で。



着地地点にいきなり開いた虹色に輝く穴に、死神はなすすべもなくそのまま落ちていった。


「また暇がある時にな〜。」


手をヒラヒラと振る俺。怨むなよ?


で、最後にそこら辺を転がっている首長女と雪女の襟を掴んで穴に投げ入れ、悪魔とヴァンパイアに関しては蹴り落としてやった。外道?そんなん百も承知。


そしてワープホールを閉じ、その場に静寂が訪れた。


「さ、時間食っちまった。」

『…結局、あいつらは何者だったのだ?』

「さぁな。」


死神は第二の俺、みたいなもんだと考えりゃいいか…変な感じだがな。後は知らん。


まぁとによりかくより、一階へと行くために先程通った階段から一気にジャンプ、ショートカットしてすぐ一階へ。



今一瞬、さっき走ってた時に蹴り飛ばしたような気がした魔王みたいな女を担いだ金髪で右耳だけドクロのピアスつけた中途半端に派手な野郎が横切った気がしたけど気ニシナーイ。




「にしてもよ、皆大丈夫かね?」

『先程の奴らが、私達だけ襲ってきた奴らだけとはまずありえんだろう。アルス達のところにも出た可能性が高い。』

「悲鳴聞こえなかったし、皆外に出たんじゃね?」

【ゲシ!】

『……いや、何というか、私の勘だと閉じ込められたような気がするのだが…。』

「閉じ込められた?」


テクテク歩きながら会話する俺たち。足元にいた上半身だけの変な奴は踏んでおいた。体灰色だったからビタミン剤置いといてやった。しっかり生きろよ(いや死んでるって by作者)。


「…そういや気配さえしねぇな。」

『ああ。』


あの時計の音が鳴ってからどうも辺りの様子がおかしいんだよなぁ…何ツーか変な空気っていうのか何というか…。


『…どうも嫌な予感がする。急いだ方がいいのでは?』

「う〜ん…。」


アルスらも素人じゃねぇから大丈夫だと思うけど…あ、あいつお化けダメだったっけ。一気に不安急上昇。


「…そだな。」


ま、とりあえず目的はアルス達と合流だな…



っと。



「…?」

『?リュウジ?』


ふと一つの部屋の前で立ち止まる俺。


部屋の扉の上には、“職員室”と書かれた古めかしい札。


『…どうしたのだ?』

「………ん〜〜………。」


………………………。


「…多分、あいつらここにいる。」

『え?何故わかるのだ?』

「勘。」


中から音はしないし、声もしない。


けど何か俺の頭ん中で警報鳴り響いてんだよね〜。ポーピーポーピーみたいな?


「ま、入ってみりゃわかっだろ。」

『…あ、ああ。』


スライド式のドアに手をかけて左へとずら

【ガタガタ】


………。


ドアに手をかけて左へとずら

【ガタガタガタガタ】


……………。


手をかけて左へとずら

【ガタガタガタガタガタガタガタ】


…………………………。


左へとずら

【ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ】


………………………………………………。


ひだ

【ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ】


…………………………………………………………………。





『………もしかして、開かないとか?』

「………。」




カチーン。




「……



『龍閃弾』!!!」

『結局それかい!!』


氣を込めた正拳突きをクソドア目掛けて放ったった。




―――――――――――――――――――――


――――――――――――――――――


―――――――――――――――


――――――――――――


――――――――


―――――




「っつーのがお前らに会うまでの過程ってわけよ。」

「「「「…………。」」」」


茶の間でくつろぎながら、昨日俺にあったことをアルスらに話した。あ、花鈴も我が家に泊まったようなもんだから一緒に話を聞いていた。


「はいここまでで質問ある人ー?」

『ここは学校か。』


エル、ツッコミナイス。


「…あの、リュウジさん?」

「はいアルス。」


おずおずと手を挙げたアルス。もっとシャキっと挙げんかい。


「…ホントに食べちゃったんですか?…お化け。」

「おうよ。」

『私も見た…。』

「…アンタ、化け物街道どこまで突っ走んのよ。」


空の彼方まで。何つって。


「ま、いいじゃん。無事に会えたってことだし。」

「そ、そうだけど…。」

「……。」


んだよ歯切れ悪いなぁクルルにフィフィ。何か不満か?


「あ、そうそうお前らに見せたいもんがあるんだわ。」

「「?」」


アルスとクルルの反応が見たくて持ってきたんだけどな。


「え〜っと………お、あったあった。」


懐をゴソゴソと漁って出てきたのは〜…。


「ほれ。」

【ピラ】


お目当てのもんをアルスとクルルの前に出す。


「「……………




キュウ〜〜〜〜〜〜〜〜……。」」


パタリ。


「!?あ、アルス!?」

「クルルぅぅぅぅ!!!!」


見事に目ぇ回して気絶した勇者と魔王。


そう、俺が二人に見せた物とは…







俺に襲い掛かってきた、あの死神達の写真(コッソリ撮っといた)だった。ポイントは何気にピースしてるヴァンパイアと悪魔。


…消えた内容、トイレでした(笑


いてててて!誰!?今タンス投げたの!?角当ったよ!?


コホン…

え〜、聖なる写真さん、出ました。何か色々ごめんなさい。


聖なる写真先生の『神様と私』、どうぞよろしく!!


…宣伝して詫びます。


では、次回は日常編へと戻ります!ホラー長かった…。

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