第十の話 買い物へレッツラゴー♪
今日から誰からの視点とか書いてこうかな。
〜アルス視点〜
「おいクルル!そっちだ!もっと右!」
「にゅおおおお!」
【ピポラポパ〜♪】
「いよっしゃようやったクルル!!」
「イエーイ!熊さんゲット!!」
えぇっと・・・今、リュウジさんと魔王が一緒に、ユーフォーキャッチャー?という物で一緒に遊んでいます。場所はリュウジさんの行きつけのショウテンガイ(商店街)という所だそうです。ボクは少し遠くから傍観してます。ベンチに座って。何でもあのでっかい箱の中にあるたくさんあるぬいぐるみを、上に付いてる変な物体でうまく取るという変わった物です。
それでボクらが何で外にいるのか・・・その理由を今から少し説明していきます。
〜三十分ちょっと前〜
「買い物行くぞ買い物!」
「「へ?」」
朝、朝食を食べてる途中でいきなりテンション高いリュウジさんが言い出した。いきなり突拍子ないこと言い出したんでビックリした。因みにこの世界特有のオハシ?という二本の枝のような食器はまだ扱いは難しいのでフォークとスプーンで食べてます。
「お買い物!?行く行く!」
魔王はビックリするどころか行くき満々ですねハイ。
「でも何でいきなり?」
フィフィがおコメを一粒食べながら言った。このおコメっていう穀物はボクらの世界にない物で、とてもおいしい。この程よい甘さが何とも・・・あ、話がずれた。
「ああ、お前らの服装目立つからさ、これから生活してく上で必要なもんと服買いにいこうと思って。丁度今日も祝日で学校休みだし、タイミング的にいいっしょ?」
あ、確かにボクらの服装とリュウジさん達の服装は違うもんね。
「でもこのまんま出ても目立つよ?」
「大丈夫だ。俺のお古を着れ。多分サイズ合うと思うし。」
「お古・・・ですか。」
「でも外に出るの楽しみだよね!」
「そうだよね〜!」
そういえば・・・この世界がどんなのか、まだボクら知らなかったな。フィフィと魔王はノリノリだけど・・・もうちょっと不安がってもいいんじゃないかな?
「まぁそういう意味もかねて、な?ほれさっさと食って着替えるぞ。」
「「「はぁい。」」」
〜で、現在〜
まぁ、そんなわけなんです。初めて外に出た時はビックリしたよ。整った道に、頭上に張り巡らされた黒い縄(電線っていうらしい)、そして見たこともない鉄の箱が馬もないのに走りだしたり、でっかい塔のような建物が立ち並んでいたり・・・改めてここがボクらの世界と全然違うんだなって思った。
ボクは普通に驚いたけど・・・魔王とフィフィが走る鉄の箱にビックリして魔法使おうとした時はホントに焦ったよ。リュウジさんが飛び蹴り食らわせなかったら大惨事だったね。でも飛び蹴り以外に止める方法なかったのかな?
「アルス?」
フィフィがボクの髪から出てきた。
「何?」
「遊ばないの?あのユーフォーキャッチャーとかいう奴で。」
「ん、ボクはこうやって傍観させてもらうよ。」
「ふ〜ん、おもしろそうなのになぁ。」
「じゃフィフィは行かないの?」
「ふん、子供じゃないんだからぬいぐるみなんていらないわよ。」
・・・。
「じゃ昨日散々泣いてリュウジさんに背中擦られて寝ちゃったのは誰?」
「うっ!あ、あれは・・・そう!眠たかったからよ!大体、私があんなことぐらいで泣くわけないでしょ!!」
「・・・誰のせいで帰れなくなっちゃったんだっけ?」
昨日のことをまだ根に持ってるボクはとことんフィフィをいじめた。
「・・・。」
「ああぁぁ!ご、ごめん言い過ぎた!」
フィフィの泣き顔って何故か物凄く罪悪感を感じてしまう・・・今度からほどほどにしよう。
「お〜い、お前ら何してんだ〜?」
「あ、リュウジさん。」
ナイスタイミング!な感じで戻ってきたリュウジさんと魔王。それぞれ手にはかわいらしい熊のぬいぐるみや猫のぬいぐるみや犬のぬいぐるみネズミのぬいぐるみ鳥のぬいぐるみ虫のぬいぐるみ・・・。
「って多すぎでしょ!?ってか虫のぬいぐるみって!?」
「いやはや取りすぎた。」
「全部可愛い〜♪」
おいおい・・・。
「・・・それより服はいつ買ってくれるんですか?」
「あ、忘れてた。」
再びおいおい・・・。
「つーわけで、服屋に来たぞ。」
「何がつーわけ何ですか?」
「いろいろでしょ?」
「そーゆーこと。」
「何がいろいろ!?」
「気ニシナ〜イ。」
「またそれかい!!」
はぁ・・・疲れます。この急な展開と二人の話に。
「頑張ってね〜アルス。」
「いやボク一人は疲れるってば一人で休むな。」
何リュウジさんの肩に乗っかって傍観してんの。いやそれはまぁどーでもいいや。
それより目の前にあるお店・・・上には何かこの世界の語句で“エイゴ”っていうらしく、名前は『HappyHappy』と書かれたでっかくて黒い看板がかかっている。リュウジさん曰く、この大きさが普通なんだと言うけどボクらの世界のお店ではこんな大きな看板は使わない。やっぱり世界は違うんだな〜。
「ここ、結構いい服取り揃えてるぜ?俺の服もここで買ったのがほとんどだ。」
「へ〜。」
因みに今のボクの服装は、少し大きめの青いTシャツに裾が微妙に長い灰色の長ズボン。魔王のは魔王らしくという本人の希望によって全身黒のTシャツと長ズボン。でもボク同様、少し大きすぎる。
「行くぞ。」
「あ、はい。」
リュウジさんに促されるまま、ボクらは服屋に入っていった。
【チリンチリン♪】
「いらっしゃ〜い、ってあっら〜リュウリュウじゃな〜い!」
「「「!!!!???」」」
出てきた店員さんらしき人にビックリした。
いや、ビックリしたとかいうレベルじゃないよこれ・・・。
だって出てきたのは・・・
派手な女物の服を着たプラチナブロンドのロングヘアーの・・・オッサン。
(((で、出たああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!????)))
「よ、ママさん。」
リュウジさあああん!何で普通に挨拶してんの!?ってか今ママさんって言った!?この人の名前!?それともリュウジさんのママ!?そうなの!?違うよね!?明らか男だよね!?しかもでかいよこの人!?筋肉モリモリだよ!?近くで見ると恐いよ!?それよりどんな関係なんですかあああああ!!!???
「あわわわわ・・・。」
「で、でかい・・・。」
あああぁぁ、やっぱり二人も驚き超えてショック受けてる〜・・・。
「あら〜何なにこの子達〜!?チョーくぁわいいぃ〜(かわいい)♪どんだけ〜♪」
「「「ひっ!」」」
こ、恐っ!しかも『どんだけ〜』って何!?
「おいおいおい、あんまビビらせんなよ。アンタみたいな人見んの初めてらしいから。」
「あら〜そ〜お?ごめんなさいね〜?」
「「「は、はぁ・・・。」」」
返事も曖昧になるよそりゃ・・・。
「リュウジさん・・・この店ホント大丈夫なの?」
魔王ができるだけ小声で話す。機嫌を損ねられたら何されるかわかんないからかも・・・わかるよの気持ち。
「大丈夫だっつの。見た感じはアレだが、中身は超いい人だ。心配すんなや。」
そう言うけど・・・確かにお店の見た目は落ち着いてていいよ?木造で特に変な物も置いてないし、何か心地いいメロディーがどこからか流れてきてるし、周りの服とかも別に派手なものもないし・・・でも店員さんが・・・恐いってことぐらいで・・・。
「あら〜やっぱこのカッコじゃ引いちゃうわよね〜?」
う、ボクの考えてたことが当てられた・・・。
「だ〜いじょうぶよ〜そう簡単に取って食いやしないって〜♪ここは見ての通り普通のお洋服屋さんだから安心してちょ♪」
『ちょ』って何ですか『ちょ』って。
「それとよ、この店は結構ここらへんじゃ有名なんだぞ?店の雰囲気と店員とのギャップが激しくておもしろいとか、ママさんの大っぴらで明るい性格とか、まぁ最初に来た人は大抵ビビるだろうが、その人らも常連になってる奴らが多いんだぜ?言う俺も常連だけんな。」
「へ、へぇ〜・・・。」
有名なんだ、この店・・・でも服屋なのに服に関する評価が無いってどうなんだろ?
「で、こいつらの服を探してんだがいいのあるか?」
やっと話が進んだ。
「あら〜そんならいいのあるわよ〜♪」
この人の口癖はおそらく『あら〜』なんだろうな、絶対。
「え〜っとぉ・・・これなんてどお?」
見せてくれたのは、横に紫色の縞が入った長袖シャツの上に、真っ黒な袖なしの上着(この世界で言うジャケット)だった。そしてその下には黒のミニスカート。
「あ、それ可愛い〜!」
「じゃこれにする?」
「する〜!」
これは魔王が着ることになりました。決めんの早。
「じゃそこのアナタのわ〜・・・。」
今度はボクの服を探してくれている。リュウジさんの言う通り、この人いい人だ。
「そうねぇ、これかしらん?」
ボクに見せてくれたのは・・・。
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・あの・・・。」
「?」
「ボク・・・そんなフリフリしたの毎日着なきゃいけないんですか?」
ボクのは全身黒のミニスカワンピースに、袖とスカートの中に白いフリフリが付いてる奴だった・・・明らかにおかしいでしょこれ?派手派手。
「ママさん、それって何て服だっけ?」
「ゴシックロリータ、略してゴスロリよ〜♪結構人気あるのよこれ?」
「そうか、でも恐らくそいつ着ねえぞソレ。メチャクチャ嫌そうな顔してるし。」
「や〜ね〜ジョークよジョ・オ・ク♪」
お茶目でおもしろいけど・・・一瞬ママさんの目がマジだった気がするのは気のせい?気のせいだよね?
「ホントはこっちよ〜ん♪」
今度のは水色の長袖の上着と赤いTシャツ、それとベージュ色の膝まである短パンだった。これはまともだ。
「うん、これがいいな。」
「じゃこれにするわ。」
「毎度あり〜♪」
ふう・・・一瞬焦った〜・・・。
「ねぇリュウジ、私の服は?」
あ、フィフィ忘れてた。
「ああ〜・・・おめぇサイズのはねぇよなぁ。」
「あら〜さすがにそこまで小さいのはないわねぇ。サイズ的にSSSね。トリプルエスね。」
「またはスリーエスサイズ。」
「かっこいい!」
「「何の話!?」」
ボクとフィフィは置いてかれた気分になった・・・。
結局、フィフィの服は今度カナエさんの妹であるミカちゃんとミキちゃんのお人形セットの服をもらいに行くことになった。ついでに他にも服を買ってもらった。これでまぁ着る物は問題ないよね?でも何だかいろいろ買ってもらって悪いような気がするんだよなぁ・・・そのことをリュウジさんに話したら、「俺が買ってやろうと言ったから買ったまでだ。気にするこたぁねえさ。」って言われた。それでも腑に落ちないけど、これ以上言ったら怒られそうなので言わないでおいた。さっき魔法使おうとした魔王みたいに飛び蹴りくらいたくないし・・・。
でもあの店の人、ママさんだっけ?見かけによらずとてもいい人だったな。おまけだと言ってただでTシャツ一枚もらったし、いろいろお話して仲良くなっちゃったよ。
「おっと、もうこんな時間か。」
リュウジさんが手首に付けてるブレスレットみたいな物を見ながら言った。
「よし、昼飯食いに行こう。」
「やったぁ♪」
ピョンピョン跳ねる魔王。ボクと魔王はさっき買った服をさっそく着ている。これ、着心地いいなぁ。いつも着てる革の服なんかと全然違う。
「ところで、何食べるの?」
そういえば、この世界で食べた物といえば、リュウジさんの作った料理しかない。はっきり言って不安・・・あ、でもリュウジさんの料理全部おいしかったから別に大丈夫かも。でも作る人によるけどなぁ・・・。
「ふ、決まっておる。」
・・・。
何で口調変わるの?
「行くぞ。」
「って早!?」
さっさと歩き出したリュウジさんの後を慌ててついていくボクら。
〜龍二視点〜
こっからの視点は俺こと龍二です。さて、さっき腕時計を見たところ、もう12時前なのでとりあえずメシ食いに行くことになりました。どこ行くかってか?オメェらわかってねえなぁ。決まってんだろ。
「ここ、ここ。」
当然、ラーメン屋♪
「?何ですここ?」
「入るぞ〜。」
「無視!?」
アルスのツッコミをスルーして店に入る俺ら。ここは俺の行きつけのラーメン屋で、名前は『ラーメンメン』。ネーミングに若干違和感を感じる店名だが、昔ながらのこじんまりとした広さで落ち着きがあって、味はもう最高。つーか最強。行列ができるってくらいじゃねぇが、繁盛してる。
「へいらっしゃい!って龍二じゃねえか。」
「お客に向かって何さそのいいようは。」
「ふはは、お前さんの場合常連客というよりも息子が帰ってきた感じがしてなぁ。」
「オッサンの息子かぁ。ホントにいたら毛深いんだろーなぁ。」
「グフッ!て、テメェ俺が気にしてることを・・・。」
で、俺とコントを繰り広げているこのオッサンは、この店の店主の松高 源さん。大工じゃないよ、ラーメン屋だよ?あれ、聞いてない?まぁこのネタがわからん奴は大工の源さんと検索すればわかるさ。で、源さんの第一印象。
毛深い。
この一言に尽きるね。髭も濃けりゃ腕の毛も濃い。おそらく腹もギャランドゥーなんだろなぁ。おまけに顔がいかつい強面のおっちゃんだ。しっかし、中身は優しくて誰とでも気軽に話せられる性格だから結構好きだな俺は。
「ん?そっちのお嬢ちゃん達はなんだ?」
あぁ、アルスらのことな。
「わけありで海外から来たうちのダチだ。」
「へぇ、ダチねぇ。」
海外からってのは嘘だけど、対して変わんないもんねー。
「え、海外って「自己紹介しろお前ら。」あう・・・。」
先手を取られたアルスが呻く。真実話したら後がメンドイんだよ後が。いろいろ。
「えと、アルス・フィートです。」
「クルル・バスティで〜す♪」
「私はフィレあぶっ。」
自分の頭から出てこようとしたフィフィを押さえつけるアルス。それがいいな、うん。
「ん?今もう一人声がしなかったか?」
「オッサン、頭ボケた?」
「ひ、ひどい・・・。」
あ〜あ〜、言い過ぎちったかなぁ。拗ねちまった。じゃここは一つ慰めの言葉を。
「オッサン、醤油ラーメン三つ。」
あ?これ慰めの言葉じゃないだろってか?いいんだよこれで。
「あいよ!」
ほれ見ろ。オッサンにとって注文は慰めなんだよ。伊達に常連やってねえぞ。
「え、何ですかソレ?勝手に決めましたけど・・・。」
「食えばわかる食えば。」
アルスとクルルがそろって頭に疑問符。
「ねぇ、君ら外国から来たんだよね?」
「「へ?」」
あ、話しかけてきたのはこの店の常連さんのオッチャン。
「どっから来たんだい?」
「え、えっと・・・。」
「アメリカだよな?」
「うん、アメリカ!」
アルスが何言うか迷ってる間に俺とクルルが答える。考えるより言え、アルスよ。
「へえ、日本語うまいねぇ。」
「向こうで習ったんだとよ。」
「なるほどぉ〜。」
うん、このオッチャン天然だ。
「つーか龍ちゃんが女の子連れてくるとは。」
「意外だよなぁ。」
「しかも外国美人。」
「あの鈍感少年がねぇ。」
「うぅ、お父ちゃんは嬉しいぞ。」
次々と常連さんが話に参加してくる。つーか誰だ今お父ちゃんて言った奴。
「あ、あうあう・・・。」
お〜い、アルス大丈夫か〜?
「にゃはははは!!」
お〜、クルルすっかり馴染んじまってるよ。さすが魔王。順応性高いねぇ。周り曰く俺も順応性高いらしいが。
「あいよ、醤油お待ち!!」
「お、さすが早いね。」
この店のウリは、味もさることながら注文して出るのが早いのだ。それでも麺はちょうどいいゆで具合だし、文句なしだな。
「さ、食うぞ。」
「・・・。」
「・・・。」
あれ?何で手つけないの?
「・・・オハシってどう使うんですか?」
「・・・。」
〜アルス視点〜
「どだ?うまかったろ。」
「おいしかった〜!」
「ど、同感・・・。」
「おいしかったけど大きすぎた・・・ウェップ。」
ホントにおいしかった醤油ラーメン。あんなのボクらの世界じゃ絶対に食べれない・・・あ、あとフィフィ。フラフラになるまで食べなきゃよかったのに・・・あ、ついでにボクらはオハシ使えないから子供が使うような小さいフォークをもらった。あのおじさんもいい人だったなぁ。お店の人もお客さん達も何だか親切だし、気兼ねなく話せれたし・・・もっともほとんど話してたのは魔王とリュウジさんだけだったんだけど。
「さて、今度は買い出しに行くぞ。」
「何の?」
「晩飯に決まってんじゃん。」
あ、納得。
「そんじゃさっさと行くぞ。」
ホントにさっさと歩き出すリュウジさん。ボクらはその後を歩く。
「いや〜にしてもすごいねこの世界。」
フィフィが話題を振ってきた。
「うん、すごいよね。」
同感だった。何もかも見る物は初めての物ばかりで、ずっと驚きっぱなし。そしてそれよりも・・・周りを見ても、争いはなかった。
店の前で店員さんと談笑してるお母さん、
道端で追いかけっこをして遊ぶ子供、
空では小鳥がさえずりながら飛び回ってる。
おまけにここに住む人達も優しい人ばかり。
ボクの世界、少なくともボクが生まれた村では、こんな光景なかった。そう思うと・・・少し羨ましくなった。
「おい、どした?顔が変だぞ。」
「え、変ってどんな風に?」
「元々。」
「ひ、ひど!!」
元々は無いでしょ、元々は・・・。
「はい、とうちゃ〜く。」
着いた先は、たくさんの野菜が所狭しと目の前に並べてある店だった。
「ここは八百屋だ。野菜だけしか売ってない店。」
へぇ〜・・・。
「いや、正論なんだがよ、もうちょっと言い方ってもんが・・・何か品揃え悪く聞こえるしよ・・・。」
お店のおじさん、商売する前に何か暗くなってるよ・・・。
「商人魂はどこ行った?」
「へいらっしゃい!何にするかい!?今日はお連れの女の子が可愛いからサービスするよ!」
うわ、リュウジさんの一言で復活した!どれだけ単純なのさここの人達?
「え〜っと・・・。」
目の前にある野菜のうち、真っ白な野菜・・・えっと確かダイコンだっけ?を手にもって品定めし始めたリュウジさん。傍から見たら立派な主婦だ・・・。
「う〜む・・・。」
リュウジさんは唸る程真剣だけど・・・この世界の野菜とかよくわかんないボクらは暇だなぁ・・・。
「おい。」
?
「はい?」
いきなり誰かから聞かれて思わず返事してしまったけど、考えてみればこの世界でまともな知り合いといえば、リュウジさんの友達のマサさん達だけだよね?何で返事すんだろボク?
「・・・。」
そして振り返ってみれば・・・男の人が結構な人数でボクらを囲んでいた。
え、ホント何でボク返事したのこんな人達に?
「貴様、荒木 龍二だな?」
「ん。」
リュウジさん、せめて「そうだ。」とか言ってあげようよ。
「我々は・・・。」
「前回散々やられた・・・。」
『久美様、香苗様ファンクラブ直属親衛隊である!!!』
は?し、親衛隊?しかもクミさま、カナエさまって・・・。
「ん〜・・・。」
だからちゃんと返事しましょうってリュウジさん!
「今日こそ、貴様の毒牙から久美様、香苗様を救い出してやる!」
「ここは学校外だ!ここなら貴様を思う存分成敗できる!!」
「そうだ!今日が貴様の命日だ!」
「それと前回の恨みを晴らしてくれるわ!」
な、何かいろいろ言ってるよこの人達・・・見れば魔王までビックリしてるし、フィフィもあまりの迫力にボクの髪に隠れてるし・・・。
そしてリュウジさんは平然とダイコンを吟味してるし・・・もしかして今までの返事と思われるセリフはダイコン選ぶのに唸ってただけ?じゃこの人達華麗に無視?
「貴様ぁ!無視とはいい度胸だ!」
「本当に殺してやる!!」
う、うわぁ・・・完璧にキレてるよこの人達・・・。
『荒木 龍二、覚悟ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!』
って、全員で飛び掛ってきたーーーーーー!!??
「うっさい。」
【バッコーン!】
『ぐぶああああああああ!!????』
・・・。
だ、ダイコン一本で全員吹き飛ばした・・・。
「オッチャン、これにするわ。」
「あ、あいよ・・・。」
そして新たなダイコンを手にとって会計を済ますリュウジさん・・・その背後にはダイコンによって制裁された人達・・・。
「よし、帰るぞ。」
『い、イエッサー!!』
ボクが今日感じたこと。
この世界の人達は、ボクの見た限りでは何だか個性的な人が多い。これからもああいう人達が増えていくんだろうか・・・。
あと、絶対にリュウジさんは怒らせないようにしよ・・・。
第一回
〜これが俺の中のラーメン!〜
1.醤油ラーメン
まずメニューを見てみると、左端にあるのは大抵ラーメンか、醤油ラーメン。うっすらと黒く澄んだスープの中に、様々なダシの旨みを閉じ込めた、オーソドックスなラーメン。その味はあっさりしてながら、しっかりとコクがあり、飽きを感じさせない。初めて行ったラーメン屋なら、まず最初にスープの旨みを感じられる醤油ラーメンがオススメ!
はい、書いてみました〜これが俺の中のラーメン!〜シリーズ。一度書いてみたかったんですよこーゆーの。まぁ、あくまで私視点からのラーメンですから、味はその店によって違うでしょう。でも私の中ではこれが一番理想、とゆーのを書いてみました。題名通り。