第百三の話 電話中は静かにしましょう
今回、あとがきにお知らせがあります。
〜龍二視点〜
「ふ〜い、休憩休憩♪」
いやぁ洗い物も終わったし、昼はのんびり過ごすかなぁ。
・・・誰だ“お前毎日のんびりしてんじゃん”とか言った奴。出て来いや雑巾の如く絞る。
『貴様、毎日のんびりしてるではないか。』
勝手に思考を読んだバカ剣のコアに鉄拳制裁を加えて黙らせた。んでもってとりあえずちゃぶ台の足の下敷きにしてやった。足元から何か悲痛な声が聞こえるが、もう知らん。
まぁとりあえず、と。今日の午後の休憩タイムは・・・そだな〜苺大福と緑茶でいくか。
【プルルルルルル プルルルルルル・・・】
「あ、電話だ。」
居間のちゃぶ台の前に座りかけたところで電話のコール音。メンドっちいが、しゃーねぇから電話がある台所横へと行くことにする。
【ガチャ】
「はいもっしー。」
『よ、俺だ。』
「いくら振り込めばいいんだ?」
『オレオレ詐欺じゃねぇよバカ。』
うん、知ってた。
「誰かと思えばモッチリェンダー・ビェーンじゃねぇか。」
『誰だその微妙に言い難い複雑な名前は。わかってるだろうが。』
「わぁってるって。ヘタレ雅だろ?」
『・・・それ、冗談じゃなくて本気で言ってるか?』
「おう。」
『呪われろこの野郎。』
「呪われようにも呪いの方から逃げてく気がするんだがどうすればいい?」
『わかった。お前を呪おうとした奴はバカだということが今わかった。』
「そうか。」
じゃお前バカ決定な、とはあえて言わない。言ったらツッコミラッシュが激しくなるから。
「で、何の用だ?」
『あぁ、ちょっとな。こないだ貸したさぁ・・・』
「魔王、待てええええ!!」
「へっへ〜ん!こっちこっち〜♪」
「二人とも暴れちゃダメだって!散らかってるでしょうが!」
「だってフィフィ、魔王が・・・。」
「や〜い♪」
「!!ま、待てええええええ!!」
「もう簡単に怒らないでよアルス!それ以前にクルルも挑発しない!」
「・・・。」
後ろの奴らうるせいなオイ。
「おいお前ら静かにしろ。電話中だ。」
「あ・・・はい。」
「ごめんなさい。」
「ごめん。」
一言言ってやったらすぐに静かになった。ふぅ。
「わりわり。」
『お前も結構大変だな。』
「いや何、慣れたら大したこたぁねぇよ。それより用件は?」
『ああ、こないだ貸したDVD、お前まだ持ってたっけ?』
「ん。今DVDデッキん中に入ってるぞ。」
『すまねぇ、それ明日には返してくれねぇか?姉さんがどうしても見たいってうるさくて・・・』
「・・・怒られちゃいましたね。」
「そだね〜。」
「何で私まで・・・。」
「大体、元はと言えば魔王が・・・。」
「え〜?騒がしく追い掛け回してたアルスに言われたくないよ〜。」
「な!?そ、その原因を作り出したのはあなたでしょう!?」
「でも追いかけることないじゃないの!」
「怒るよあれは!」
「何さ!寝てる隙に鼻と口塞いでどれだけ息止めれるか実験しただけなのに!」
「いやだからそれで死ぬとこだったんだってばーーーー!!」
「それだけで死ぬアルスは貧弱でしょーーーー!!」
「何ぃ!?」
「やるの!?」
「だから二人ともやめなさいってば!!」
「・・・。」
後ろの奴らうるせいなパート2。
「おい、だから電話中だってば。」
「あ、ご、ごめんなさい!」
「ごめ〜ん・・・。」
「う・・・悪かったわよ。」
やれやれ。
「再びわりわり。」
『ホント大変だなお前も。』
「気ニシナーイ。」
『あぁ・・・そうだな。』
「で?DVD、明日には返せばいいんだな?」
『ああ、すまないけど頼むよ。』
「オッケー。今日見終わったとこだし、ちょうどいい。じゃ明日届けに・・・」
「また怒られちゃった・・・。」
「あはは♪」
「笑うなぁ!魔王のせいでしょ!?」
「そんなことないYO〜。」
「下手な片言で言うのやめてください!」
「だ〜って最初に大声上げたのアルスだもん。」
「その後大声上げてましたよあなた!?」
「元凶はアルスだもん!」
「ホントの元凶は魔王でしょ!?」
「にゃにい!?」
「やるの!?」
「またアンタらはあああああ!!!」
「・・・。」
・・・後ろの奴らうるせいなパート3ぃ。
「テメェらいい加減にしろよ?」
「ひぅ!ご、ごめんなさい。」
「あぅ・・・ごめんなさい。」
「ご、ごめんなさい。」
ったく・・・。
「三度目のわりわり。」
『・・・マジで大変だな。』
「気にしたら負けだ負け。」
『そ、そうか・・・。』
「まぁ、DVDは明日返すとしてさ、今度皆でラーメン食いに行かねぇ?」
『おぉ、いいな。いつにするよ?』
「そだな〜、そんじゃ・・・。」
「三回も怒られましたよボク達・・・。」
「そりゃあんだけ大声出せばね〜。」
「・・・そーゆーフィフィだって・・・。」
「え?私?」
「そうですよ。最後とか一番大声出してたじゃないですか。」
「一番悪いのフィフィだよ〜。」
「な!?さ、騒いでたの止めただけでしょ!?」
「騒いでるの止める人が一番騒いでどうするの!」
「じゃそれ以前にアンタらも騒がない!」
「あぁ!私達に責任押し付けたな〜!」
「押し付けてないわよ!事実でしょ!」
「フィフィだって悪いのに理不尽です!」
「んですって〜!?」
「何さ!?」
「やりますかぁ!?」
「・・・。」
・・・後ろの奴らうるせぃなパ〜ト4〜・・・。
「貴様らそろそろ俺の理性が持たないんですけどどうしましょう?」
「「「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・。」」」
“ごめんなさい”は一回でいいっつーの。
「しつこいようだがわりわり。」
『・・・どうしようもなく大変だな。』
「HAHAHA、何でKillしないのか自分でも不思議さ♪」
『何であえて“Kill”?』
「気ニシナーイ。」
『・・・ま、まぁいいか。』
「で?結局いつ食いに行くよ?」
『そうだな〜・・・皆って俺ら家族とお前らんとこか?』
「一応、香苗らと久美らを誘う予定だ。あ、花鈴も。」
『そうか・・・あれ?恭田は?』
「あ?誰それ?」
『・・・お前残酷だな。』
「HAHAHA。」
『・・・まぁ、そうだな。後で姉さん達に聞いて・・・』
「ううぅ・・・恐かったです・・・。」
「うん・・・。」
「べ、別に恐くはなかったわよ。ええ、全然。」
「のわりには涙目じゃないですか・・・。」
「な、泣いてないわよ!」
「強がっちゃダメ〜♪」
「う、うっさい!そーゆークルルだって泣いてた!」
「にゃに!?」
「あ、そういえば・・・。」
「あ、アルスだって若干泣いてたよ!」
「!?な、泣いてないです!」
「嘘!泣いてた!」
「泣いてないです!」
「泣いてた!」
「泣いてない!」
「絶対泣いてた!」
「泣いてないですって!」
「ずぇったいなーいーてーたー!」
「なーいーてーなーいー!!」
「素直に認めなさいよ。」
「泣いてないですってばあああああああああああ!!!!!」
「・・・。」
プッチーン♪
〜で。〜
「じゃあ今度な雅。」
『お、おお・・・。』
【ガチャン】
受話器を置いて電話を切った。ふぅ、ちょっと長電話し過ぎちまったな・・・ま、しゃーねぇか。
「さ、てと♪」
台所に入って棚開けて取っておいた苺大福とご対め〜ん♪急須にお茶入れてお湯注いで・・・おし。
「さ、お楽しみタ〜イム♪」
フフフ、この苺大福はなかなかうまいと評判だ・・・どんな味をかもし出してくれるんだろうな〜♪
「り、リュウジひゃ〜ん・・・。」
「もうゆるひて〜・・・。」
「きゅ〜・・・。」
庭から声が聞こえるけど多分気のせいだ。アルスとクルルがフルボッコされた状態で袖から袖へと物干し竿が通っていて磔の如く吊るされてるのも多分幻覚だ。フィフィは洗濯ばさみに挟まれて逆さ吊りにされてるのも多分気のせいだ。
『・・・痛い・・・。』
ちゃぶ台の下からエルの声が聞こえるけどこれも幻聴だろう。うん。
おっと、そろそろ茶を注いでもいいだろうな。
「【ズズズ・・・】あ〜うまい・・・。」
湯のみから湯気を上げてるお茶をちょっと啜り、それから苺大福をパクリと・・・うっめぇこれ。
その日の昼は、許して〜とか助けて〜とかいう幻聴を聞きながらのんびりと過ごした。
はい、百三話目でした。
龍「久しぶりにあとがきに来たな・・・何のようだ?」
いや、用というか・・・お知らせ。
龍「?」
え〜、今まで毎日更新をしてきましたが・・・明日から難しくなるかもしれません。
龍「ほぉ?」
理由は、バイトに大学。朝から大学の授業を受けないといけないし、帰ってきたらバイトも夜遅くまでしなければいけなくなり・・・。
龍「ありま。」
で、更新は早くて真夜中。それでもネタ出し考えないといけないし、更新不定期になるかも・・・。
龍「あ〜あ〜。」
・・・ですが、できる限り更新できるよう頑張るつもりです。ただ難しくなると言っても、そんな一週間も更新しないってことにはならないと思います。
そんなわけで、この小説を読んでくださってる皆様にお詫びを・・・ごめんなさい。
龍「やれやれ。できるだけさっさと書けよ?」
・・・はい。
龍「そんじゃ、すまなんだな。」
・・・これからも頑張ります。