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第百一の話 人生の別れ道!?

〜龍二視点〜



「・・・・・・・・・。」


これは・・・。


「・・・きついぜ・・・こいつは・・・。」


これが・・・究極の選択、というものか・・・。


生まれてこのかた、全ての選択肢に俺は迷ったことがなかった。マークシートはもちろん、金銀剥がし、クイズ番組、パチンコ(コラ)、カジノ (オイ)・・・


後半は嘘だが(嘘かい!!)。


全ての選択肢を、俺は直勘で当ててきた。それらに間違いはなかった。強運というものだろうなきっと。


だが、これは・・・運だけでは済まされない。まさに人生に一度あるかないかの出来事だった。


咄嗟に、こっちにしようと考えた・・・だが、もう一人の頭の中にいる俺がこっちにしろと囁きかける。


迷うというのが、こんなに苦しいものだったとは・・・初めて知った。


「リュウジさん・・・。」

「リュウくん。」


背後では、アルスとクルルが心配そうに俺を見ている。ここは二人に聞いてみてもいいが、それはダメだ。これは俺が選ぶべき道なんだ。


人生の分岐点・・・一歩間違えれば・・・その先は闇だ。


くそ、どうすればいい・・・どうすれば・・・。





!・・・そうか・・・わかったぞ・・・。





二つの道に迷うなら、示されていないもう一つの道をたどればいい・・・つまり、第三の答えっていう奴だ。


それは間違っているかもしれない。だが、時に第三の答えは二つの選択肢を大きく上回ることもある。


マークシートでもそうだ。三択の問題のうち、一見答えの可能性が高い二つの答えより、ありえなさそうな答えが正解ということもある。


これは賭けてみる価値はある・・・この判断が吉と出るか、凶と出るか・・・それはまさに、神のみぞ知る。


そろそろ時間だな・・・行くしかない。行くしかないんだ。




これが・・・俺の選んだ道だ!!!










「姉ちゃん、『濃厚ミルクバニラアイス』プリーズ!」

「ひ、ひゃい!!」


勢いよく頼むと、店員の姉ちゃんは慌てて一番右端にあるバニラアイスをよそい始めた。




あ〜、今俺らは今話題の超うまいアイスクリーム屋に来ている。雑誌でも紹介されてるくらいのチェーン店とのこと。偶然テレビで駅前にオープンしたって聞いたから、ちょうどいいやってことで。


いや、しっかし悩んだな・・・定番チーズケーキ味にするか、限定桜味にするか・・・まさに運命の分かれ道。しかも、店に入るのに何時間待ったことか・・・聞いた話じゃ、始終こんな長蛇の列らしいからな。また並ぶなんてゴメンだ。


そんな時にこれだぜ・・・俺チーズケーキ大好きだし、しかも桜味ってここしか無いらしいしな。悩むだろ普通?


でも金額はちょうどアルス、クルル、俺の分しかないし(フィフィはアルスと共有)、二本いっぺんに買うのは不可能。よってどちらか一つだけ。かと言って二つのうち一つを買ったら、あ、あっちでもよかったかな〜と後悔する羽目となる・・・これを究極の選択と言わずになんという?


でもまぁ、初めて来た店だし、ベーシックなミルクバニラにしとくかなぁってことで♪ほら、初めて行ったラーメン屋でさ、チャーシューメンとか味噌ラーメンとかじゃなくてスタンダードにラーメン頼んでその店の味を確かめるじゃん。あれと同じだ同じ。


「み、ミルクバニラお待たせしました・・・。」

「お、センキュ♪」


コーンの上に乗っかった白くて丸いアイスを受け取った。ん〜、冷気が立ち昇っていてめっさうまそうやん♪


「おぅ、お待たせ〜。」


店を出てすぐのとこで、アルス達がそれぞれアイス持ったまま待っていた。ついでにアルスはストロベリー味、クルルはチョコレート味とのこと。


「「・・・。」」

「?どした?」


何だその言いにくそうな顔は。


「・・・リュウジさん・・・。」


あ?



「・・・品定めしてる時のリュウジさん・・・すっごい殺気放ってましたよ?」

「おかげで立ったまま気絶した人もいるらしいし・・・。」

「顔も超恐かったし・・・。」

「・・・。」



ありま。



「・・・ま、気ニシナーイってことで♪」

「「「・・・はぁ。」」」


む、何だその呆れ顔は。


まぁそれはさておき、どれ。


「【ペレペレ】・・・お、んまい。」


濃厚なのにどこかさっぱりしている、しつこ過ぎない甘さ。こいつぁクセになりそうだ。


「・・・幸せそうですね・・・。」

「ん、まぁな♪」

「・・・リュウくん、マイペース。」

「元からでしょ?」

『・・・食えん。』


あ、そういやエルいたっけ?腰に。


『・・・リュウジ、感想は?』

「超うめぇ。」

『・・・私が人間だったらなぁ・・・。』


早く人間になりた〜い、とか言えば?


「さ、帰るぞ。」

「はーい!」

「はい。」

「はいはい。」

『・・・まぁ、いい。仕方ないしな。』




ペレペレ・・・あぁうまい。


シリアス!と見せかけてしょーもね!!と思った俺でした。

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