表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/205

革命軍本拠地 襲撃準備


鳥が大空を飛ばない

目の前でまるで止まっているかのように浮かんで見える

大地が動くこの場所には寄って来ないから 私と接する事は叶わない


ーー手に置いて頭撫でてみたいなぁ……


「ジェル~~ン!! 皆集合してるわよ?!」


「は~~い!」


ここは某国某所

海を渡る大きな牛の背に構えるは革命軍〝放旅者ヴァンデラード〟の本拠地

季節毎に場所を転々とする巨大牛は追われる革命軍にとって救いだった

時季が分かるのか 移動していようとも住んでる者達の時差が変わらず

一定している事から〝季節渡り〟とも呼ばれている

刻名は〝シチュウ〟 学者の間ではウミノタウロスとも呼ばれている


稀に深眠することもあり 一度眠れば100年は起きないとされている

その生態が幸か不幸かノンレム睡眠に入ったウミノタウロスが途中で目覚める事は無く

次第に身体は海底の地と繋がり 意識の無いウミノタウロスに自然の養分を吸収させ

やがて水分を自分の肌から体内へと吸わせることが可能となった

海上で眠る様を見た目撃者らは島と勘違いして上陸したという本もあると

こうして島を背負った巨大牛が誕生したらしい


その島に数十年前から潜伏する革命軍の本拠地には今

各地に散らばる支部の軍団員全員が集結していた



「お前らどこに行っていた!?」



「ジェルンが出撃前に海を見たいって言ってたから連れてっただけだよ!」


「キニエを責めないでエニシダ!」


しつこいまでにエニシダに怒られるキニエの前に出るジェルンは彼の袖を掴む


「うちらのリーダーも先に出撃してるんだ……

今この問題部隊を率いている俺の身にもなってくれ!!」


「はいはい…… エヴァノールリーダーにも直接任されていないサブリーダーさん!」


睨み合う二人を心配そうに見るジェルン

そんな三人と同じ部隊のジャミラとマルガも合流する


「んでサブリーダー 俺達はいつ暴れられんだよ?」


「ふぁー…… 眠っ……」



「これからエチャードさんが最終確認を行う 全員中央広場に集まってんだ早く行くぞ!!」



綺麗に整列する中央広場の軍団員総勢約二万の隊列の端から

まるで不純物のようにダラダラと混ざる特攻部隊

一人前に立つ革命軍本部参謀長エチャード・オブリガードも嫌悪な表情で見ていた


「本部長率いる各部隊隊長六名は斥候隊として既に現地に潜伏した

我等は機を待ち 合図と共に首脳会談が行われるロウラル諸島に一斉転送する」


その場の全員が雄叫びを上げ 奮起と共に士気が上がる

その中でジャミラが疑問に思っている事を呟いた


「何で隊長自らなんだろうな?」


「馬鹿かお前は?」


近くにいるエニシダの冷静な言葉で頭に来たジャミラはエニシダの顔に自分の顔を押し付ける


「あぁ? なんだと?!」


「これから俺達が何をするのかまるで解っていないみたいだなぁ……」


エニシダがジャミラの胸ぐらを掴んだ


「これから対峙する敵は七大国だ! その懐に偵察としての数名の精鋭

特殊精鋭部隊もいない今 隊長達自ら出ないともしもの時に最悪の事態がすぐ生まれて

対処出来ずに撤退するだけになっちまうんだ 分かったか?!」


「わかぁったよ…… 取り敢えず俺達は目の前の敵を潰せってことだろぉ?」


「……あぁ胃が痛むよホント!! そしてモルブエはどこいった?!」



「数日前から姿が見えませぇん!」



ジェルンのあどけない返答にエニシダは頭を抱える そして思わず胃薬を手に取っていた


「大変だなぁサブリーダーさんよ」


「ホント面倒臭い事なんてするもんじゃないよぉ!!」


「だよなだよな!? ……ん?」


ジャミラの隣で一緒に笑ってる奴に誰もが注視する こんな奴いたっけと


「誰だお前?」


ジャミラの敵意剥き出しな質問にその男は息を吐くように応えた



「えぇ俺? ヴィクター・ロードって呼んでよ!」



人は余裕とか慣れが定着していると支配下に置かれている事実を忘れてしまう

それは安堵から生まれる今はその時じゃないという怠惰の象徴だ

その一瞬の核心的部位を突かれることで

たとえ目の前に圧倒的な力を持つモノが現れようとも 何もかもが手遅れなのだ 


ジャミラの目の前にいるのはその核心的存在から選ばれた 〝創設の支配者そうせつのしはいしゃ〟として



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ