夏祭り【２００文字小説】

　あなたが私のそばにいた最後の時間はあの夏祭りだった。

　たこ焼きを食べて、金魚すくいをして……射的なんかもやったよね。

　でも、あなたはそばにはいない。

　もう一度、あの時と同じ夏が訪れようとするが、それは決して去年の繰り返しではない。

　確かに神社を訪れれば去年と同じようにたくさんの露店が立ち並んでいて、活気にあふれている。

　だが、少女はそこに交われなかった。

　どこを見てもあの人のことを思い出してしまうのだから……

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　本日より七月ということで夏のお話でした。