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蛍籠  作者:
91/119

第90話:回想・10

 「それで、何があった」

 「私こそ、お聞きしたいです。あなたは、彼に一体何を吹き込んでいたんですか?」


 私は、父を問い詰めながら部屋の隅で、顔面蒼白のまま震え続ける通に視線をやる。すると、それを見ていた父は得心がいったようで、にやりと笑った。


 「別に巫女守としての務めを果たせと言っておいただけだ。巫女守は、巫女だけではなく村を守る役目だと、昔から教えてきたからな。奴は、その務めを真っ当しただけだ」

 「だからと言って、人を殺めさせるなどあってはならぬことです。あなたには、道徳といものがないのですか?」

 「道徳? そんなものを守ったところでこの村は守れん。では、聞くがお前こそ、あの男を説得しに行ったのでは、ないのか?」

 「…………」

 「ふん、出来なかったのだろう。偉そうに私に説教する前に己の不甲斐なさが、この結果を生んだことを自覚しろ!」


 何も言い返せなかった。確かに私は、失敗したのだから。



 村を出て、私達が向かったのは、通の通う大学だった。


 「車は、ここに。ここは、学生の駐車スペースなのであまり警備の目がないので」

 「それで、広田氏はどこに?」

 「大学の端にある民族学ゼミのゼミ室にいるそうです」


 そう言って、通が指さしたのは、他の校舎と比べるとかなり古い木造の建物だった。その周りには、木々がうっそうと生い茂っている。

 そのせいか辺りは、暗くとても静かだった。


 「さぁ、行きましょう」

 「あぁ」


 車を降りると私達は、通の先導でその建物へと向かった。

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