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蛍籠  作者:
61/119

第60話:追跡者

 深く、暗い、林の中をまるで姿を隠すように、走っては止まりそして周囲を確認しては再び走り出すを繰り返す小さな影があった。


 その影の正体とは、ぶかぶかのジャージを着た灯。

 美智が母屋の方に連れて行かれた後すぐ、監視の目が緩んだのを見計らって川辺は灯を座敷牢から逃がしてくれた。


 これを逃したらもう美智を助けるチャンスはもう無いだろうということは分かっていたから、灯は必死に走っている。

 しかし、長年閉じ込められていたせいかすぐに息は切れて体もふらつく。


 (絶対に助けるの、二人とも…………)


 顔を伝う大量の汗を拭い、息を整えると灯は、また走り出す。

 その時、自分の背後から誰かの足音が聞こえた。

 かすかにだが、地面に落ちた葉や枝を踏む音がする。


 (嘘…………、もう気付かれたの?)


 それでも諦める訳にはいかなかった。

 大切な幼馴染と最愛の人の命がかかっているのだから。


 灯は、必死に足を前へ動かす。

 だが、無常にも追跡者の足音は自分のすぐ近くにまでせまってくる。

 その時だった、山と禁足地の堺の門が目に入ったのは。


 「もう………すこ………し。……きゃあ!? ううぅ……」


 喜んだのもつかの間、追跡者は灯の腕を捕えると灯の口を塞いだ。


 (やっぱり………ダメなの? もう遅すぎるの?)


 自分を捕える腕から逃れようと抵抗しながらも、灯の心は絶望へと堕ちて行くのだった。

 

 

 

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