第50話:広田 真 3
美花が死んだ、その記事を読んでいてもたってもいられなくなった真は、光泉村へと向かった。
家族にばれないように村へ向かうバスへと乗り込んだ真は、その道中ひたすら考えていた。
父さんが研究していたのは、各地に伝わる風習。それも世間一般の人からみればかなりダークな部分。
美花と約束してから改めて父さんが残した資料を読んでいくうちに自分の父親ながら少し距離を置きたくなった。
そして資料などから推測すると父さんが研究していたのは、人柱。
昔はけっこうあったみたいで、この近くでは光泉村で行われていたらしいという仮説を立てていたみたいだ。
この仮説にはっきりいってまずいと思った。
(もし、美花がこれにたどり着いていたとしてそれを村の誰かが知ってしまったら、危険だ。もしかしたら、これが原因かもしれない)
美花のあの様子からして人柱の話は、伝わっていないのだろう。つまり、それは意図的に隠されていたということ。
そして、それを調べて発表しようとしていた父さんが行方不明になっている。村から帰ってきたばかりの時期に。
自分でも意識せぬまま、真からは重い溜息が出るばかりだ。
そして自分の調査結果にここ数日、どうしても嫌な想像をしてしまう。
『美花は殺されたのかもしれない』
いくらなんでもそんなことはないだろう、そう思いたかった。
真はバスの窓の外に見える長閑な風景に願ってしまう。
どうか名前のような村であって欲しい。彼女の育った村が暗い闇をもった場所ではないようにと。




