第41話:尾行
人影を追っていた功達一行は、その人影が他の人物と合流して二方向に別れたのを見て顔を見合わせた。
「ちっ、最悪だ」
「二手に別れましょう。そしてどこに運ばれたかを確認してから一度どこかで落ち合いましょう」
「そうするしかないか」
広田の言葉に頷いた他のメンバーは、手早く人員を分ける。
村に不慣れな広田と編集長に功と夏美がそれぞれつくことにした。
「じゃあ、とりあえず連れ込まれた場所が解ったら美智の家に集まろう」
そして、四人はそれぞれ行動を開始したのだった。
編集長と夏美は、禁足地とは別の方向に向かった人影を追うことになった。
「じゃあ、行こうか。お嬢さん」
「はい」
二人は尾行が悟られないように慎重に間合いを取りながら移動した。
しばらくすると、ある屋敷の裏口の木戸へと入って行く。
それを見た二人は顔を見合わせた。
「あの家、誰の家か解る?」
「明の家です。ということは、運び込まれたのは明でしょうか?」
「その可能性が高いな。だとしたら今すぐに危険って感じじゃないな。一度、戻ろう」
編集長と夏美は、闇にまぎれて美智の家へと急いだ。
功と広田もまた慎重に人影を追っていた。
「まずいな。どんどん禁足地に向かってる」
「禁足地ってあのもう一つの泉があるっていう?」
「詳しいな?」
「はい、先輩から。少しだけですけど」
二人は、小声で話しながらどこに向かって行くのかを見極める。
すると、禁足地の入口へと入っていくのが解った。
「ちっ! ビンゴかよ。まいったな…………」
「この先って入ったことはないんですよね?」
「ああ。だからどうなってるか分らん」
「一度引きすしかないですかね」
「ああ。でもな…………」
功は、考えあぐねていた。
(多分、連れてかれてるのって美智だよな。早く乗り込まないとまずことになるかも)
「どこに入るのかだけ見極めてくるから、広田さんはここにいてくれ」
「無茶ですよ!! 危険です、一度合流しましょう」
「だけどな、そうも言ってらんないだろう」
会話に夢中になっていた二人は後ろから追ってきた人物に気が付かないでいた。
そして急に差し込む電灯の明かりに二人は固まる。
「その坊やの言うとおりだ、冷静にならんか。功」
明かりの主は、神崎のおばばだった。
「おばば!?」




