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蛍籠  作者:
26/119

第25話:襲われた夏美

 「母さん、倉の鍵を貸してくれないかな?」


 次の日、夏美は早速行動に移した。


 「鍵? あなたそんな物どうするの?」

 「うん、高校の卒業アルバム探してるの。確かこの間の大掃除の時、倉にしまったなと思って」

 「そう。じゃあ、これ」


 母親から鍵の束を受け取り、夏美は旅館の敷地の奥にある倉へと向かった。

 倉を開けてみると埃が舞う。


 「もう、すぐたまるんだから」


 夏美は倉の電灯を点けると倉の戸を閉める。これなら誰か来ても分るだろう。

 奥にある戸棚を見ると昔からの宿帳がずらっと並んでいた。


 「十年前、十年前っと。………………これかな?」


 戸棚から一冊取り出し、表面の埃を払うと書かれた年を確認する。


 「よし、これだ」


 (確かおじさんは、私達の夏休みの少し前に来たから7月よね)


 夏美は、7月のページを開き、上から指で指しながら確かめていく。


 「………………広田。これだ!!」


 持ってきた紙に住所を書き写すとそれを卒業アルバムの間に挟む。

 そして、倉を出ようと立ち上がった時、奥のほうに木箱があるのが見えた。


 (何? あの箱…………)


 夏美は、その木箱に近づくと首を傾げた。


 「こんな物あったかな」


 好奇心に駆られた夏美は木箱を開けてみることにした。

 慎重に木箱の蓋を持ち上げ、その中にしまわれていた物を目にした瞬間驚きのあまり目を見張る。


 「………………何これ!?」


 木箱に入っていたのは、男性の衣類。普通の衣類なら別におかしいことはない。しかし、その衣類には血痕らしき黒い染みがあるのだ。


 「これ…………誰の?」


 夏美は何か手がかりがないか箱を探ってみる。と、そこには一枚の写真があった。


 「え?」


 夏美は、その写真に写っていた二人の人物に驚きを隠せなかった。

 そして動揺していた為、この時何者かが倉に入って来たことに気付かなかった。


 「…………灯ちゃんとこの人は…………。キャアッ!!」


 ゴン!


 鈍い音がその場に響く。

 その音の正体は、倉にひっそりと侵入してきた何者かが夏美の背後に周り手にしていた棒で夏美の頭を殴打した音だった。

 そして、頭から血を流し夏美は、その場に倒れると意識を失う。

 夏美を殴った犯人は、衣類と写真を木箱に戻し、その木箱を抱えて出て行った。

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