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蛍籠  作者:
24/119

第23話:決意

 席につくと重苦しい空気にその場は包まれた。

 夏美からの視線が痛くてたまらない。


 「何て説明したらいいか分からないんだけど、私の職場に功から手紙が届いて…」

 「手紙?」


 いつもより数段低い声で夏美が呟く。


 (こっ、怖い)


 「始まりは、俺宛てに着た差出人不明の手紙だよ。美花の事件がどうのって。何か裏がありそうだった。だから、もしもの時の為に美智に手紙を出しておいたら、こいつまで来たの」

 「功」


 今度は、明から鋭い声があがる。


 「なっ、何だよ。ちゃんと話しただろ?」


 功は明の迫力に飲まれながらも抵抗を心みる。 


 「美智の性格を考えなよ。そんな手紙を貰ったら絶対動くことぐらい長い付き合いなんだから分かるよね?」

 「でも美花のことだし黙ってるわけにはいかないだろうが。お前らだってそうだろ?」


 功の言葉に明は、溜め息をつくと今度は美智に矛先を向ける。


 「夏美に関しては、危険だから黙っていたのは分かる。でも僕に話さなかったのは僕が深見の人間だから?」

 「おい、明」


 明の言葉と真っ直ぐな目に嘘はつけなかった。


 「………………そうだよ。十年前は止められたもの、もし深見にばれたらまた止められる」


 美智は、明を真っ直ぐと見つめ返して答える。


 「そっか。まぁ仕方ないよね。でも、僕はそういうことなら尚更手伝いたい。それを十年前の贖罪としたい」

 「私も手伝いたい」


 それまで黙っていた夏美も真剣な面持ちで口をはさんだ。


 「あの日から私達の時間は止まってる。一度は村を出たりして環境をかえても結局は、美花を失った痛みから逃げ出せない。それは、美花の死の真相を知らないから。事故なら事故と確定されないかぎり皆動けない」


 夏美の言葉に皆、黙り込む。

 そう美花を亡くして悲しいのは私だけじゃない。皆、苦しんでる。


 「二人ともこれはもしかしたら村に関わる何かを掘り起こすことになるかもしれない。結果によってはこの村がどうなるか、私達がどうなるかも分らない。危険なことだと思う。それでも?」


 美智の言葉に明と夏美は頷いた。


 「もしこの村に何かあるのだとしたら、それを表に出してどうにかするのも深見の役目だと思う。例えそれが親と対立することになったとしてもね」


 明の決意に皆、言葉を失う。そう、結果によってはそうなってもおかしくないのだ。


 「よし! じゃあ、皆で調べよう。そして俺達の手でケリをつけようぜ!」


 功の言葉にもう一度皆、大きく頷いた。

 


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