第17話:これは偶然?
「で、何があったんだよ?」
功に聞かれ、ここに来るまでにあったことをぶちまける。
「別に、カリカリすることじゃないだろ。俺だって外出するたびに同じような感じだぞ」
「そうなの?」
功の言葉に美智はだいぶ冷静さを取り戻す。
「まぁ、村の連中からすれば十分あやしいだろうよ。俺たちが同じ時期にこの村に帰って来るなんてさ」
「でもさ、あれだけ分りやすい態度を取られると何かあるって丸分りじゃない?」
「確かにな。それもそういう態度を取るのはだいたい老人達が多いしな。その何かを暴かれるのを恐れての行動だろう。だから、美智も気を引き締めておけよ」
「分ってるわよ。それで何か分ったの?」
功が机に広げている文献の山を見ながら確認を取る。
「ああ、どうもあの裏バージョンが本当に存在する可能性が出てきてはいる。それも、その説を唱えてた助教授だけどさ。亡くなってた」
「嘘!! あたし、広田に話を聞けるように頼んでくれってお願いしちゃったわよ」
「そうなのか? でも、亡くなったっていうことになってるだけだからな。本当は違うかもしれない」
「なっているだけってどういうこと?」
「俺らが小学生の頃に学者が清流荘に長期滞在してたの覚えてるか?」
「いたっけ? ……………あっ、蛍のおじさん?」
「そう! 俺たちが夏休みの時に一緒に蛍見物したり、勉強みてもらった人。実はその人が例の助教授らしいんだよ」
「本当に!? …………これって偶然なの? それでそのおじさんは何時亡くなったの?」
「この村から帰った後、研究室で姿を消したらしい」
「それって行方不明ってだけじゃないの?」
「その現場には大量の血痕が残ってたって話なんだよ。それがすごい量らしくてまず生存は在り得ないってことらしい」
「遺体が消えたってこと? これも神隠しといえばそうなのかしら…………」
「神隠し?」
「そう灯ちゃんが神隠しに合ったって話」
「あー、そんな話も合ったな。でも俺、噂だけど灯は生きてるって聞いたぞ?」
「本当?」
「ああ、縁談が嫌で飛び出したって話。何分、外聞が悪いからそういう話になったみたいだぞ」
「そうなんだ、なら納得かな」
「どういうことだ?」
「美花の日記にね。買い物に出かけた時、灯ちゃんと川辺先生が一緒にいるのを見たって書いてあったからさ」
「何か意外だな。でも、川辺は今でもこの村にいるし、付き合ってたとはかぎらないんじゃないか」
「そうよね、でも何か偶然にしてはね。この村でも神隠し、そして村に滞在した人も神隠しってなるとね」
「まぁ、今日の飲みの時に明にでも聞いてみたらどうだ?あの二人仲良かったしさ」
「そうする。…………ちゃんと逃げずに来なさいよ」
「分ってるよ」
功に釘をさすとどこか投げやりな雰囲気が流れたので、再度にらみつけておいた。
少し、自分の中で道が混乱し始めました。
なるべく早めに次がアップできればいいのですが。




