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愚者を仰げ  作者: 柊 要
0章
9/50



投稿頻度が遅くてすみません、!これからも頑張っていきますのでどうぞ宜しくお願いします。


一戻れ


そう心の中で唱え、生き生きとした綺麗な花を頭の中に思い浮かべる。

すると、首に掛けていた時計が淡い光を放つ。

花がみるみると元の姿に戻っていく。


「…え」


思わず妹がこちらに身を乗り出す


「ね、だから言ったでしょ?」


戻った花を片手に笑う。

妹には聞こえてはいないが、思わず言ってしまった。

ルナは目を丸くすると、


「本当だったんだ…」


と感嘆の声を上げた。


「というか、お姉ちゃん!血!?」


慌てて治してくれる。全然気づかなかったが、鼻血が出ていた。

治癒できるなんて便利な能力だな。だからこそ代償が重いんだろうが。

花を元に戻すくらいだったら鼻血で済むのか…。


「ほら!治ったよ!」


考え込んでいると、妹が怒ったように背中を叩いてきた。


『…怒ってる?』


「そりゃ怒るでしょ!」


『ごめんって…』


これくらいの怪我で怒られると今からやることでは何を言われるかわからない。

まあいいや。こういうところで気にしないのが仕私のいいところだと思う。

今更だが本当に会話できないのが不便すぎる。

いちいち紙に書かないと伝わらない。今日、初めて会話の大切さに気付いたわ。

話せるように生れてきてくれてありがとう自分。


「それで?お姉ちゃんが今までこのカを掴むためにやってきたってことは

納得したけどこの力を使って私の代償を治すっていったけど…」


「怪我…しないよね?するんだったら絶対に使わせない」


うっ、と言葉に詰まる。流石勘が鋭い。家はみんなそうだ。


『しないよ!大丈夫!上手くできなかっただけ←で次はちゃんとやるから!』


軽く笑ってみせる。

疑いの視線を向けられたが、信じてくれたらしく、渋々といった感じで了承してくれ

た。


『それじゃ始めるね?』


紙を机に置くと、ルナと少し距離を取り、手をかざす。

先ほど回復してくれたため体調は良好。

ただ、今の私が言えることは、十中八九瀕死状態になるということ。

”時間を止める”ことによるリスクは巻き戻すよりも大きい。

まずまず、私が時間を止めていられるのは秒針が一周するまで。

あまり長い時間止められないのに、代償を止めるということは、ずっと能力を発動しておく必要がある。

練習しているときに何度か試したが、私が止められるのはその世界の中での話。

要は戻ったときには時間が動いているので、無効になるという事。

何度も繰り返していると、能力の特性が分かるようになってきた。

それは、大きい力を求めるならば、それ相応の代償が求められるという事。

私の代償は全身の激痛みたいな感じかな?今の段階では上手く掴めていない。

妹の力は治癒なので、それを利用して代償を止めようって話。

何とかなる。

正直妹の為なら命を投げ出せる覚悟があるのでね。




⋯たぶん。


時計が輝きを増し、魔力がルナに集中していく。


一止まれ


額に汗が滲むのがわかる。

難しい。妹の時を止めるのではなく、『代償』を止めるのだから。

上手く想像できない。

集中しなければ…

どうしたら、どうしたらー。


扉を開ける音がした。


「あれ?何してんだお前ら」


そこには兄がいた。

一瞬、そちらに意識が向いてしまった。

それが、いけなかった。

時計の光が消える。


次いで、大きな音が鳴り、恐る恐る目を向けると、そこには倒れている妹がいた。



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