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愚者を仰げ  作者: 柊 要
0章
8/51



最新が遅くてすみません!

前話と同じで、『』は紙に書いてるということです。


「音が…聞こえなくなった?」


愕然とする。音が聞こえなくなるなんて、無音の空間にいるなんて私だったら耐えられない。


「ごめんね。いきなりこんなことになって」


びっくりしたよね、申し訳なさそうに彼女は笑う。


「だから、これからは協力してもらうことが多くなると思う」


先ほど私が会話の為に使っていた紙を撫でる。


『音が聞こえなくなったのは前から?』


急いで気になったことを紙に書く。

すると彼女は首を横に振る。


「お姉ちゃんを治してから聞こえなくなったね。でも、気にしなくていいよ」


なるほど。つまり、大きな力を使ってから聞こえなくなったと。


『私も不思議な力を持ってるかもしれない』


「え!それほんと?」


ルナが食いつくように此方を見てくる。


『その力を上手く使えるようになれば、もしかしたらルナの代償を何とかできるかもし

れない』


「だからそのために、ちょっと手伝ってほしいんだけど…』


「?」







多分、私の力は時間に関するものだと思う。

あの時は時間が止まった。

ならば力に慣れたら時間を巻き戻したり、進めたり、自由に使えるのではないかと考えたわけだ。

それからは同じ作業の繰り返しだった。

時計を身に着け、もう一度あの世界に行けるように唱えたり念じたり。

たとえ、あの世界に行けた時、私がここにいて自由にできる時間は『XI』を時計がさすまで。

『XII』を指すと強制的に元の世界に戻されるようになっている。

そして、ギリギリまで粘る時間が長いほど、体の負担も大きくなる。

動かなくなる体を妹に回復して貰うの繰り返し。

そんなことをしたらルナの方にも負担がいくかもしれない、と考慮していたが、

どうやら既に代償を受けているからか、本人は滅茶苦茶元気だった。

ただ、時が止まって動いていることは妹にはわからないので、突っ立っていた姉がいきなり傷だらけになる光景が何度も繰り返されるので流石に嫌そうな顔をしている。

因みに兄と姉はルナが喋れなくなったことは知っているが、まだ私が時間に干渉する力を持っていることは知らないので、黙っておくことにしといた。

毎日の日課としていたおかげか、力の使い方の感覚は掴めるようになった。

ルナにも教えてもらったが、力を使う時には必ず、魔力の流れがある。

その流れを見極めることが出来たら、力を使うことが出来るということが分かった。これはルナが居ないと絶対に成し遂げられなかったことだろう。


最終チェックとして、自分の部屋の花瓶に入っていた枯れかけの花で試しておこう。

少し離れたところでもしもの為にルナにスタンバイしといてもらっている。

不服そうな顔をしながら此方を見ていた。


「…本当に大丈夫?やめるなら今だよ?」


まあ確かにいきなり「時間巻きもすね!」なんて言われても怖いだけだ。

実際にルナには巻き戻しているところを見てもらっていたわけじゃないし、

信用してもらうにはちょうどいいかもしれない。

私は息を深く吸うと、花に手を添えた。




面白いと思った方はブックマーク、評価お願いします。

ではまた次回。

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