Ⅱ
お久しぶりです。いつも見ていただきありがとうございます。
これからも頑張っていきますのでどうぞよろしくお願いします。
兄に呼び止められた後、妹の部屋の前で私はどうするかを悩んでいた。
これは開けるべきなのだろうか?
食後の妹は決まって部屋に戻って本を読んでいる。
ただ、本を読んでいる最中に声をかけると、滅茶苦茶機嫌が悪くなるのである。
前なんて、部屋の掃除をしたか聞いたときに
「今いいとこなんだよ!話しかけんなクソが!」とキレられた覚えがある。
要するに怖いのだ。
「機嫌の悪い妹と買い物もなぁ…」
別に一人で行ってもいいが、なぜか兄からは外に出るときは必ず誰かと一緒にいろ。
と言われているので一人で自由に外に出られない
部屋の前でうろうろしていると、突然部屋の扉が開く
「…どうかしたの?時姉さん」
と、本を持った妹が不思議そうに顔をのぞかせた。
どうやら邪魔してしまったらしい。
「あのね…?今から買い物に行きたいんだけどいいかな?」
すると妹は納得したように頷く。
「準備するからちょっと待ってて!」
どうやら本を読み始める前だったらしい。
機嫌はそれほど悪くなかった。
ほっと胸をなでおろすと、準備する為に自室に向かうのだった。
準備を終え、玄関前で突っ立っていると
「またせてごめん!」
そういって、妹が階段を下りてきた。
「別に全然待ってないから大丈夫。」
「それじゃ、行こっか」
「うん!」
と元気良い返事が返ってくる。
外に出ると、辺り一面に木がひろがっていた。
その木の間に道があるので、そこを通って街に向かう。
小規模なので、街というよりは村かもしれない。
私たちの家は森林に囲まれているので、
ここから村までは歩くと最低でも三時間はかかる。
前までは家がなぜ村や街になく、
こんな場所にあるのか不思議の思っていたが、最近はもう慣れてきた。でも三時間も歩くのは面倒くさいので、今日は走ろう。
「ルナ、走ろう」
「じゃあ競争ね?」
もしかしたら嫌がるかもしれないと思ったが、案外乗り気だったらしい。
「何賭ける?」
相変わらず賭け事好きだな。姉がうつったのだろうか?
「じゃあ今日のデザート賭けよう」←
今日のデザートは抹茶プリンがいいな。
「オッケー、じゃあよーいドン!」
そして私は全速力で駆け抜けた。
隣の妹を見る。滅茶苦茶清々しい笑顔だった。
なんだこいつ…死ぬのか?と、一瞬思ってしまったではないか。
因みにどうでもいいが自分の目の前をリスが通っていった。可愛い。
一時間もしないうちに着く。
本気出せばこんなもんよ!と、ドヤ顔を決めておく。
私から一歩遅れてきた妹は絶望していた。可哀そう。
「負けたよぉ…」
「嗚呼、あたしのデザート…」
そんな妹とは裏腹に、ご機嫌よく村に向かう。
「ほら!ぼーっとしてないで早くいくよ!」
「はぁい。」
殺意を込めてこちらを睨んできたが華麗に無視する。
さてと…何買うんだっけ?
と思いながらポケットを漁るのだった。
ありがとうございました。
それではまた次回お会いしましょう。