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お姉ちゃんは1時間くらいすると、此方に戻ってきた。
どうやって戻ってこれたのかは分からないが兎に角必死に見覚えのある道についていったらしい。
因みに私たちをつけていた気配は消えていた。
多分だが、姉についていった後、姉の方向音痴に振り回されて見失ったんだと思う。
お兄ちゃんはこれを狙っていたってわけか.…。相変わらず頭の回転が速い。
尊敬の眼差しを向けると、何故かランゼ君が私とお兄ちゃんの間に割り込んできた。
え、本当に何で?
「色?変な奴らと会わなかったか?」
「うん!あってないけど……」
「…そうか、ならいいんだ」
「あ!はい!頼まれてたもの!」
お兄ちゃんにお姉ちゃんが何かを渡す。
「…何?それ」
「ん?情報」此方を向くと、渡された紙をひらひらとさせる。
情報ってなんだよ…。めっちゃ気になる。
兄は情報(?)とやらの紙に軽く目を通すと、険しい顔をして黙り込む。
「色、お前が街に行ったとき、兵士とかいなかったか?」
「あ!いたいた!めっちゃこっち見てきてたよ!」
兵士…?そういえばルナと一緒に買い物行った時も呼び止められたような…。
そういえばリル・キロファレンゼスは王女だから、王国の兵士を此方に仕向けても可笑しくはないのか?
ん?今更だけど、何でルナを殺す必要があったんだろ?
此方に兵士を仕向けて動きを観察するのにも理由があるはず…。
考えるよりも、怒りと悲しみがまた押し寄せてくる。
あまり考えないようにしてたのに…。気持ち悪い。
「…時さん?顔色悪いですよ?」
「大丈夫…」
吐き気を抑えながら笑う。この子たちに心配させるわけにはいかない。
「時さん!目を瞑ってください!」
「…?」
シルファ君にいきなり言われびっくりする。
ただ、言われた通りに目を瞑ると、突如、体が淡い光に体が包まれた。
凄く心地がいい…。胸が暖かくなった。
「どうですか?体調…」
シルファ君が此方に笑いかける。
「良くなったよ。ありがとう。それで、今のって…」
「あれ?言ってませんでしたか?」
ランゼ君は不思議そうに顔を傾げると、シルファ君を指さして、
「シルファは精神を操れるんです」
「え?能力者!?」
「あ、操れるって言われても少しだけですよ!別にこんな能力役に立たちませんから!」
シルファ君は焦りながら「大げさに言うな馬鹿!」とランゼ君に怒っていた。
ただ、先ほど能力を発動してもらった点で、どうも引っかかることがあった。
「代償はないの?」
「え、代償って何ですか?」
「あ、ないんだ」
可笑しいな、ルナでも音が聞こえなくなるっていう代償があったのに、
この少年には何の負荷も掛からないのか…。実に興味深い。
お兄ちゃんなら物知りだしもしかしたら能力についても少し分かるかも…。
と思い兄を見ると、呆れたような視線と目があった。
「え」
「まあ、今能力を使わせたのはまず間違いだったな」
お兄ちゃんが呟く。
「どういうこと…?」
そう言われて辺りを見渡す。
「…え」
剣を構えた兵士たちに全方位囲まれていた。
「今持っている武器を捨てて投降しろ!」
リーダー格らしき人が此方に向かって叫ぶ。
兎に角、いい状況でないのは明らかだ。ナイフを取り出して、切り抜けようとした時、お兄ちゃんが「動くな」とでも言うように手を挙げた。
仕方なく従う。一体この状況で、何を考えているのだろう。
いやでも、お兄ちゃんのことだ、きっと何とかしてくれるはず…。
お兄ちゃんは警戒する兵士たちに近づくと両手を差し出し、
「抵抗はしない。俺たちを連れて行ってくれ」
衝撃の一言を放った。
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