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あずき洗い

作者: 天川裕司

初めまして、天川裕司です。

ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。

また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。

どうぞよろしくお願い致します。

少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


【アメーバブログ】

https://blog.ameba.jp/ucs/top.do


【男山教会ホームページ】

https://otokoyamakyoukai.jimdofree.com/


【YouTube】(不思議のパルプンテ)

https://www.youtube.com/@user-vh3fk4nl7i/videos


【ノート】

https://note.com/unique_panda3782


【カクヨム】

https://kakuyomu.jp/my/works


【YouTubeドラマにつきまして】

無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、

お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。

基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。

創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪

出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬

でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、

どうぞよろしくお願いします(^^♪



タイトル:あずき洗い


うちは自営業で、小豆あずきを売っている。

昔から続く老舗で、美味い小豆と言えばうちの店!

と言われるほど、うちは本当に人気店だったんだ。


でも最近はたくさん小豆の店ができてしまい、

競合する内、だんだん人気が落ちてしまった。


「くっそぉ〜、確かに他の店もウマいもんなぁ…」

おのずと認めてしまう。

小豆の味とは、研ぐことで決まるのだ。


新鮮な材料を用意して、

昔からの伝授された作り方を実践し、

下ごしらえもきちんとした上で作る小豆。

これが小豆の質そのものを決めてしまう。


でもうちは昔からの作り方をずっと続けていたが、

その味が飽きられてしまったのか…

他のおいしい小豆の味を求めて客足は遠のいた。

そんな感じに受け取れた。


「どうしたら良いんだ、どうしたら…」

そう思っていた時だった。

研ぐ事に集中していた時、

「そうだ、小豆研ぎ…もし彼が存在して居ればその彼に頼めば…!」

もうワラにもすがるような思いだったんだ。


奇跡的なそんな打開策しか思いつけず、

俺は本当に山奥へ彼を探しに行った。

「あいつ狂ったんと違うか?」

なんて周りの人に散々言われたけれど、

今の俺はもう留められない。


誰も留める気はなかったようだが、

俺は趣味として昔から妖怪が大好きで、

『ゲゲゲの鬼太郎』や『ぬらりひょんの孫』、

他にも妖怪に通じる漫画は読破してきていた。


俺の聖典とも呼べる『妖怪図鑑』によれば、

小豆研ぎは実はどこの山奥にでも居るらしく、

特に川べりで「ショッキショキ…」

と言う声がどこかから聞こえたら、

必ずその近くに小豆研ぎの親父が居る…

と教えられてきた。


そしてその時に必要なのは、

「小豆研ぎに会いたい…」と何度も何度も

心で唱え、念じること。


山へ入り、川べりへ行き、その通りに

「小豆研ぎに会いたい」…×100

と念じ、

「小豆研ぎーーー!!!」

と心の中で強く叫んだ時…

「…ショッキショキ♪」

とどこかから本当に声がしてきた。


「え?…ほ、本当に…?…川上の方だ!」

早速、走っていくと「おった!!」

あずき色のミノのようなものを着た親父が、

古ぼけた小さなタライに小豆を入れ、

それを念入りに何度もゴシゴシ研いで居たのだ。


「あ、あなた、小豆研ぎさんですか…!?」

俺は自己紹介を含めながら、これまでどれだけ

妖怪に憧れてきたかその辺りの事もちゃんと伝え、

どうやって彼のことを知ったか、それも伝えた。


「……ほう、鬼太郎にまつわる伝説で、ワシの事を知ったとな?」


「は、はい!いや、本当に居たなんて…」


それからしばらく談笑し、

彼にどうしてもお願いしたいことを伝えた。


「ふん、そう言うことか。まぁ良いじゃろ」

「えっ?お願い、聞いて下さるんですか!?」


実は数日後、小豆の品評会と言うか

毎年恒例の地域を挙げての

「小豆の味ランキング」なるものが開催されるのだ。


それにはちゃんと審査員も来てくれて、

メディアもいくつか来てくれる上、

テレビやYouTubeなどで放送される、

そんな結構大々的なイベントだ。


実際この前、このイベントでかなり順位を

下げてしまったことから、

うちの店の人気も大きく下がった…と言うのもある。


「有難うございます!有難うございます!」

俺は何度もお礼を言って、

そのとき研いでいた小豆研ぎさんの小豆を受け取った。

これをそのまま品評会に出せば、

優勝は難しいかもしれないまでも

必ず上位に組み込むことができる!

そう期待して。


(イベント後)


結果、33位だった。

50店舗が参加しての33位。前回は34位。


「…ん〜、まぁまぁだったかな。でも…あんまりだったかな…」

何か吹っきれた気がして、1人つぶやいていた時、

店の中に彼が急に現れた。


「うおっ!?あ、小豆研ぎさん??」

と驚く俺を遮るように、

「あのなぁ、ワシャ趣味でやっとるんじゃ。お前ら人間みたいに、すぐ競争なんかしたりせん」


「お前はこの店の主のようだが、本当にうまい小豆を作りたいなら、小豆の味のわかる人間に出会うことじゃ」


「え…?」


「そうすりゃ、本当の小豆がどんなものかわかる。んでな、ワシの名前は『あずき洗い』じゃ。聖典で覚えたとか言っといて間違うな。じゃな…」

そう言ってフッと消えた。


「あ…ずき洗いさん。……間違えてた…」


「小豆の味が分かる人…本当の小豆の味…」

俺は品評会をよそにして、

確かに彼の言う通り人の間の競争もよそにして、

何か忘れて居た、大きな学びを得たようだった。



動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=ELDrcLnNPKc

少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


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