30話 冒険者依頼
「お願いです。どうか私をパーティーに入れてくださいニャン。」
昨日からずっとこんな調子で頼んで来ているのは、猫族の少女。
名前はフェリスというらしい。
正直ここまで本気とは思っていなかった。
恐らく、それは僕だけではない。アキネやシオン、それにレナも同様にだ。
レナは彼女が僕らのパーティーに入るのには賛成とのこと。
しかし、問題はアキネとシオンの竜少女コンビだ。
「なあ、妾はこんなやつをパーティーに入れとうないぞ!」
「私もなのだ!こんな得体のしれないやつ…、入れるなんてまっぴらなのだ!」
今回は珍しく、シオンまでもが反対している。
よっぽどこの子がこのパーティーに入るのが嫌みたいだ。
その綺麗な紫紺の双眸でこちらを凝視しながら必死に訴えている。
でも、断る理由もなしに断るのは正直言って可哀想。
「僕は彼女を新しい仲間として迎え入れるつもりなんだが良いか?
正直、自分かってって思うかもしれないがお願いだ。」
僕はらしくもなく竜少女コンビに向かって頭を下げお願いする。
それに驚いたのか、「えっ?」だの「え、ちょ、」だの聞こえてくる。
最終的に、レナの仲介もあってフェリスを仲間として迎え入れることができた。
僕が仲間になっても良いと言った時は彼女の目に涙が溜まっていた。
よっぽどこのパーティーに入りたかったのだろう。
しかし、なんでこんなパーティーに入りたいんだ?
正直言って、彼女の強さだったらどんなパーティーでも重宝されるはず。
それだったら、報酬もいいもっと上級パーティーに入るべきだと僕は思うが…。
これも、彼女自身が決めた事。
他人の僕がどうこう言える問題ではない。
とりあえずは、数カ月間お試しで入ってもらうことになった。
そして、ようやく人仕事終えた僕達にとある情報が飛んでくる。
………
……
…
「どういうことだ!なんで僕達がそんな事しなくちゃいけないんだよ!」
僕の怒号が店の中に響き渡る。
幸い、周りに人はあまりいない。
内容が内容なのだ。
何故か、王宮から地下迷宮に潜入し調査してほしいとのこと。
なにせ、僕等のパーティーにしか頼めないとかなんとか…。
またあの王様に面倒事を押し付けられてしまった。
隣にいるレナも苦虫を噛み潰したような顔をしている。
綺麗な顔の眉間にしわを寄せ、何やら真剣に悩んでいる様子だ。
「困ったわね。こんな冒険者依頼はできれは受けたくないのだけれど。」
珍しい事もあるもんだと思った。
以前、破滅の洞窟に行った時は報酬に目がくらんで依頼を受けた。
案の定、ひどい目にあった上に報酬は全くと言っていい程貰えなかった。
しかし、今回は潜入調査しに行くだけ。
それに、普通にその地下迷宮に行き帰ってきている人も多数いる。
報酬だって前回の3倍以上の値を振られている。
こんないい内容だったら僕なら絶対に行くのだが…。
「やっぱり、この冒険者依頼、受けるのやめにしよう。
前回の洞窟といい、何か嫌な予感がするわ。ねえ、タクヤどうするの?」
正直、僕はレナの意見を尊重したいところだが行ってもいいと考えている。
しかしその生還者というのも王宮からの冒険者依頼を受けた者達。
余程の実力があるパーティなのだろう。
それに、比べて僕達のパーティはというと。
暴れん坊の竜の少女×2+何かすごい奴+猫耳少女。
でも今の自分達の実力を図るにはちょうどいいチャンスでもあると思う。
「ん〜。僕はできればこの依頼を受けたいと考えているだけど…。
一応、強制参加にするつもりはない。来たい人だけでいいんだけどどうする?」
僕がそう聞くと、随分難しげな表情をする三人組。
何故か、フェリスは超ノリノリなのだ。
今にも飛び出しそうな勢いな彼女を宥めるのは正直大変だった。
しばらくして、3人の了承を得られたので取り敢えずは決まった。
「それじゃ、いっちょやりますか〜!」
「「「お〜!」」」
そして、僕達は依頼内容の地下迷宮に向かう準備を始める。
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