13話 破滅の洞窟 ーその7ー
本日二回目の更新です!
少し長いかもです。
『対魔物結界!!』
結界が展開され下位の魔物は次々に浄化されていく。
浄化されている途中には様々な断末魔が聞こえてる。
しかし、上位の者と思われる輩は平然としている。
「クフフフフフ、多重結界を張ってなければ危うく浄化されるところでした。」
なっ?レナの結界が効いていないだと…?
しかし、そんな事を考えている暇もなく上位悪魔と思われる者は近づいてくる。
その顔には不敵な笑みが浮かんでいる。
「では、手合わせ願います。」
そう言うと、僕の視界から忽然と姿を消した。
どこにも奴の気配は感じれない。
奴の気配を感じたと思った瞬間、僕の体が後方に勢いよく飛ぶ。
そして、洞窟の壁面に吸い付かれるように張り付く。
「一体、何をした!」
僕は踏ん張りながら問う。
悪魔は何故わからないんだとも言わんばかりに吐き捨てた。
「重力魔法ですよ。その壁に重力が働くようにしたんです。
地球の10倍程度のモノですがね。人間には少し強すぎでしょうか?
しかし、まだまだ強化しがいがありそうですね。」
「貴方は重力魔法まで使えるなんて。やっぱり上位悪魔ね。
しかも、ここだけで7体位はいるなんて。ほんと出鱈目すぎ。」
やっぱり上位悪魔だったのか…。なんて悠長に言ってるバアイか!
しかも7体…。それを統べる洞窟の主って一体どれだけの者なんだよ。
こいつらに勝つには恐らくレナの魔法が必須だろう。
聖魔法であいつらを浄化するか?それとも、爆炎魔法で木っ端微塵するか。
いや、そしたら僕らまで粉々になるからそれはダメだ。
とりあえず効くかどうかわからないけど魔法を撃ってみるか。
右手を伸ばし魔法を詠唱しようとする。
しかし、詠唱できない。右腕が上がらないのだ。
さっき悪魔に掛けられた重力魔法のせいで思うように身動きができない。
その時何やら声が聞こえた。
《重力魔法の効果を消去しますか?》
(?????。一体どうなっている?誰なんだ?)
《私は、貴方の特殊能力創造者です。
重力魔法を消去しますか?》
(分かった、とりあえず頼む。けど僕にスキルなんてあったのか?)
《はい。最初からありました。しかし特殊能力はスキルの欄には出ません。》
(そういえば、冒険者登録をしたとき珍しいスキルがどうのこうの言われた気が…。)
《恐らく、このスキルのことでしょう》
なんかよく分からないが、魔法の効果がなくなった。
魔法が解除された瞬間僕は地面に倒れた。壁に重力がなくなったので当然である。
「痛ってぇえ!」
「クフフフフフ、私の重力魔法を消去するとは。
見かけによらず大したものですね。それではこれはどうでしょう??」
悪魔はそう言うとすごい勢いで僕に近づく。
そして目の前に悪魔の足が飛んでくる。
またしても僕は壁に叩きつけられるのだった。
「痛ってぇえ!」
「避けるのは苦手でしたか。どうやら貴方には魔法が効かないみたいです。
この蹴りには、魔法で威力を上昇させたのですがダメでした。
これはちょっと厄介ですね。」
(いやいや、今のも十分強力だったんだけど…。
てか、思いっきり痛かったし。なんか勘違いされてる?)
《いえ、今の魔法を消去しなければ貴方はミートパイになっていたでしょう。》
いや、コっわ。ミートパイってヤバ過ぎるだろ。
てか自動で消去してくれてるなんて、結構有能だなこのスキル。
一方その頃レナは上位悪魔4体相手にしていた。
魔法の出力を抑えながら聖魔法で対応していた。
てか、レナは一体いくつの魔法を使えるんだよ。いくらなんでも多すぎるダロ。
『聖なる炎!!』
またしても新しい魔法だ。見た目は僕の『火の爆弾』と大差ないが…。
悪魔に対しては結構効いているようだ。
その時、奥にいた奴が動き出した。
「こんにちは。私の名はセラフィス。この洞窟の主をやっております。
どうかお見知りおきを。まあ、生きて帰すつもりはないのですけどね。」
やはりこいつだけは強さの次元が違う。
おそらくランクA+並みの者だろう。凄いオーラだ。
油断すると意識が持っていかれそうになる。
しかし、まだ仕掛けに来ない。何か考えでもあるのか?
それにしても相手の戦力が大きすぎる。
相手は上位悪魔7体プラスなんかヤバそうなの1体。
対してこっちは有能魔法使いと僕だけ。
戦力差は絶望的だがこっちには策がある。レナの魔法だ。
アミーゼ内でも優秀な魔法使いの5本指位には入るレベルの彼女。
恐らく扱える魔法の種類で言ったら一番かもしれない。
しかし今は善戦してるといっていいと思う。
上位悪魔7体相手に一応耐えれているからだ。
恐らくランクAクラスの悪魔だっている筈。
そんな化け物相手に、負けてはいないのだ。
《私の主、どうされますか?状況はかなり厳しいかと。》
(そんなの分かってる、だけど諦めるわけにはいかないんだ。
町の人に生きて帰るって約束したんだ。だから負けられない。)
《それでしたら、新たな魔法を作成することをおすすめいたします。
このスキル、創造者は魔法を作成する能力があります。
そして、貴方の中にもう一つの人格を作成されます。それが私です。
対悪魔用の魔法を作成することができます。実行しますか?》
そんな事できるんだ…、このスキル…。
本来魔法を新しく作るなんて何十年とかけてやるものなのに。
魔法を作成したことのある人からしたら涙目であろう。
そして、そんなすごい能力を使わないわけにはいかない。
(作成頼む。どの位あれば作れる?)
《恐らく、10分程度で作成可能かと思います。では実行します。》
これでとりあえずは大丈夫だ。
僕とレナが10分間この悪魔たちの攻撃に耐えられたらの話だが。
幸いにもレナの結界のおかげで上位悪魔と主以外は近づいてこれない。
しかし出鱈目すぎるのにも程があるだろ。
さっきからレナが色々な魔法を放って命中させているのに効いてそうにもない。
てかなんか喜んでる風にも見える。もしかして、本当にヤバい奴?
僕も何度か魔法を放ってみたが避けられるか、当たっても平然とされている。
しまいには、当たっても全然問題ないと思われ自分からあたりに行かれる始末。
もうホント、どうしたら良いのやら。
ふとレナの方を向くとそこには驚くべき光景が広がっていた。
レナが上位悪魔を1体倒したのだ。
横たわっている悪魔は今にも消えそうなくらい薄くなっている。
そして、段々体が薄くなり光の粒となって消えていった。
残る敵は6体。敵は少し動揺しているようだ。
まさか人間ごときに仲間がやられるなんて思いもしなかっただろう。
このままの勢いで行けると思っていたがそれは甘かった。
「クフフフフフ、中々やりますね。そろそろ本気で行きましょう。」
悪魔がそう言った瞬間僕の視界が暗くなった。
意識が段々と薄れていく。
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一体どの位時間が経ったんだ?
それに、なんで僕は意識を…?
しかし、僕は目の前の光景に戦慄する。
レナが、倒れているのだ。そして、彼女に悪魔が近づいてゆく。
まずい、レナが…。
とっさに動こうとするが悪魔に押さえつけられる。
「クフフフフフ、肉体を奪う邪魔はさせませんよ。
あのような肉体は珍しいですからね。大丈夫です。
この後、貴方の肉体も取り込んであげますので。」
肉体を取り込む?どういうことだ?
そんな事されたら……。
《間違いなく、レナの意識は消滅するでしょう。
我が主、魔法の準備が完了いたしました。
魔法の詠唱文の情報をお送りします。》
そう言われた瞬間ある文が頭に浮かぶ。
どんな効果でも良い。彼女を、レナを助けれるのなら。
『神聖閃光』
何本もの光が悪魔達を瞬く間に貫いてゆく。
そして目がくらむほどの光が放射される。
光が収まったので目を開けると、そこにはレナだけがいた。
よかった、無事で。
「おい、お前今何をした?一瞬で上位悪魔を消し去っただと?
信じられん、こんな小僧にそんな芸当ができるなんて。
冗談は顔だけにしろ。でもまあ、俺様の相手に相応しい。
これで思う存分暴れれるわ!」
セラフィスが僕の前に瞬間移動し、激しい蹴りを入れる。
ここまでか…、と思っていたが何故か無事だ。
それどころか、セラフィスが何か叫んでいる?
「俺様の一撃が通用しない…、だと…?
それどころか右足を持っていかれるとはな。」
右足を持っていかれる?一体どういう…。
セラフィスの方に目をやると驚くべき姿で喋っていた。
なんと、右足が太もものつけ根から消滅しているのだ。
てかなんで僕に攻撃が届かなかったんだ?もしかして…。
《多重結界を体の表面に構築しているので多少の攻撃なんぞ効きません。》
何故か得意げになっている。
てかつくづく思う。このスキル強すぎ。
とまあいい感じに相手が切れているところでレナが目を覚ます。
そして彼女に状況を説明する。
説明が終わった瞬間レナがなんか真剣に喋りだす。
「タクヤ、本当にありがとう。悪魔に肉体を奪われてたら大変な事になってたわ。
私の意識がなくなるから、多分悪魔に操られて攻撃してた。タクヤに。」
レナが敵にいるなんて考えたくもない。
「それより、あいつどうする?なんか悪魔達よりヤバそうな雰囲気なんだけど…。」
「あいつは多分悪魔じゃないから聖属性じゃなくても攻撃は通るはずだと思うよ。」
僕達2人で会話していたrセラフィスが会話を遮り叫ぶ。
「どうして俺様を無視するんだよ!悲しくなるだろ!
今まで悪魔とか魔物としかろくに喋ったことなのに。
たまに人間がここに来たと思ったら、すぐに死んじゃうし。
久しぶりの人間なんだからもっと一緒に喋ろうよ。」
「え?喋るって…。戦うんじゃないの?」
「いつ俺様が戦うなんぞ言った!楽しませろよとしか言ってないだろ!」
何なんだこの主は…。さっきまで死ぬ気で戦ってたのに急に喋ろうだなんて。
もしかしてこの人いい人なのでは…?
その時セラフィスは何かを始めた。
何か呪文を唱え終わったかと思ったが、なんと悪魔を召喚していたのだ。
「ああ、さっきそこの坊主にやられそうになった時戻したんだよ。
それで、また召喚し直したってわけ。安心しろ、戦う気はもうない。」
「その言葉信じてもいいの?」
レナが恐る恐る聞くがその緊張も一瞬で吹き飛ぶ。
「戦うわけ無いだろ!それに、強敵と書いて友と読むだろ?
今日からお前らは俺の強敵だ!」
「あっ、うん。」
なんか流れで友達になってしまったがまあいい。
それよりも竜に頼まれていたことを聞かなくちゃ。
「なあセラフィス。竜の娘を知らないか?
あんたたちに攫われたみたいな事を言っていたのだが…。
もし何か知っていれば教えてほしい。」
「ああ、アキネのことか。あの娘なら大丈夫だぞ。」
そう言うと、奥から強大な魔力を持っている者が近づいてきた。
その姿は想像していた100倍も可愛い生き物だった。
「私の名は、アキネなのだ!よろしくなタクヤ!」
最初に考えていた内容よりもだいぶ変わりましたが、この展開が一番書きやすかったです。
次回もよろしくおねがいします!!




