12話 破滅の洞窟 ーその6ー
PVもだいぶ増えて来ました。ありがとうございます。
更新遅れてすいません。
僕達2人は洞窟内を進んでいる。
洞窟の外からでは分からなかったが、結構寒い。
竜がいた洞窟とは全くと言っていいほど洞窟の環境が反対だ。
中は意外と明るく、洞窟の壁面を青く照らしている。
奥に進むに連れ、壁面の青色が濃くなっている気がする。
そのせいなのか、一段と洞窟内が寒くなっている。
ふと、レナの方を見る。
なんだか目を輝かせいる。何か嬉しいことでもあったのか?
「なあレナ、何か良いことでもあったか?すっごく嬉しそうだけど。」
「ねえ、聞いてタクヤ。この洞窟内は結構寒いよね。
そうすると、あの忌々しき漆黒の生命体が活動的ないと思うのよ。
そう思うととっても嬉しくてね。」
ああ。そういえば大の虫嫌いだったな。
確かにゴキブリは低温だと活動しにくくなるはずだが…。
そう思いかけたとき隣から悲鳴が聞こえた。
「タクヤタクヤタクヤぁああああ!なんでなんでなんであいつがいるのぉおお!」
「知らねえよ!てかなんかデカくなってきてね?ほら、少しづつ…。」
その、ゴキブリかと思っていた生き物はみるみるうちに大きくなっていく。
最初は5cmくらいだったのが、30cm、50cmと。
そして、1mを越えようとしたあたりでレナが倒れてしまった。
おそらく、ゴキブリに対する恐怖心で。
しかし、このゴキブリがどれだけ危険なのか未だ未知数。
僕は逃げるという判断をした。その後その判断は正しかったことを知る。
「おい、レナ起きろ!早く逃げないとマズいぞ!!」
レナの手を引っ張り走りながら叫ぶ。するとレナが目を覚ます。
「ねえちょっと、痛いんですけど!引きずるのやめてもらっていいですか!」
「今はそれどころじゃないんだよ。早く逃げるぞ!」
そう言って僕はスピードを少し上げる。
この世界に来たときよりも敏捷値が大幅に上昇しているのでスピードに乗りやすい。
それに、体力値だって結構上がっている。走ってても疲れない。
「なあ、レナあいつは一体何なんだ?あんなの見たことないぞ?」
走りながら喋っているので聞き取りにくいのか大きく喋ってと言われた。
そして声を大きくしてもう一度言う。
今度は伝わったのかレナから1つ提案された。
「私もあんな魔物見たことないし、どうしたら良いかわかんない。
とりあえず、魔法ぶっ放してみる?その後様子見してどうするか決めよう。」
とりあえず僕はその提案を受け入れることにする。
何にせ今は何の対抗手段もない状況だ。しかし何の魔法が良いんだ?
レナの『爆裂爆炎』だと洞窟が崩れるかもしれない。
なら威力を抑えた上で敵を倒せる魔法…。あれしか無いな。
「レナ!僕の魔法であいつを倒すから気を引いてもらっても良い?」
「えっ?私が気を引くの?いやいや、え、でも…。」
「お願いだ!少しの間だけでいい。頼む。」
「あー、もう分かったよ。少しだけだからね!」
レナは自分の虫嫌いと葛藤しつつも引き受けてくれた。
あとは僕が魔法を放ち命中させるだけ。
そしてレナが別の方向に走り出し、魔物もそっちに行く。
レナは泣きながら走っている。よっぽど虫が怖いのだろう。
レナと虫の差が開いたところで僕は唱えた。
『火の爆弾!!』
魔法を唱えた瞬間僕の右手から火の玉が出現。
次第に火の玉が大きくなり手の平から離れる。
その間たったの1秒程度。
そして魔物へと一直線に飛んでいく。
直撃。
火の玉が当たり、見る見るうちに魔物が炎上する。
藻掻き苦しむ様子を見て少し罪悪感を覚えたが、それはすぐに無くなる。
「タぁクぅヤぁあああああ!」
僕より強いはずの彼女が僕に縋り付いてくる。
「いやいや、お前のほうが強いだろ」と思いつつもレナを慰める。
慰めると言うより只々愚痴を聞かされるだけなのだが…。
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一方その頃。
洞窟の奥深くのある広間では何やら報告がされていた。
報告しているのはローブを深く被った上位悪魔だ。
「セラフィス様。洞窟に回しておいた使いの者と連絡が途絶えました。
何やら侵入者にやられた模様です。どうなさいますか?」
そして、洞窟の主は口を動かす。
「まずは様子見だ。とりあえず監視を怠るな。久々に我が出向く時が来るかもしれん。
一体どれだけ骨のある奴が来るのやら…。」
そして、上位悪魔に命じる。
「侵入者の監視を命じる。手は出すな。では行け。」
「「御意。」」
そう言うと、すぐに転移魔法を使い、タクヤたちの方へと向かう。
「クックック。俺様を楽しませてくれよ?冒険者。」
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洞窟に入って大体30分くらいが経過した。接敵したのはあの魔物だけだ。
時々何かの視線を感じるがすぐに消えるのであんまり気にしないようにしてる。
しかし奥に行くに連れ本当に不気味だ。
洞窟の壁面の色の青が寄り濃くなっている。もう藍色に近い程。
それに加えて、洞窟内の気温も大分低くなっている。
吐く息が白くなったのは魔物と接敵してからだ。
今は多分0℃を下回っているはずだ。
所々、地面が凍っているところがある。
危うく転びそうになったときに気づいた。ここから先はもっと寒くなるのだろう。
その時だった。
背後から何やら声が聞こえる。明らかに敵意の籠もった声。
「クフフフフフ、あまりこの洞窟で暴れないでくださいよ。
我が主が少しお怒りのようです。
くれぐれも、逆鱗に触れないようお気をつけください。
貴方とはまた近いうちにお会いできると思います。それではまた。」
そしてそいつの気配は消えた。
声がするまで気配が全くしなかった。よっぽどの手練なのか?
そいつが去った後に気づく。
レナの顔には、少しの安堵と、それ以上の恐怖が浮かんでいる。
「あ、あいつは。ううん、いやまさかね。居る筈がない。」
彼女のその声は震えていて、何かに怯えているようだった。
しかし、そのレナの直感は正しかったのだ。
「レナ、あいつって何?もしかしてさっきの魔物?」
レナは少し戸惑いながらも話を始めた。
「うん。ちょっと引っかかる事があったの。でも念の為話しておくね。
タクヤも知ってる通り、魔物にも階級が存在するの。
下から、1、2、3と数字が上がるに連れ脅威度が上昇する。
多くの人は10が最大だと言っているけど実は違うの。
10の上にはA、A+、そしてSっていう階級が存在しているの。
その実力はランク10の魔物とは桁違いなほどに強い。
ランクAの魔物1体で町が壊滅する。
ランクA+の魔物で1国の軍隊に相当する。
ランクSは余裕で一国滅ぼせる力を有するわ。
そして、ランクSより上の場合の魔物はこの世に終末を齎す。
そう言われているわ。実際炎之竜はランク8。
だけど成長するに連れその脅威度はどんどん上昇するわ。
この前会った竜は脅威度Aってところね。
それで、さっきの魔物、上位悪魔。
通常の悪魔でさえ、ランク10にカテゴライズされているんだけど…。
上位悪魔はその上位種。ランクはざっと、AかA+ってところね。」
僕は正直何を言っているのか分からなかった。
ランク10のその上?そんな化け物が存在する?
正直信じられない。あの竜種を超える程のものがいるなんて…。
「タクヤ!そこから離れて!早く!!」
「えっ?」
その時僕の足元の地面が少し下がった。
そして直径3m程の魔法陣が展開される。
「タクヤ!まだ間に合う。早くそこから離れて!」
しかしもう手遅れだった。
魔法陣を中心に魔力が広がっていく。
そして小さな光の粒が僕達2人の体に纏わり付く。
「っく。転移魔法よ。罠に引っかかった!」
僕達はどこか別の場所に転移させられてしまった。
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ここは一体…?
隣にはレナが横たわっている。息はしているようだ。
そして彼女も目を覚ます。
「レナ。大丈夫?」
「うん。私は大丈夫。だけどまずい状況ね。」
ここがどこだか分からないからか?
しかし、目の前の状況を見てその言葉の本当の意味に気づく。
「クックック。連れてくる手間が省けましたね。」
「クフフフフフ、まさかこんなに早く再会できるとは。」
さっき何か警告をしてきた魔物もいる。
『対魔物結界!!』
レナが結界を張った。目の前の魔物は少し目を細めて言う。
「中々骨のありそうな者共ですね。私達を楽しませてくださいよ!!」
レナの結界が結界を張った事により戦いの火蓋が幕を上げた。
ブクマしていただきありがとうございます。
これからも頑張っていくのでよろしくおねがいします。




