09話 破滅の洞窟 ーその3ー
更新遅くなって申し訳ないです。
少し、書き方を変えてみました。
外からは色々な音が聞こえている。
動物の鳴き声、人の話し声、馬車の車輪の音。
僕はそんな音で今日は目を覚ました。
今日は遠征への出発の日。期待と不安で胸がはち切れそうだ。
何やら扉の外の廊下から足音が聞こえる。段々と大きくなっている。
おそらくレナだろう。
そして、扉が開く。
「おっはよー、タクヤ!今日待ちに待った遠征だね。頑張ろうー!」
ん?僕は半ば強制的に参加する羽目になったんだけど…。
もう、そんなことはどうでもいい。僕は行くと決めたんだ。
僕は何故かレナに見守られながら遠征の最終準備に取り掛かる。
大きめのリュックにちゃんと回復薬は入っているのか。
着替えなどは入っているのか。食料はしっかり入っているのか。
よし、準備完了っと。
なんやかんやあって割と遠征は楽しみなのが正直な気持ち。
僕は準備が完了したということを彼女に伝える。
何やら、レナの様子が変だ。
どこか慌てふためいていると言うより、なんというか。
落ち着きが無い。一体どうしたのだろう。
「レナ、なんかあったのか?大丈夫?」
「あ、あそこ。漆黒の悪しき生命体がそこに…。」
彼女が指を指した先には黒い物体がある。動いているので生き物だと思う。
僕は近づいてよく見てみる。何やら見慣れた生き物だ。
流線型のフォルム。漆黒の外観。頭部からは長い触覚が2本。
ま、まさかこの世界にもいるのか?あの、忌まわしき生命体。
人々か敬遠されているあの?そんなときGは飛び立った。
そして、開けっ放しになっていた扉から部屋の外へと出ていった。
「タクヤ〜〜!ありがとぉおおおおお!怖かったよぉおおおお!」
いやいや、僕は何もしてないって。てかそんなに怖がる必要ってあるのか?
「いやいや、いくらなんでも怖がりすぎだろ。あと、僕は何もしていない。」
「そうかも。でも、タクヤがいなかったらどうなっていたことか。
あの、見るからに気持ち悪いヤバいやつ。なんでこんなところにいるの?」
あー想像しただけで吐き気がする。などと言っている。
何かG関連でのトラウマでもあるのか?でもまあそっとしておこう。
でもなんで僕がGに驚いていなかったかって?それは僕が結構虫が好きだからだ。
幼い頃から近所の公園に行って1人で虫取りをしていた悲しい過去がある。
そんな悲しい話は置いといて、早くここを出よ。
またいつGが出現してレナが騒ぐか気が気じゃない。
「レナ〜。もうそろそろ出発するぞ。」
さっきの出来事をまだ引きずっているのか少しテンションが低い。
少し心配だがレナのことだ。きっと大丈夫だろう。多分…。
「よ〜し。じゃ、遠征へ出発するぞ〜!」
「お、おーー?」
僕達2人はハンナさんや、街の人に見送られながら洞窟へと向かうのだった。
手をふる人。頑張れよという人。武器、また買いに来いよという人。
遠征を頑張ろう。そして、生きて戻って来なくちゃダメだ。
そう再認識すると、僕は見送りに来てくれた人たちに言った。
「行ってきます。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そろそろ町の門につく。門から一歩でも出れば、そこは別世界。
そこからは魔物がたくさんいる。
この町、バラーラダモスは強力な結界のおかげで魔物が寄りつけない。
さっき知ったのだが、この町から例の洞窟まで200kmくらいの距離がある。
破滅の洞窟にたどり着くまでに最低でも一週間はかかるそう。
僕達は余裕を持って計画を立てている。
大体、洞窟まで2週間。洞窟内で1週間から2週間。帰ってくるのに2週間。
計5週間以上の大遠征…。というわけでもない。
中には1年超えのものもあるとかないとか。
僕達のPTの規模だとこれくらいが妥当らしい。
そして、僕とレナは町の外へと歩き出した。
どのくらい時間がたったのだろうか。そう思い時計っぽいものを見る。
多分、10時間くらいたったと僕の体内時計は教えてくれる。
………。
まだ3時間くらいしかたってない。そんなことある?
結構僕達歩いたよね。足結構疲れてるんだけど。まだ30分とかありえない。
ふと、レナのことが気になった。出発してからずっと何も喋ってない。
レナが一言も喋らないなんてなんか不思議だ。
「なあ、レナ。大丈夫か?さっきから何も喋ってないが。」
「……リ、……わい。……ブリ、怖い。」
何かブツブツと言っている。しかし、声が小さくて全く聞き取れない。
「何だって?声が小さくて聞こえないからもう少し大きな声で言ってくれる?」
「ゴキブリ怖い。ゴキブリ怖い。ゴキブリ怖い。ゴキブリ怖い。ゴキブリ怖い。」
まさかのずっとゴキブリに怖がっていたのだ。まさかゴキブリが出たときから…?
全く気づかなかった。てか、ホント虫嫌いすぎるだろ。
さっきからも、彼女の前を虫が通っただけでビクついている。
流石に心配なので励ましてやろう。
「レナ、ここにはゴキブリはいないよ。出ても僕が追い払ってやる。
だから、安心しろ。
…その、何だ?僕だってレナが心配だから…?
元気になってくれると僕も嬉しい。」
ヤバい。メッチャクチャ恥ずかしい。
こんな感じのセリフを言うのってこんなにも恥ずかしいものなのか?
世の声優の皆さん、本当に尊敬いたします!
なんて、そんな事言ってる場合か!
僕達は今遠征中なんだ。そして、魔物にも襲われる可能性だってある。
そんなとき、草の陰から氷の狼が出てきた。
僕はとっさに『火の爆弾』を放った。
火の玉は氷の狼めがけて飛んでいき、なんとか命中。
氷に火は相性が良かったのか、そいつはあっさり逃げていった。
レナはどうしてるのかなと思って見たら、まだゴキブリに怖がっていた。
おそらく、僕が氷の狼を追い払ったのにも気づいていない様子。
もう、こいつほっといても良くね?と、脳裏をよぎったが流石にできない。
こんな森の中、女の子を1人置いてくなんて非人道的にも程がある。
それにしても、今のは結構危なかった。
もし、あの一発を外していたら僕だけじゃなくレナも危険だった。
なんとか危機を脱したので、一気に気が抜けてしまった。
僕達は一旦休憩を取ることにした。
「はあ〜。疲れた。てかレナ、いくらなんでも怖がりすぎだろ。
そんなに虫が苦手なのか?トラウマでもあったりする?」
「虫のトラウマ…。ちっちゃい頃、ご飯の中に虫がたくさん入っていたの。私はそれに気づかず食べてしまって、そしたらその虫が口の中で動き回ったの。それからだったわ、虫が嫌いになったのは。」
うっ。想像以上の内容だ。そんなことがあれば誰でも嫌いになるな。
僕は彼女に落ち着いてもらうために水を飲ませようとしたが、それは無駄だった。
なんか結構落ち着いていたのだ。
でも、彼女は今日は疲れてる。
今日はここで野営にしよう。そうと決まれば早速テントをはる。
ここで、僕が密かに習得したテントスキルを披露する。
華麗にテントの骨組みを立て、そこに布を被せる。
たった、1分程でテントが完成する。出来は上々。過去一かもしれん。
「レナ、今日はもう疲れたしここで野営にするよ。まだまだ、明るいけど夜になったら魔物が出てくるから交代で見張りをするんだけどいいよね?もしくは、結界的なものを張れるんだったらそれで良いんだけど…。レナ、できる?」
彼女は即答であった。
「うん、できるよ?結構強いやつも。もう張っても良いの?良いんだったらすぐに張るけど。」
えっ?こいつ結界張れるのか。結構上級の魔法使いじゃないと貼れないはずなんだけど。
改めて思う。レナは一体何者なんだ?
なんかスッゲえ魔法使えるし、結界も張れるし、可愛いし。
それに、ちょっとおっちょこちょいだし。(←ここ重要!)
ほんと、レナに出会えて良かったなと心から思う。
「じゃあ、タクヤ。結界張るね!」
『対魔物結界!!』
そう唱えた瞬間何やら四角い空間ができあがった。
大きさは1辺20mほどの立方体。意外とでかい。
そして、結界が張られた後違和感を感じた。
辺り一帯の魔物の気配がなくなったのだ。
この結界は結構有能みたいだ。
この結界に入った魔物は一瞬で浄化されるそうだ。
それに、この結界の半径100mは魔物が近づけないそう。
僕らはこの有能な結界に守られながら夜ご飯を食べる。
今日のメニューは、森の中にあった謎木の実と豚肉。
この世界に豚がいるのかと思うかもしれないが、実際いる。
おそらく、前いた世界にいる生物は結構いるらしい。
そして、肉の味もだいたい同じ。味付けの仕方が少し違うけど。
僕は木の実はスープにして、豚肉は豪快に火で焼いた。
そして、いい感じの焦げ目がついたらかじりつく。
噛めば噛むほど出てくる濃厚な肉汁。
そして、豚本来の旨味が引き立てられとってもうまい。
木の実のスープは少し失敗して渋いスープになっている。
しかし、豚の油っこさをカバーできて結構いい組み合わせだ。
レナも満足そうなので良かった。
ご飯を一通り食べているとあたりはすっかり暗くなっていた。
てか、僕達、ご飯を作るのに時間を掛けすぎたのだ。
テントを張っていたことは大体、昼の12時くらい。
なのに今はもう19時位なのだ。
暗いほうが魔物はいっぱい出てくるそうだが結界内は別。
何一つモンスターの気配を感じないのですっかりリラックスしまっている。
気づいたらレナはもう寝ているくらいだ。
僕もそろそろ寝ようとテントの中に入った瞬間僕は思った。
何だこの可愛い生き物は、と。
「もう食べられないよぉ〜。」
完全に寝てしまっている。
僕も寝たいが真ん中にレナが陣取っているので寝ようにも寝れない。
仕方なく僕はレナをどかそうとする。
その瞬間レナは僕の足にしがみついた。
ど、どうしよう。足には何やら柔らかい感触。
これって、バレたらまずいのでは?いやいや、自分から抱きついたので問題はないはず。
僕は、少ししか無いレナの胸の感触を楽しみながらその場に座った。
そして、いつの間にか眠りについているのだった。
遠征一日目終了。
次回はやっと洞窟に到着です。
次回もよろしくおねがいします。




