第5話 プロメテウス火山の猛威
ジャファーとの死闘後まーくん達はプロメテウス火山からの出口を探していた。まーくん達は迷路のような洞穴を進んでいった。
「この洞穴は本当に迷いの迷路のようだなぁ。」
和田君が思わずこう口にした。
「これ出口は見つかるのかなぁ。不安でしかないよ。」
島田君も不安そうな顔をしていた。
その時、島田君がとある車を見つけた。その車は何と、先ほど乗ってきた壊れた地底走行車だった。
「これ壊れていなければ動きそうなんだけどなぁ。何かいい方法はないのかな。」
島田君は悩んでいた。
「さっきの火山性の震動で壁にぶつかった反動で動かなくなってしまったんだよね。あっ!もしかしたら衝撃を与えたらもしかしたら動くかもしれない。」
まーくんは炎の剣の剣先を地底走行車に向けて構えた。
「そんなことしたら壊れてしまって完全に動かなくなってしまったらどうするの?」
和田君が思わず止めに入る。
「ダメもとでもやってみないと…。一か八かにかける!!」
まーくんがそう言ってしかし、まーくんは炎の剣を地底走行車に向けて振りかざした。
地底走行車は剣から出た衝撃波を受けてエンジンの音が鳴りだした。
「やったぁ!!とりあえず動いたから進めるところまで進んでみよう!きっと出口が見つかるし。とりあえず2人とも車に乗って!!」
まーくんがそう言うと和田君と島田君が地底走行車に乗り込んだ。全員乗り込むと地底走行車が動き出した。
地底走行車は水晶の森やキノコの森といった美しい神秘的な景色の横を通っていった。3人は目の色を輝かせながらその風景を楽しんでいた。と思った矢先の出来事だった。突然先ほどよりも大きな火山性の震動が起きた。その反動で地底走行車は進む予定していたコースを外れてしまい、誰も踏み入れたことがない場所に辿り着いた。周りには不気味な卵がたくさんぶら下がっていた。地底走行車は、地底の奥深くまでたどり着いたのだろうか…。辺り一面が湖となっている場所を走っていた。湖では、いくつもの放電や雷の現象が起きていた。
「お願いだから雷だけは車に命中しないでくれよ…。」
島田君は不安そうな声を絞り出した。
「大丈夫だよ。今通っている道には放電現象は起きていないから雷が命中することなんてまずありえないと思うし。」
和田君は余裕の表情をしていた。と、その時…!!
「バァァァァン!!」
という大きな轟音とともに落雷が地底走行車に当たってしまった。地底走行車は制御不能となり、更に地底の奥深くまで進んでいった。
「何かもの凄く熱くなってきたなぁ…。もしかして、ここはマグマの通り道を走っているのか。」
まーくんの予感は的中だった。周りに煮えたぎるようなマグマが顔を出し始めた。
「これヤバくないか?本当に出口に辿り着けるのか…。」
島田君と和田君はお互いに顔を見合わせていた。その時、どこからともなく雄たけびが聞こえてきた。それは車が進むにつれてだんだん大きくなってきた。
「何の雄たけびなんだ?もしかして地底に住む巨大な怪獣とかだとしたら本当にヤバい。」
和田君は怯えながらこう叫んだ。和田君の予感は的中した。目の前に地底に住む巨大な怪獣の主が現れた。主は身長が5メートルくらいあって、とても怒っていた。
「もしかしたら、さっき卵の所を通ってきたよね?もしかしたらその親の怪獣かもしれない…!それで卵を盗もうとしていたと勘違いして怒ってるのかもしれない…」
それも見事に的中だった。この怪獣の主が産んだ卵が先ほど通ってきた場所にあったのだった。それを見た怪獣の主が卵を盗もうとしたと勘違いをして怒っていたのだった。
「ヒェェェ!!恐ろしい!!」
怪獣の主が地底走行車めがけて襲い掛かってきた…!!と、その時…!!
「ドドドドドド!!!!」
という大きな振動が起こった。そう。火山の噴火が始まったのだった。
「みんな!しっかり車に掴まって!!」
まーくんがそう言うと、怪獣の主の攻撃を危機一髪避けたが、地底走行車の後方部分から火山性の溜まっていたガスの強烈な力によってマグマの通り道を一気に押し出されていく。
「これゃあとんでもない非常事態になりそうだ!!」
まーくん達は、必死に地底走行車に掴まっていた。地底走行車はどんどんスピードを上げていくく。
「見て!!明かりが見えた!!やっと地上に戻れる!!」
島田君と和田君は安どの表情を見せた。しかし、時速75キロは出ている状態なので噴火の力によって火口から吹き上げられる運命だった。
「ダメだ!!もうすぐ噴火でこの車が吹き上げられるから着地の衝撃に気を付けて!!」
まーくんがそういうのもつかの間、地底走行車はプロメテウス火山の中腹辺りから一気に噴火と共に吹き上げられた。
「うわぁぁぁぁ!!!」
「ギャァァァァ!!!」
「わぁぁぁぁあ!!!」
3人とも大絶叫をした。
落下した地底走行車は以前の噴火でできたマグマだまりに見事に着陸した。
「みんな無事かぁ?」
まーくんが声を絞り出して言った。
「何とかね。とても恐怖だった…」
島田君がまだ恐怖感が抜けずにいた。
「やっと地上に出れた。」
和田君も安堵の表情を見せた。
プロメテウス火山で九死に一生を経たまーくん達。炎の剣を手に入れて、次の目的地に向かうのであった。その続きはまた次回のお話にて。