20話
あの死闘があった次の日
俺は森の中で目を覚ました
なんで、森の中にいるんだろう?
何があったのか思い出せず、おぼろげな頭を回転させて昨日のことを思い出そうとした
えっと、確か昨日は夕食を食べた後、それぞれの部屋で寝て...
そして、俺は眠れなくなって、散歩にでかけたんだっけ
そういえばなにか考え事をしていたな
確か....ああ、日本とここの違いか...
それで、その一つの例として”魔法”が上がったんだっけ
そして、興味本位で魔法が使いたくなって...森に入った
そっか、もしかしてそのまま疲れて寝たのか
うん、納得した
俺は速く家に帰ろうと起き上がろうとしたが...
「イ゛ッ!?」
いきなり体が痛みだして起き上がれなかった
なにこれ?体全体が痛い
筋肉痛か?いや、昨日は魔法だけだったはずだし...
それに、筋肉というよりは体の節々が一番痛い
それでも痛みを我慢して立ってみた
すると、体中がゴキゴキと鳴り出した
その音に驚きつつも、軽く歩くとすぐにバランスを崩し、それにいつもと目線の高さが違うことに気づいた
まさか、体が成長しているのか?
ということはこの痛みって成長痛?
でも、昨日いきなり成長するようなことってあったけ?
俺はなにか手がかりがないかあたりを見渡してみる
すると、デストロイクローのよりもでかい、大人の頭ぐらいの大きさの緑色の魔石を見つけた
ん?魔石って魔物から出るはずだし、なんでところに...あっ、そうだった
思い出した、昨日大きな狼種の魔物に襲われて、逃げることもできず、戦ったんだっけ
あれ、でもなんで俺生きているんだ
あのあと、不意の一撃を食らって、右腕なくしたし
魔法の打ち合いで、あちこちバッサリやられて、大量出血と魔力切れで倒れたのに
その後は最後の力を振り絞ってあいつを倒したけど、俺もそのまま死んだかと思ったんだけどな
それに体の傷がなくなって、腕も新しいのが生えている
それに服が刃物で切り裂かれて血まみれになってるし、多分夢じゃないと思う
そういえば、あいつの死体はどこなんだろう?
多分、魔石も転がっていたし、死んだと思うんだけど...
消えたのか?
まあ、いいや
とりあえず体を洗いたい
土の上で寝たから泥だらけだし
俺は川を探そうと思ってやめた
体が痛くて、動くのが億劫だし
だから、カードを使って水の球体を作り出して
体を洗おうとした
そして、気づいた
腕や足に銀色の毛が生えて、覆われているのだ
挙げ句の果てに昨日見た狼みたいに爪が鋭く、掌や足の裏が黒く不思議な感触がしたし、足の裏みたいに掌を掻くとくすぐったかった
「なんだ!!これはーーーー!?」
思わず叫びたくなった
それに叫び声が思ったより大きく、周りの木々を揺らし、軽く風が発生した
これじゃまるで狼じゃないか....まさか
俺は頭と腰のあたりを探してみた
すると案の条、狼の耳らしき感触と自在に動く尻尾らしきものがあった
今度は叫ぶ気にもなれなかった
自覚したからなのか尻尾がしなびているように感じる
なるほど、感情の変化で変わるのか...ってちがう
今はこれを隠すために家に帰って対策を建てなきゃ
俺は痛いのを我慢して街まで走った
街に入るとき門番に見られたら厄介なので、”隠密”を使って素通りをして、そのまま家まで走った
そして、家に入ろうとしたときクロが玄関から飛び出してきてぶつかった
俺は転びそうになるクロを抱きとめた
そして、クロをはなした
クロは俺の顔を見て驚いたような顔をした
さて、なんて言おうか
「お、おはよう。くろ」




