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Q13 学園の成り立ちと黒い影?

テストやばい(;一_一) でもプラネットウィズってアニメが面白すぎる(>_<)


2018年10月18日 Q12ぐらいのところの後半から話を変更しました。

 




 俺たちは、空飛ぶ魔法の馬車に乗ってプライレス総合学園に向かっていた。


「うわ~、すごいねライ君。とっても速いしこんなに高いところ飛んでるよ」


「……そうだな」


 俺としては飛ぶなんてこと知らなかったせいで少し慌ててしまい、その醜態をばっちりルインに見られてしまった原因の父上をどうしてやろうかと考えるのに忙しいので、あまり話しかけてこないほしい。


 あと恥ずかしい。


「ねぇ、ライ君って高いとこダメなの?」


 誰だっていきなり飛んだら普通慌てると思う。


「そんなことより、もう馬車の中は調べないのか?」


「今、話そらしたでしょ。……うん、もう面白そうなのはなくなっちゃった。あとは本棚の本ぐらいかな~」


 本か……。


「俺も読もうかな」


「じゃあ面白そうなの取ってくるね」


 そう言ってルインがとってきたのは、学園の成り立ちを書いた物語だった。


「結構薄いんだな」


「いろいろ端折ったりしてるらしいからね、絵本っぽいよ」


「どれどれ……」






 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 むかしむかしある所に、小さな村があった。


 その村には、決して多いとは言えない程度の村民と、心優しい村の長と、その長の一人娘が暮らしていた。


 ある時、その村の長の娘がこう言った。



 ――私、学校に行きたい――



 村の長は娘の願いを聞き入れ、村民たちや知り合いたちに頭を下げ、必要な金をかき集めた。その金を使い、村の長は娘をこの世で一番といわれる学校に入学させた。



 村と学校はとても離れていて、手紙のやり取りさえもままならなかった。




 そして6年の月日が流れ、娘は村に帰ってきた。


 村の長は言った。


 ――学校はどうだった――


 娘は言った。


 ――ごめんね、お父さん。1年でやめちゃった――


 村の長は何故と、あんなに行きたがっていたのに、と娘に言うが、娘ははっきりとした口調でこう答えた。


 ――あまり良い学校じゃなかったの。でもその代わり私は、世界を見てきた。おかげで私にはやりたいことが出来た――


 村の長は、それはなんだ、と娘に聞いた。


 ――私、学校をつくる。この世界のどんな学校よりも素晴らしいことを学ぶことが出来て、どんな人でも受け入れる、そんな学校をつくりたい――


 村の長は言葉をなくしたが、ほどなくして娘にこう言った。


 ――お前は本当に私を驚かせるのがうまいな。やるからには、全力を尽くすんだよ――







 最初はただの青空教室だった。しかし、すぐに人材が集まった。


 娘がもといた学校や、世界中をめぐって出会った人たちが出来る限りの協力をしてくれた。さらには様々な国の貴族や王族までもが力を貸してくれていた。




 そして完成したのが、プライレス国際総合学園。



 その学園を中心に、様々なものや人、文化が集まってできたのが、学術都市プライレス。



 学園は、娘の願い通り世界で一番の学校となり、数々の優秀な人物を輩出していった。



 世界は彼女の偉業を称え、彼女亡き後には盛大な葬式を挙げ、学園の庭に立派な墓標を建てた。


 そこにはこんな言葉が刻まれている。






 偉大ナル初代校長 リリアーナ・プライレス ココニネムル





 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






「へぇ……」


 学園が出来た理由にはこんな物語があったのか……。


「初代校長先生って、すごい人だったんだね。」


「けど、かなり古い物語らしいし脚色も多いんじゃないか?」


「そう言ってライ君は、すぐ人の夢壊そうとするんだから」


 そんなつもりはない。




 その後も二人で本を読んでいると、馬車の中に声が聞こえてきた。



『生徒の皆様にお知らせします。ただいまこの魔導馬車に一頭の火竜が近づいているとの情報が入りました。しかし、この魔導馬車には火竜十頭のブレスにも耐えられる非常に強力な結界が施されており、護衛のものもおりますため、ご安心ください』


『ですが、念のため事が終わるまでは窓から顔を出さずに馬車の中で安静にしてください。間違っても、火竜に立ち向かおうなどという事を起こさないようにしてください』




 火竜だと?


「火竜って、火を吹くドラゴンのことだよね? 見たい見たい!」


 馬鹿といって止めようとするが、すでにルインは窓からこれでもかと頭を出していた。


「おい、危ないぞ――」


「ライ君」


 急に真面目な顔になったルインが、こちらに来るように手招きした。


「なんだ、なにかあったのか?」


「あれ、ほんとにただの火竜なの?」




 ルインが指さしたその先には、先ほどの放送で言われたものと思われる火竜がいた。


 ……いや、正確には火竜()()()()()がいた。




 その体には大量の傷がついており、怪しげな青黒い霧を漂わせながらこちらに猛スピードで飛んできている。




 その眼に、光は無い。




「なんだ、アレは……」















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