▶これまでのあらすじ◀
【第2巻『転移者』までのあらすじ】
by メアリ・シレーン
元人魚のわたしは、シャーク海賊団の船に乗ることになった。
シャーク海賊団を率いるのはラムズ・シャークという男。その船員には赤髪赤目のルテミス。
──ルテミス。
神様に神力という特殊な力を依授(授与のような意味よ)された、化系殊人だ。
ルテミスが依授された神力は、赤髪赤目、高い運動能力。体術で右に出る者はなかなかいないわ。
(元人間の殊人は、見た目や性格が変わると化系に、変わらなくてちょっとした能力を貰っただけの場合は能系に分類される。
魔物が依授されると獣人、わたしみたいに人間以外の使族が依授された時は、ただ"神力持ち"って呼ばれるわ)
実はガーネット船に乗っていた人間たちに、わたしが人魚であることがバレちゃった。だから今後はさらに人間に警戒して生きていかなきゃいけない。
なぜ警戒する必要があるかって?
わたしたち人魚が人間にとっても嫌われているからよ。
でも、船長のラムズはわたしの鱗を相当気に入っているようで、これからはわたしを守ってくれるらしい。ラムズは宝石が大好きで、彼にとっては鱗も宝石くらい美しいんだって。
ラムズはエルフ並に魔法が得意で、おそらく血を飲むヴァンピールという使族だと思うわ。とにかく謎めいた船長なの。
使族っていうのは神様が創った存在のこと。ドラゴンや人間、人魚、エルフなどが使族。それ以外にこの世界にいる生物は、空気中の魔力から自然発生した魔物だけ。
とある事件で私の鱗が体から剥がれ落ちてしまい、この汚い鱗を元に治すためにフェアリーに会いに行くことになった。
仲間に加わったのは五人。
幼い見た目、酒好きのヴァニラ、
聖女のロゼリィ、
男のエルフのノア、
凄腕魔導師のアイロスお爺さん、
そして異世界転移者のレオンだ。
レオンは相当変わってる。地球という別世界から来たせいか、彼の価値観にはいつも驚かされるわ。
このレオンと協力して、わたしは人魚の悪い噂(人魚は歌で人間を操るっていう誤解)を消すために頑張ることにした。
そんなメンバーで、わたしたちは南大陸のハイマー王国という国に寄港することになった。というのも、海のど真ん中に大きな渦があったのだ。あれじゃあ船が通れない。
しかも海の底にはクラーケンの死骸があった。
クラーケンなどの怪物のような使族は殺しちゃいけないのに。一体誰が殺したの? そして、何のために?
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