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???【通路内部】
これまでと違い、狭い通路内。
どうあっても行動に制限がついてしまう。
だからこそ、より一層警戒していた。
油断は無かった。
兆候が見られればすぐさま対処できる自信があった。
けれど、そもそもそれが決定的な緩みである事に僕は気づいていなかった。
「――ッ!」
何をされたのか、それすらもわからなった。
背に衝撃があり、声が出ないほどの激痛。
身体は硬直し、その場で崩れ落ちる。
「な、にを……」
「道案内、ありがとう」
呻く様な僕の問に、彼女の物とは思えない平坦な声が返ってきて、二度目の衝撃と共に僕の意識は落ちていった。