その4「現状確認って重要」
その後数分間途方に暮れていたが、このままここで立っててもなんの解決にもならない、とりあえず家の中に引っ込む事にする。なにせ異世界転移だ、やることは山ほどある、まずは…
「さっきの手紙、よく確認するか…流石に情報が少なすぎる」
そう、一番先に確認すべきなものは決まってる、恐らく俺を転移させた存在からの唯一のメッセージである、あの不審な郵便物だ。土間に放置した封筒を拾い上げ、中身をよく確認すると、さっきは気付かなかったがもう一枚入っていた。
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おうちそだてせっと とりあつかいせつめいしょ
せっとないよう きせきのいえ きせきのじょうろ きせきのはねぺん きせきのたんざく きせきのほん
きせきのいえ そだついえです じょうろで そだてましょう
きせきのじょうろ そだてるじょうろです たんざくに はねぺんで たてものの なまえかいて いれて つかいましょう
きせきのはねぺん きせきのたんざく せんよう はねぺんです
きせきのたんざく つかっても ふえて もとのかずに もどります
きせきのほん じっせききろくしょ です がんばって じっせきかいじょ しようね
くーりんぐおふ ふか
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「家はココでジョウロはコレ、羽ペンと短冊と本はどこだ?」
すぐに見つかった、テーブルの上に見たこともないレトロな一式が置かれている。藍色の羽ペンと青いレトロな本、そして装飾的なふち模様の入った名刺程度の黄ばんだ紙の束…。本をめくってみると、ほぼ全ページ白紙だが、最初の1ページに文字が書いてある。
「じっせきかいじょ…おうちからでよう…こんびにえんすすとあ いれぶんないん が あんろっく されました…?つまり、これって」
イレブンナインとは日本全国に展開するコンビニチェーンだ、さっき朝飯買いに行こうとしたのもイレブンナイン。今回アンロックされたらしいのもイレブンナイン、取扱説明書の内容…ひょっとするとこれって。
「もしかしたら俺は最高に便利、というか最高にヤバイチートを授かったのではないだろうか?」
一通り家電もあるし冷蔵庫もあるし自炊もするが、今は丁度すっからかん。万が一チート無しだと壮絶なサバイバルが発生する所だったが、これはもう勝ち確定なのでは?つーか気にしてなかったけど電気もつくし水道もガスも使えるみたいだ、やっべぇ自称神様ありがとう。
短冊に羽ペンでイレブンナインと記入、それをジョウロの中に入れると、コポッコポポッと底から水が溢れ出してきた。この時点でだいぶ興奮してる、だってこんなの素敵すぎるじゃん。そんでもって、玄関から出てジョウロの水を家にかけた