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白狐のミソロジー  作者: ヴァイス
末裔の白狐
17/43

この世界のオーパーツ

今回はミラ視点です


前話でパミエラの名前が統一されていなかったので修正しました。それから、鑑定察知の説明も変更してあるので、見ていただけたらと思います。

 私はミラ=クディト=メリシュラ。メリシュラ商会の商会主をしている者です。今は王都へ向かって帰っている途中ですね。


「ミラさんよ。よかったのか?」

「何がでしょうか?」


 御者をしているレオルドさんがそう聞いてきますが、質問内容がいささか不明瞭なため聞き返してしまいました。


「あの水晶玉みたいなやつだよ。貴重なものだったんだろ? 狐人の嬢ちゃんたちに上げてよかったのか?」

「あぁ。アレですか」


 質問の意図をようやく理解しました。

 思い出すのは先程盗賊から命を救っていただいたお二人のことです。私は命を救っていただいたお礼にお金を差し上げようとしたところ、お金よりも物の方がいいと言って、それならばとあのオーパーツ・・・・・をお二方に渡したのです。


 最初に見た時は驚きました。私の母が言っていたオーパーツの中でも特にとんでもない代物が、まさかエランデ公国の遺跡から出土するとは思っていなかったのです。あのオーパーツは願いを何でも一つ叶えてしまうもの。これは一個人どころか一国でも独占するわけにはいかないものです。


 故に帰ったら秘密裏に処分しようと思っていました。制限なしに願いを一つ叶える力などこの世界にはあってはならないものです。


 これだけのことを言っておきながら、私はその力を一個人に譲渡してしまいました。ですが――――


「あの方々ならば使い方を間違えはしないでしょう」

「あ? 何の話だ?」

「いえ、何でもありません」


 言わなくていいことは言わないのが私です。私はそのオーパーツをリリと名乗る獣人の少女に渡したのです。天玉を出した時の彼女の反応。最初は興味なさげでしたが彼女のご友人と思われる方から鑑定できないと言われた後のあの反応は分かったのでしょう。そして、感じ取られているのは重々承知の上でついた嘘。


 間違いなく彼女はあれがオーパーツだと言うことを見抜いていました。


「パミエラさん」

「何でしょうか」


 この方はパミエラさん。レオルドさんは気付いてらっしゃらないようですが、森人族。つまり、小精霊様なのです。最初にそう呼んだ時、そのように呼ばないでほしいと言われたので名前呼びに落ち着きました。


 彼女は小精霊故に魔法の扱いに関しては人族など遥かに超える存在です。そして、様々な状況にも魔法やスキルなどで的確に対処できる方なのです。


「リリさんは鑑定を使っていましたか?」

「? いきなりですね」

「はい。気になったので」

「私には感知できませんでした」

「そうですか。では、ココさんの方はどうですか?」

「レオルド、ミラさん、それからあの水晶玉に使っていました」

「なるほど」

「こんなことを聞いてどうするのですか?」

「いえ。気になっただけですよ」

「はぁ・・・・・・」


 納得をしたわけではないでしょうが、渋々といった感じでパミエラさんは引き下がってくれました。

 いずれにしても、これで確定ですね。


 彼女リリさんは、【完全看破】を持っていますね。


 一部のオーパーツは鑑定及び、その上位スキルである看破ですら見抜けない高度な偽装が施されているのが普通なのです。今回リリさんに渡した《天玉》もその一つです。

 高度な偽装が施されるオーパーツの共通点は一つ。


 この世の理を壊しかねないほどの強力な力が内包されていることです。


 公表されているオーパーツの殆どは、今代の鍛冶師でも鍛練次第で到達できるほどのものでしかありません。それがまだ実現できていないからこそ発掘された魔法装備の性能の良さをオーパーツとして公表したに過ぎないのです。


 本来オーパーツというのは現状の技術では作り得ないような高度な魔法具をそう呼びます。つまり、国宝指定されているようなオーパーツというのは、ただ単なる魔法装備。本物のオーパーツはそれこそ両の手で数えられるほどしかないのです。ですが、価値を見極められずただの調度品として扱われてしまっているのが現状なのです。物の価値を見極められないとは嘆かわしいですね。


 さて、話が少しそれかけたので本題に戻りましょう。オーパーツは偽装がされている。そして、その偽装は完全看破でしか突破することは叶いません。そして、完全看破は叡智ある神の落とし子しか習得することのできない神の如きスキル。


 だからこそ、私は彼女に天玉を託しました。彼女なら間違いなく悪い事には使わないと断言できます。


「ところで、ミラさんはあの嬢ちゃんたちのこと知らねぇのか?」

「と言いますと?」

「いやだから、狐人族の種族特性とか知らねぇのかって」

「あのお二方は狐人族という種族なのですね。それで、それがどうかしたのですか?」

「マジで知らねぇのか・・・・・・」

「?」


 後で知ったことなのですが、狐人族はとても有名な種族らしいです。何でも、掟の制限がありはしても現存する種族の中では特に長寿で身体能力が高いんだとか。

 しかも、レオルドさんに聞いたところ、あの二人はおそらく二~三歳くらいだそうです。どう見ても十歳前後の容姿だったのですが・・・・・・。これも後で知ったのですが、どうにも狐人族の成長速度はあり得ないレベルで、五歳くらいになったら見た目は十五歳くらいだそうです。

 なぜ五歳なのでしょうか? その理由が数年後に分かるということは、今の私には知り得ないことですね。

ありがとうございました。

これからもよろしくお願いします<(_ _)>

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