Ep.9 『苦肉の策』
ゴッズ本部にいるグレートフォースのもとに、静子からの通信が届いた。驚いた4人の耳に飛び込んできた静子の声はただシンプルに、
「今を持ってチームは解散! それぞれ好き勝手に戦いなさい!」
というものだった。
唖然とするグレートフォースの4人は互いに顔を見合わせた。しかしすぐに状況を飲み込むと、皆頷いた。
カナラズ本部にいる静子は目的を達成し、息を切らしていた。背後で長官が、「おい、何を勝手な事をしているんだ!」と怒鳴ってきたが、「やかましい!」と一蹴した。
既に静子の頭は通常の状態とは程遠い混乱と興奮に満たされており、上官だとか自分のクビだとか、そんな事に気が回っていなかったのだ。
ゴッズ本部の床に、ジャニンが横たわっている。
チームとしての縛りから解放されたグレートフォースの4人は、これまでのもたつきが嘘のように超絶なる強さを発揮してあっという間にジャニンをやっつけた。
「まぁ、4対1ではジャニンといえどもこうなるのは無理もないか」
玉座の男は微笑を浮かべたままそう言うと、立ち上がり、首を回した。
「では、いよいよ、私自ら戦う時がきたようだ。覚悟せよ、若きヒーロー達」
玉座の男は羽織っていたマントを派手に振るように脱ぎさった。
カナラズ本部にいる静子は椅子に座りこみ、大きく息を吐いた。
「まったく、やってらんないわ」
静子はそう呟き、早く帰ってビールが飲みたいという衝動に駆られた。しかし、モニターの向こうで世界の運命を賭した戦いが行われていることを思い出して、画面に目を戻した。
と同時に、思いのほか情けない結果を見せたグレートフォースの面々に苛立ちを感じ始めた。
昔のようなヒーローだったらどんなに頼りになったことか。こんなだから、近頃のヒーローはナヨナヨしてるとか言われるんだっつうの。
静子はそんな悪態を心の中でつきまくった。
そして、モニターの映像を改めて凝視した。
そして、絶句した。




