Ep.2 『決死の名乗り』
「隙ありー!!」
ドルターは口からショットガンのような水流を発射してグレートフォースに攻撃した。ただの水と侮っていると、気付いた時にはあの世行き。それほどこのショットガン水流の威力は半端ではない。
名乗りを誰から始めるかで譲り合いをしていたグレートフォースの4人はドルターには一切目もくれず、完全に戦闘中であることを忘れ去っている様子だった。なのでこうして真正面からショットガン水流を発射しても、この4人は気付くことも無くお陀仏だ。ドルターはそう思っていた。
しかしグレートフォースの4人は話し合いを続けながら、相変わらずドルターには目も向けないでいるというのに、ショットガン水流の事はジャンプして難なく避けた。
驚愕したドルターをよそに、4人のヒーローは着地した場所で相変わらず「どうしましょうね」と話し合いを続けている。
そしてついにジャンケンを始めた。
一体こいつらは何をしているのだ! 俺を馬鹿にしているのか!
ドルターは憤慨した。
そして再度ショットガン水流を発射しようとしたその時、グレートフォースの4人がジャンケンを終えて、ドルターに向き直ってきた。
ドルターは警戒して、一度ショットガン水流の発射を中止した。
「雪上戦士ハレル!」
「サンファイタービーチ!」
「剛力人間ブッチャっすな」
「青剣士ザン!」
突然、4人が自分達の名前を高らかに叫んできて、ドルターは「こいつら突然どうした?」と唖然とした。
『この4人、即ち世界を救う凄まじき力! 聞いて忘れることなかれ! グレーーーート………フォース!!!』
『ス』と言ったタイミングに合わせて、グレートフォースの4人がドルターを指差した。
ドルターは完全に呆れ返り、「お前ら、何やってんだ?」と素直に質問した。
4人は柄にもなくたじろいだ様子を見せてソワソワとしている。そしてサンファイタービーチが「お、俺達にも、色々あるんだよ……」とボソリと言い、他3人は「そうそう」と頷いた。




