治せない僕は天晴眼を授かった、そして君は魔法の手を授かった。
ここは地球と似て非なる世界、太陽に似た巨大な恒星と月に似た衛星が存在する、人々はアースと呼んでいる。科学技術の進歩により、人々は便利な生活を送る一方、長年の懸案であったエネルギーと資源の枯渇、開発と環境破壊の問題も、自然エネルギー利用効率化・環境教育・環境アセスメントの的確な実施が進み、持続可能で環境に優しい開発が進んでいる。
それでも、やはり、生きとし生ける者は皆、疾病や死から免れる事は出来ないでいる。
そんな世界にあって、治癒術と呼ばれる、疾病や怪我を回復する力を持つ者達は、主に外科手術・服薬より治療を行う医師に代わり、人々に一株の希望を与え、尊敬や賞賛を受ける存在である。
黒井悠磨も同様、治癒術の力に憧れを持ち、成長してきた一人である。
だが、治癒術は誰でも使えるものでなく、悠磨も例に漏れず、治癒術の力を持ていなかったが、彼には別の能力が備わっていた…。自身の能力に気付かず育ち、治癒術への嫉妬や自身への劣等感を募らせながら成長、ある日、偶然、治癒術の力を持つ少女と出逢う事により、自身の能力に気付き、成長していく…。
プロローグ
2015/04/11 13:54