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雪の日。

作者: 保科律

僕は嘘つきです。

貴女を好きだと気づいた瞬間に、僕は嘘をつきました。


特に興味のない女の子のことを好きだと。

貴女以外に伝えました。


多分貴女にも伝わっているでしょう。


でも、本当は貴女が好きです。


誰にでも優しく、利用されていたとしても困っている人を放っておけないお人好しの貴女が好きです。


たとえ、貴女が僕以外の誰かを好きだとしても。


僕は貴女が好きです。


でも、それを伝えたら、優しい貴女は苦しむから。


だから、僕は女の子を取っ替え引っ替えする最低野郎になります。


僕は貴女の可愛い後輩だから、たとえ他の人から僕が大批判されていても、貴女は僕に寄り添ってくれる。ちょっと説教しつつも。


僕はその時間が大好きです。


貴女を独り占めに出来るなら、僕はどんな嘘でもつきますよ。


そして、今ー。

僕は大学の特設ステージの上にいます。


何人かの友人と趣味でバンドを組み、大学主催のミニイベントで披露します。


貴女には伝えていません。


もうすぐ、卒業する貴女は大学に来る必要がほとんどないでしょう?


そんな状況で、誘ったとして貴女が見に来てくれなかったら?


そう考えると伝えることが出来ませんでした。


ラストの曲。

雪が降ってきました。


そして、雪がちらちらと舞う中で、貴女を見つけました。


貴女はただ僕だけを見つめていましたね。


僕はそれが嬉しくって。

思わず貴女に微笑みました。


貴女も僕に笑いかけてくれました。


その他大勢に向ける笑顔じゃなくて、僕だけに向けられた笑顔。


この場所から貴女の笑顔を見られるのは僕だけ。


今だけは貴女の視線も笑顔もー

世界中で僕だけのもの。


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